実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)
行事:成果報告会
全体会 /第34回(平成20年度)
富山市立山室中部小学校 (富山) 石黒正美 教諭

研究課題:
日常の授業における基礎的な学力向上のための
ICT活用指導法の開発

本校は生徒数が約800人、教師が35人の学校。平成19年度より全教室にICT機器を導入して、20〜21年度に研究助成を受けて研究を続けてきた。生活習慣・学習習慣を土台にした基礎的な学力(読む、書く、計算の習熟度型基礎学力+学習指導要領型)を短期間で効率よく身につけさせることで、思考力、判断力、表現力へつながると考える。また、基礎的な学力を支えるものが生活習慣や学習習慣であると考えている。

  • ICTを活用したビジュアルによる生活指導で、例えば正しい姿勢について3段階に分けて、視覚化、具体化、簡素化した指導をすることが効果的だとわかった。
  • ICTを効果的に活用した、「基礎学力定着」のためのモジュール学習指導法を開発した。
  • 日常の45分授業改善に役立つICT活用の指導法を考え、3つの指導パターン(知識の定着、技能や操作の習得、思考の整理)を授業に取り入れることで効率的に指導ができるようになった。
助成の2年間で2回の公開研究会を開催し、研究の成果をまとめたICT活用指導法ガイドブック『わかる授業はじめの一歩T・U』を提供した。富山県の学力検査でも本学の平均は全学年が県平均を上回り、また4年生時には県平均を下回っていた6年生も今年度には平均を上回るなど、確実に学力は向上している。

浅井先生(京都教育大学)から「生活習慣から基礎的な学力をつけるところで、ICTをからめて具体的にどのように実践しているか」との質問があり、「例えば、毎朝のモジュール学習では大きく写し出して、文字を書く、大きな声で読むなどで姿勢を正し、声の出し方などをこだわっていく中で、子どもたちは『自分はできるんだ』という自信を持って1日をスタートできるようにしている」と回答。木原先生(大阪教育大学)は「全校体制で取り組んでいるが、学力の上部にある思考力、判断力、表現力の育成とICT活用を同定しようという動きがほしい」、赤堀先生(白鴎大学)からは「学力の基礎部分と活用部分がリンクすることがポイントだと思う」という意見があった。
テーマT「確かな学力の育成に向けたICTの活用」
三次市立三和小学校(広島)愛甲昌弘 教諭
研究課題:
論理的に考え表現する力を育成する授業の創造
〜ICTを活用した国語科・算数科の授業改善を通して〜」
坂出市立府中小学校(香川)藤川直人 教諭
研究課題:
個に応じた学習支援活動を通して、意欲の向上と基礎・基本の
確実な定着を図る
〜すべての普通教室における様々なICT機器の効果的な活用を通して〜
テーマII「人間力の育成のためのカリキュラム開発」
上越市立城北中学校(新潟)大塚啓 教諭
研究課題: 地域と進めるキャリア教育の展開

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