財団活動日記&ニュース
2012年7月19日
 研究スタート、数学科から全教科へ
 

大阪府高槻市立芝谷(しばたに)中学校に、第1回目の訪問指導日として、参加させて頂きました。当日は、公開授業でもあり、他市からの参加者の他、高槻市教育委員会からの参加もありました。また、指導助言者として、黒上晴夫先生(関西大学教授)と、当財団のアドバイザーである寺嶋浩介先生(長崎大学准教授)らが参加されました。なお、研究授業となるクラス以外の生徒は、原則下校し、全ての教員が参加できるようにされていました。

○ 研究授業(2年数学科:習熟度別)

単元名「連立方程式」、単元計画(全14時間)の9回目の授業です。基礎コースでは、文章題を解く手順の理解、標準・応用コースでは、その手順を理解した上で文章題を作ることを学習目標とされ、いずれも、生徒同士が学び合う場面をつくる活動(ペア,グループ活動)に取り組まれていました。2つの授業の様子を記載します。


<基礎コース>

@ プロジェクターを使い、前時の復習を行う
A 続いて、本時の目標と共に、問題を掲示する
B 配布プリントを使い、生徒に問題を解かせる
C 板書時間を短縮することによって、机間指導の時間を増やし、生徒ひとりひとりに合わせた言葉掛けを行う
D 問題を繰り返す(言葉掛けを行う)うちに、理解を深める生徒が現れ、隣同士で、教え合いが始まる。
E 他方、わからない生徒も出てくるため、近くの者同士で、教え合うよう指導する
F 最後に、今日の授業でわかったこと・気付いたことをノートにまとめ、終了しました。気付きの中では、「xとyにするものを最初に決める、式を2つ見つける、世の中で活用できる」などがありました。

<標準・応用コース>
※ほとんどの生徒が文章題を解く手順を理解しているクラスです

@ プロジェクターを使い、文章題を解く手順を確認する
A 黒板にポイントを書き、徹底を図る
B 本時の目標「連立方程式の文章題を作ろう」を掲示する
C 自作ビデオを使い、実生活の中から連立方程式の文章題を考えられるように促す
D 個人で文章題を考えたあと、班で考える
E 書画カメラを使い、考えた文章題を発表する
(ほとんどの班ができていました)
F さらに、オリジナルなものを作るように促し、各班で異なるカードを選ばせる
G カードに書かれたキーワードを使い、班ごとで独自の文章題を考える
H 書画カメラを使い、代表の班が発表する。発表を聞く側の生徒は、その問題の解答を考える
最後に、答え合わせをして、終了しました。

○ 研究協議議会

研究授業を振り返り、30名ほどの教員が集まり、意見交換が行われました。今回は、初めての試みとして、パネルディスカッション形式で行われました。研究主任がコーディネーターとなり、指導助言者の黒上先生(関西大学)と寺嶋先生(長崎大学)、授業者2名が登壇し、「授業設計とICT活用」をテーマに討論が行われました。意見のいくつかを掲載します。

  • 目標の掲示までが早く、本時の学習目標に入るまでがスムーズだった
  • ICT活用の枠組みとして、わかりやすく「教える」から、理解を「深めさせる」などがある
  • 今日の研究授業を、第一フェーズとして捉え、それを、集中を育む(よそ見、手遊び等をなくす)こととすれば、目標を達成していたといえる
  • シンプルな観点でみれば、他の教科でも活用できる。これは、ICT活用というより、授業研究に必要なことといえる
  • 研究授業に向けての事前検討では、ついついICTの使い方に意識が向き、生徒の話が抜けがちだった
  • 同じ教材を使い、別のクラスや他の先生で行うとどうなるか。例えば、若手が作った教材をベテランが再設計したり、また、その逆もあったりする(ベテランのノウハウを共有できる)
  • ICTの活用もあるが、授業そのものの技術がポイント。本時なら、発問・指示の明確化が評価できる
  • 教員の言語活動には、教科としての視点と、コミュニケーションとしての視点がある。後者は、教科や学年に関係ない
  • …etc.

また、次の研究授業を予定する英語科からは、「視覚に加え、聴覚(音量)の問題が大事である。つまずきやすいところの反復学習にICTを活用してみたい。また、50分間集中し、意欲をもたせていたことが参考になった」など、次回に向けて、意識を高めておられました。

最後に、学校長から、「授業の基本は変わらないことがよくわかった。授業ノウハウが大事である。ベテラン教師のノウハウを若手に引き継ぎ、全ての子どもたちがわかる授業を目指すことが大事だ」として、締め括られました。

引き続き、実践活動を追っていきたいと思います。


2012年7月19日(木)UP (田上)

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