実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24〜25年)

徳島県立盲学校の活動報告/平成23年度8月〜12月
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実践経過
実践経過

成果と課題
成果と課題

成果と課題
裏話

 

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  1. 画面転送システムを用いた見やすい環境作り

    2学期の授業スタイルとして,全ての教員がICTを活用した授業を行い,活用方法を模索することをポイントとした。生徒だけでなく,教員も視覚に障害を持つなか,それぞれが可能な範囲でICTを活用し,生徒へ情報提供する手段を増やしていくことにした。その中心となるのが「画面転送」である。画面転送を行い,生徒一人ひとりがそれぞれ見やすいモニターを見ながら授業を受ける。それを見ることにより,資格修得に必要な情報を少しでも多く,分かり易く提供できるようになる。

  2. 授業支援ソフト「EdClass」を用いた授業。

    このソフトにはファイル転送や画面転送など様々な機能がある。その中で,視覚に障害のある教員がどこまで活用できるのか。また,このソフトの活用方法を,授業実践の中で可能性を考えていく。

  3. iPadの活用

    iPadを調べ学習に活用し,参考書代わりに活用するようにした。ipadは,本校のNASと連携させ,大きなデータも見ることが可能となった。また,授業中に資料となる写真等を撮り,それを見ながら内容を検討するなど,ipadの手軽さ故に便利さが伝わり,活用する授業が非常に増えた。さらなる活用を考えていく。

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実践経過

8月
指導案検討会
EdClass活用職員研修

9月
指導案検討会
第1回研究授業

10月
指導案検討会
ICT研修(画面転送)

11月
第2回研究授業(公開)

 

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成果と課題

<成果>
 9月に1回目,11月に2回目の研究授業・研究協議を行い,それぞれ職業学科の教員全員がICTを活用した授業を行った。生徒自身がICTを活用することに不慣れな状況の中,操作方法の指導や授業資料作成を学校全体でバックアップしてもらった結果,生徒は少しずつICTに慣れ,さらに全盲教員でも,弱視生徒に分かり易い資料を提示することができた。
11月は,公開研究授業・研究協議として全国の職業学科を持つ全国の視覚障害者支援学校と,県下の全ての学校に案内を送った。
 その結果,年度途中の案内にもかかわらず,大阪,鳥取,広島,福岡などの特別支援学校の他,県内の弱視学級を持つ学校からも参加があり,本校の取り組みへの関心の高さがうかがえた。
前回に比べ,少しずつICTを授業ツールとして活用できるようになってきたと感じる。9月は,初めての取り組みが多いため,ICTをどの様に使うかを中心にしていた部分があるが,11月では,ICTを必要なポイントに絞って活用するよう心がけることができた。ICTによってより効果的な学習を行える場面と,活動による学習が効果的な場面とを意識して実践を行えてきたと感じる。

<課題>
タブレットPCを用いての活用が十分ではない。ipadに比べ活用が少なく感じる。
アナログモニターを多く設置できる環境が整ってきたため,パーソナルモニターとして学習環境をどの様に構築していくかを考えなければならない。
これからも,この実践を深め,この研究のテーマともなっている「五感を活用した授業」展開が行えるよう取り組んでいきたい。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 機器が7月にやっと揃い,9月の研究授業に向けてiPadやタブレットの研修・EdClass等のソフトの研修を含めて,その上に指導案検討会と慌ただしくなった。その中で授業に用いる教材作成を行った。
その製作を,授業担当者以外の先生方に手伝ってもらえた。生徒だけでなく,教員も視覚に障害があるため,自分だけではなかなか作りたい教材ができない状況にある。しかし,この研究のために資料づくりや会場設営等様々な場面で多くの先生方にお手伝いをして頂けた。まさに,全校挙げての取り組みになっており,このことを本当にありがたく,またうれしく思っている。
その一方で,EdClassを用いた授業実践に苦労している。まだ,ソフトになれておらず,本来はファイルの転送や生徒画面の管理をするソフトにも関わらず,画面転送ソフトとしてしか活用できていない。また,視覚障害者が用いる音声ソフトとの折り合いがうまくいかず,苦労している。これからの活用方法を考えて行こうと思っている。

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