実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24〜25年)

福岡県立戸畑高等学校の活動報告/平成23年度4月〜7月
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実践経過
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成果と課題
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 ICT教材を利用した授業展開を行うことで、積極的に授業に参加する生徒が増加している。また、板書の時間が省略され、教務部・進路部の目標にある「思考力をつけさせる」ための時間の確保が十分にできている。使用する教材は本校職員が作成しており、本校生徒の学習状況に応じた指導ができる教材となっている。また、作成した教材をデータベース化し全職員が共有できる環境においているため、各教科統一した指導を行うことができている。これらの活用は授業のみならず、考査前の補講にも活用され限られた時間の中でより充実した指導を行う点で効力を発揮している。今後さらに多くの教員がICT教材を活用した授業を展開することにより、より一層の効果が期待できる。

実践経過

●数学科
・デジタル教科書を利用して教材作成
・板書省略(プリントの解答・命題の問題・入試問題)
・2次関数のグラフの動きを見る
・授業用プリントの効率化を進めるため、PP教材(自作)を使用


 

●英語科
・英文の板書省略

(白文字で黒板に直接映写、チョークで書き足し可能)
 

●理科(生物・物理)
・動物の発生の過程の動画を見せる
・複雑な図の板書省略

 

●国語科
・問題演習の解説用に使用。本文にそのまま解説が書き込めるようにシートを作成

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成果と課題

<成果>

●数学科
・生徒の顔が上がっている
・板書量減少により、考える時間が増えている
・問題数増加
・視覚的で理解がしやすい
・確認・復習が短時間で行える

●英語科
・板書効率UP
・全文を写すことで段落の流れ等がつかみやすい

●理科(生物・物理)
・連続的な変化が確認でき、理解が進んでいる  
・積極的な活動が見える

●国語科
・授業進度が早くなった 
・注目点が視覚的に判断できるので文章の読み方を提示
する点で良い

<課題>

・電子ペンの活用効率が悪い
・直接黒板に写すと色がやや見えにくい
・板書との位置関係 

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 準備過程においてより深く教材の掘り下げができ、伝えたいことが明確になった

  • 立ち位置が難しく、落ち着かない

  • 国語は内容が変わるので使い回しができない

  • プロジェクターで投影した式を指で隠そうとした

  • 文字化けした

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アドバイザーコメント

日本福祉大学 教授 影戸 誠 先生

■ 授業見学、検討会に参加して

 これまで二回福岡県立戸畑高校の授業見学をさせてもらった。きれいな廊下、掲示物、学校のもつ雰囲気そのものが質の高い教育を体現しているように感じた。また「応援団」の演武の見事さなど「伝統」やこの学校の文化を感じることができた。

 共通のコンテンツ活用
 どのクラスいっても同じ教科で同じデジタルコンテンツが使われていた。これまでこのような「共有」は海外で見ることができたが、「人のものをあまり使わない」日本の学校文化ではあまり見られなかった事例である。教材を共有できるのがデジタルコンテンツのよさであり、ネットワーク、USBを介して利用していた。
 コンテンツデザインが共通であることから、指導内容が、教員経験によって大きく変わることなく、「単元の目標」など必要最小限の事柄は達成できていた。
若手の教員にとっては「デジタルコンテンツ」の活用を通して、「先輩の指導」に学ぶことができ、学校全体で取り組む良さがここにあるように思えた。

 顔の向き、思考ノイズ
 投影された「グラフや概念図」、生徒にとっては集中して課題にとり組む時の「よりどころ」となる。これまでの「線を引いたり、図を探したり、目線を教科書に目を移す」などの思考を止める「ノイズ」が軽減される特徴が感じられた。
学習者の思考の流れ、授業での獲得目標を意識した授業となっていた。
デジタルコンテンツがリズムよく授業展開を行ためのポイントとして使われていた。

 作業ノートとの連携
 数学など、理解し、考えを定着する作業のため「ワークシート」が準備されていた。デジタルコンテンツの活用に連動したワークシートデザイン、授業時間配分、授業デザインなどこの学校から多くのモデルが出されると思われた。

 振り返り
 デジタルコンテンツの活用により、ある程度まとまった期間の復習が効果的に達成できている。デジタルコンテンツはまさに基本情報であり、限られた時間の復習には「同じデザイン」での提示が復習には効果的である。

 授業検討会
 7月の訪問時には、授業後の検討会に参加させてもらった。授業者が、お互い授業にコメントを加え、生徒の目線からコメントされていた。一人の実践が、デジタルコンテンツのヒントして共有されていた。コラボレーションが新しい指導方法を生んでおり、またその検証がさらに質的な高まりを生んでいる。Plan Do See Check and Tryがコンテンツ活用という具体的な対象の中で実践され、改善されている。全校で取り組む良さがここにある。

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