実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24〜25年)

徳島県立盲学校の活動報告/平成23年度1月〜3月
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ポイント

実践経過
実践経過

成果と課題
成果と課題

成果と課題
裏話

 

セールスポイント

1.生徒用校内案内板(HP)の活用開始
生徒が校内サーバーにアクセスして課題の提出をしたり,授業の資料を見たりするために各々のフォルダに速やかにアクセスできるようにと考え「生徒用校内案内板」をもうけしました。生徒のIDでログインしてインターネットエクスプローラを開くと自動的に「生徒用校内案内板」が開くように設定しました。ここから検索サイトや厚生労働省などいくつかの必要と思われるサイトにリンクを貼りました。また,白黒反転画面にも対応し見やすい画面となっています。画面をシンプルなものにし,スクリーンの文字を音声で読み上げる音声対応の人にも聞きやすいものに仕上げました。

2.自己学習教材の充実
教材置き場を解説し,HPを活用した自己学習教材として,一部の教科書をデジタル教材として作成し,アップしました。そのことで,視覚障害者用に編集された分厚く重たい本を持ち歩く必要が少なくなり,また自分の見やすい大きさや学習しやすいタイミングで教材を見る事ができるようになりました。
また,チャレンジコーナーを充実させました。 JavaScriptによるN択問題のページを作成するツールを活用し,模擬テストを行えるようにしました。これで,国家試験の4択問題をテスト形式で行う事ができ,採点ボタンを押すと各問題に対する正誤表と,100点満点で○○点と,点数が出るようにしました。点数が出る事で,達成感や自己の振り返り学習に効果が出ると思われます。

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実践経過

1月
1月
・生徒用校内案内板(HP)の活用開始
・生徒移動プロファイル修正完了
・指導案検討会
・第3回研究授業

2月
・生徒ICTアンケート
・運営会
・HPに教材置き場を設置

3月
・生徒ICTアンケート集計
・運営会
・HP自己学習教材のチャレンジコーナーの充実

 
 

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成果と課題

<成果>
1月に3回目の研究授業・研究協議を行いました。研究授業では,iPadの活用・画面転送・活動を取り入れた動きのある授業を行い,わかる授業をめざして取り組みました。
また,前回の課題であったタブレットPCを活用した授業支援ソフトを活用しての授業実践も行いました。
全体として,教員のみならず生徒自身もICTの活用に慣れてきて,放課後や自宅で授業データやHP上の自己学習教材を見て,学習する生徒が増えてきました。
生徒の自己学習環境は非常に良くなりました。生徒用校内案内板の設置やHP上の教材の充実など,生徒の使いやすさ・学習のしやすさにおおきな進歩があったと感じます。

<課題>
授業中の生徒のICT活用をもっと深めていかなければならないと感じます。生徒達は,ずいぶん慣れたとはいえ,まだ教員からのアプローチが中心で,自ら活用する機会が少なく感じます。その中で,授業時における生徒が主体的に行うICT活用とは何かを考えていかなければならないと思っています。
また,教材がまだまだ不足しています。長期休業中やその他の様々な時間を活用して,教材の充実を図らなければならないと感じます。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 何より嬉しかったのは,生徒用校内案内板が設置できた事でした。これにより,生徒はインターネットを立ち上げると必ずこの案内板がひらきます。そこには,必要なショートカットが並んでいます。生徒からも便利になった,使いやすくなったなどと伝えられとても好評です。
今までは,教員用の校内案内板はありました。2学期の末に,情報担当の先生に上記のようなショートカット集を作って欲しいと依頼したところ,あっという間に作ってくれました。
この機動力が本校のICTを支えているんだなと痛感しました。周囲の先生方の協力無くできる取り組みではないと感じるとともに,これからも生徒の利便性や必要性を捉え,多くの先生方に協力を得ながら効果的な学習を行えるように対応していきたいと思います。

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1年間の実践を終えての感想

 年度当初に掲げた現状の課題は以下の5点でした。
1.一人ひとり見え方が違うため,適切な学習環境が構成できない。
2.板書をしても,黒板の字が見えない。
3.教科書の文字や図が見えにくい。
4.一般に販売されている参考書や専門書は文字が小さすぎて見えない。また音声に対応した物がない。
5.全盲者が東洋医学漢字を理解しにくい。

これらについて,対策として学習環境を整え,手元で板書の文字が見えるようにするために,画面転送システムや教科書のデジタル化を行いました。
また,生徒が自己学習できるデジタルコンテンツを作成し,学校のみならず学校外からもHPを活用する事で学習できるシステムを構築し,教材を作成しました。
教室にも,一人ひとりにパーソナルモニターが設置されるなど,この1年で,本校のICT環境は飛躍的に向上しました。
それに伴い,教員も積極的にICTを活用するようになり,以前は一部の教員しか行っていなかったICTを活用した授業形態が,今は職業学科全教員が行えるようになりました。本校は,教員も視覚に障害があるものが多く,全員が行えるのは非常に大変な事です。しかし,先生方が熱心に取り組んだ結果,この1年でICTをかなり活用できるようになりました。
生徒には60歳を超えている方もいます。しかし,どの生徒も自分の見やすい環境を設定し,必要に応じて資料を画面上で拡大したり,白黒反転をするなど活用が進んできています。
ただ,全盲生徒が活用できるような教材が少なく,また教科書のデジタル化などが一部しかできておらず,総じて教材の不足があげられます。
少しずつ,増やしていますが,次年度以降積極的な教材の充実が必要と感じます。

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次年度への思い

 3学期の成果と課題にも取り上げましたが,教員からの一方向性のアプローチが多く,まだまだ双方向性になっていない部分があります。
授業の特性上,そうなりやすい教科もありますが,可能な限りICTのCをもっと伸ばしていきたいと感じています。
また,生徒達の自己学習教材をもっと充実させていきたいと感じています。本校職業学科では,現在全盲生徒がおらず,どうしても音声教材が後回しになる傾向があります。この充実をもっと意識したいと思います。

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