財団活動日記&ニュース
2012年1月26日
 教員一丸で推進 次年度に向けて 早くも挑戦!
 

兵庫県西宮市立北六甲台小学校に、当財団の今年度3回目の訪問指導日として、参加させて頂きました。当日(1月16日)は、市内の公開研究会でもあり、また市のICTサポーターの研修会も兼ね、60名を超える参加者となりました。

その中には、指導助言として、豊田充崇先生(和歌山大学准教授)、川端建治先生(京都教育大学講師)、西宮市教育委員会の森本指導主事が参加し、さらに、黒上晴夫先生(関西大学教授)、永田智子先生(兵庫教育大学准教授)、漢陽大学(韓国)のSunhee Bhang先生らも参加する研究会となりました。

今回の授業研究のポイントは、1人1台のタブレットPCの活用と少人数学習です。これまでは、デジタル教科書を活用した基礎学力の徹底に注力されていましたが、今回の授業研究では、早くも次年度の研究テーマを見据え、学びが深まる姿の追及を狙いとされていました。授業者は、昨年の10月ごろから準備を始め、本時に挑みます。1人1台のタブレットPCの活用は、北六甲台小学校で、初めて試みる授業研究として、取り組まれました。

研究授業は、5年社会科で、単元名「調べよう! 見つけよう! わたしたちのくらしと情報」、単元計画(全13時間)の5回目の授業です。題材として、テレビコマーシャルを取り上げ、コマーシャルの工夫や効果を見つける活動です。

授業の流れは、
(1)課題把握(5分)   :事前に行った調査から、8つのコマーシャルを確認する
(2)ひとり学習(10分) :1人1台のタブレットPCを使い、工夫や効果を見つける
(3)グループ学習(15分):同じコマーシャルを選んだ者同士で、意見を交流する
(4)全体学習(10分)  :8つのコマーシャルごとに、まとめた意見を発表する
(5)まとめ(5分)    :発表された意見から共通するものを考えさせ、まとめる

ひとり学習では、付箋を使い、グループ学習での意見交流を効率的に進める工夫がありました。また、グループ学習では、司会や記録、タイムキーパーといった役割が割り当てられ、話し合い活動に参加しやすい工夫がありました。全体のまとめでは、例えば意見がとまった場合に、つぶやいてみよう>隣の人と話してみよう>みんなに聞こえる声でつぶやいてみよう!と声をかけられ、ひとり>グループ>全体へとつなげながら、話し合い活動を深めていました。

○ 事後研究会
事後研究会は、研究授業に参加した60名を超える関係者の中で行われました。校外からの参加者は、北六甲台小学校の教員とほぼ同数の中、積極的な意見交換が行われました。

まず情報共有として、学校全体の3年計画の研究課題を紹介され、次に、本日の事後研究会の狙い(下記2点)を挙げ、課題を確認されました。続いて、研究授業と同じ8つのグループに分かれ、討議が行われました。研究授業で見た子ども達の、具体的な言動を踏まえ、進められました。

@ タブレットPCは有効に活用できていたか
A 話し合い活動により、児童の学びが深ま  っていたか
(ひとり学習/グループ学習/全体学習)

<グループ討議での意見の抜粋>
「タブレットPCの使い方で混乱はなかった」
「繰り返し、何度も見られる点がよい」
「意見をまとめさせたため、一般化されてしまったのではないか
(考えが深まらない)」
「考えさせる前に、視点の確認が十分ではなかったのではないか」
といった意見がありました。
さらに「学習の狙いに迫っていたのだろうか」など、現場が抱えていた意見をぶつけ合いました。

<豊田充崇先生(和歌山大学准教授)より>

  • 授業者のICT活用の工夫(労力)が多数見られた
  • 確立された授業の手法(KJ法による意見の集約など)は、日頃の指導の効果であろう
  • 教科としては、情報を受け取る側の正しい判断の必要性が掲げられるべき
    などを助言され、続いて、一人一台体制での発展性のある授業や可能性を例示されました。

また、川端建治先生(京都教育大学講師)からは、
「本時は‘深め合い’というより‘広げ合い’が狙いであったと思う」
「情報には、出会い方が大事であり、導入部の工夫が肝心」
など、助言やコメントを話されました。


○ 感想
北六甲台小学校の授業研究の特徴は、全教員が一丸で取り組む研究姿勢と思います。

今年度を振り返りますと、去る5月、デジタル教科書のインストールからスタート、その月末には授業研究を実施。先陣となる授業者は、最年長担任(校内で担任をもつ最年長者)でした。

続いて6月、各教員が授業を実践。1学期中には、全学年全クラス実践事例集(23事例)を作成されました。2学期の実践事例集は、全学年全クラスから2事例ずつ(46事例)を作成されるそうです。

このような全員で取り組む姿勢は、地域にも波及しています。次年度の研究発表会に向けて、地域からの応援も広がっているそうです。さらに、花壇の整備や植樹の寄贈などのご支援を頂いているそうです。


今回の授業研究は、参加者60名を超え、授業者は動きがとりにくい状況でした。しかし、授業終了後、授業者の授業ノートには、全ての児童の特徴が記録されていました。授業者は、子ども達の充実した様子を感じたことが一番良かったと述べられていました。全員で取り組む姿勢は、子ども達にも波及する源泉を、垣間見たように感じました。

引き続き、レポートしていきます。

北六甲台小学校の今までの活動報告

北六甲台小学校の基本情報
平成23年度4〜7月の活動報告

北六甲台小学校の財団職員によるレポート

来年6月の研究会に向けて、地域と共に準備スタート!(平成23年12月14日)
2年国語 共感的コミュニケーションにビデオを利用(平成23年10月25日)
実践事例集(1学期編)、全学年23事例を作成!!(平成23年9月13日)
デジタル教科書、6年算数科で公開授業!(平成23年6月24日)
デジタル教科書、6年国語科で実践!(平成23年6月3日)
デジタル教科書、活用開始!!(平成23年5月19日)


2012年1月26日(木)UP (田上)

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