財団活動日記&ニュース
2012年2月22日
 人間力の追及から、学習集団を育む
 

2月10日、京都教育大学附属桃山小学校が、2年間の特別研究指定校の集大成として、研究発表会を実施しました。全学級(12クラス)から14授業の公開を始め、学年別協議会、講演会等が催され、200名超の参加者から、活発な質疑が繰り広げられました。


<プログラム概要>
1)公開授業T(45分:全学年、7授業)
2)公開授業U(45分:全学年、7授業)
3)全体会  (20分:研究成果報告)
4)研究協議会(60分:学年別、6部門)
5)講演会T (30分:京都教育大学 浅井和行教授)
6)講演会U (60分:白鴎大学 赤堀侃司教授)
7)シンポジウム(75分)

○ 公開授業(全学級、14授業)
全学年の公開授業が、2時限行われました。印象的だったものを抜粋します。

<低学年から自由自在に活用>

(3年生:社会)電子黒板を児童が直接操作。1つの電子黒板に2画面を立ち上げ、左右の画面に「今の地図」と「昔の地図」を表示。その違いについて、発表させながら、気付きを促していました。
* 類似日記2011年7月:
アナログの良さを引き出す、ICT活用

(2年生:体育)跳び箱を跳ぶ様子を、デジタルカメラ等を使い撮影。10秒前の自分の姿を確認しながら、取り組んでいました。
* 類似日記2011年2月:
「子どもの側から発想した教育」を参観


(2年生:生活)児童1人につき、1枚のメモリーカードを配布。自分の意見を説明する時に、児童がカードを差し替えながら行っていました。


<思考の可視化:ミニホワイトボード>

(1年生:生活)ミニホワイトボードを1年生から使用。関連するものを図式化して表現(ウェビング)したり、文章でまとめたりしていました。

(6年生:理科)6年生でもミニホワイトボードを使用。ウェビングを使うグループの他、天秤の図を書いたり、箇条書きでまとめたり、自分たちに合う方法を使っていました。
* 類似日記2010年11月:
京都教育大学附属桃山小学校の授業研究会へ行ってきました

<自立的なグループ活動>

(4年生:図工)班ごとに、司会者や発表者等の役割を順番に行い、自分の考えを伝え合う活動をしていました。
* 類似日記2011年11月:小集団活動で、自立と共生!

(5年生:算数)児童が司会をしながら、授業を進行。教師は発言された意見を板書していました。授業は、式の作り方の違いについて考えるもので、友達が考えた解き方を、式を通じて話し合うことによって、理解を深めていました。

<意欲・関心をひきだす工夫>

(5年生:音楽)箏(こと)を演奏する活動があります。授業では、音楽つくりの学習として、まず伝えたい会話を作文(前時)。次に、伝えたい会話(情景)をイメージしながら、音楽表現をつくり、そして、聴き合い、伝わったイメージを伝え合っていました。発表では、箏(こと)を演奏する様子(手元)を拡大表示しながら、行っていました。

(4年生:国語)ことわざを学習する活動です。導入では、児童がプレゼンテーションソフトを使い、ことわざクイズをテンポよく行っていました。ゲーム感覚の中から、ことわざの数を増やすことが狙いのようです(ソフトの使い方は、おもしろいと感じた子どもを通じて、自然に広がっていくそうです)。本題では、新聞記事を使い、その要約からことわざを連想。話し合い活動を通じて、連想したイメージとことわざとの対応を関連付けされていました。

○ 全体会
研究主任の平島先生より、研究報告が行われました。研究課題である「人間力」を追求することによって、本校の理念に行き着き、自分たちの取り組みに自信を持つことができたことや、創造性教育に必要なことなどを説明されました。また、そのカリキュラムについて、体系的にまとめられていました。
* 詳細は、研究紀要をお問い合せください。



○ 研究協議会(学年別)
学年別に、6つの会場で協議会が行われました。協議会は、様々な形態で行われ、例えば、コミュニケーションが活性化する授業の体験的なものや、テーマ別(教科やICT関連等)のグループ討議、本時以外の実践事例の紹介などがありました。参加者からは、「ICT活用により、話す時間が増えた/減ったのでしょうか」「ICTの使い方は、どうすれば拡がるのでしょうか」など、実経験(苦労)に基づく質問が多数ありました。

○ 講演会
浅井和行先生(京都教育大学教授)より
この2年間の実践事例を紹介されました。1年生から自立的な活動を行っていることや、メディアを道具として自然な姿で使っていること、思考を可視化することによって、考えのプロセスから考えを深めて合っていることなどを例示されました。

赤堀侃司先生(白鴎大学教授)より
メディアの変遷について説明され、学習の形態や教育に求められていることの移り変わりなどを話されました。また、人間力の考え方のほか、知的学力やコミュニケーション力、自立的な力の指導法について解説されました。最後に、課題としてカリキュラムを挙げ、基礎学力とのバランスが難しいと話されました。

○ シンポジウム
浅井先生(京都教育大学教授)をコーディネーターとして、赤堀先生(白鴎大学教授)と研究主任の平島先生と平岡先生(桃山小学校教諭)が登壇されました。教諭から、児童や教員の変容の話がありました。ICT活用を通じて、自信がついた子どもの例や、教員間のコミュニケーションが活性化し、ベテラン(授業力)と若手(機器操作力)が融合したことなどを、体験的に話されました。また、国際的な情勢からも、生涯を通じた人間力の育成が求められることを掲げ、「どんなときでも逃げてはいけない、それは子どもにも伝わる」といった話がありました。会場からは、ICTのトラブル対応やICTの教師間格差の問題などの質問がありましたが、「ICT活用以上に授業の中身が第一」などの説明がありました。最後に、研究の課題を挙げ、この8月に開催予定(財団主催)の成果報告会に期待すると締め括られました。

子どもたちに深い理解を促す‘学習集団’を感じました。本研究発表会に向けて、様々な困難に立ち向かって下さいました。2年間、ありがとうございました。


京都教育大学附属桃山小学校の今までの活動報告

京都教育大学附属桃山小学校の基本情報
平成23年4月〜7月の活動報告

財団職員によるレポート

小集団活動で、自立と共生!(平成23年11月10日)
アナログの良さを引き出す、ICT活用(平成23年7月19日)
伝え合う、学び合うためのICT活用(平成23年3月14日)
「子どもの側から発想した教育」を参観(平成23年2月8日)
京都教育大学附属桃山小学校の授業研究会へ行ってきました(平成22年11月9日)
京都教育大学附属桃山小学校に行ってきました(平成22年6月28日)


2012年2月22日(水)UP (田上)

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