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2014年02月25日

◆  大雪の中、中間報告発表会を盛況に開催!

 

奈良県立奈良養護学校の公開研究発表会(2月14日)に参加しました。当日は大雪警報が発令され、公開授業は中止となりましたが、特別研究指定校の中間報告会として開催して頂き、他府県からの参加者が集まる中、盛況に行われました。

奈良養護学校の中間報告会イメージ1

奈良養護学校の中間報告会イメージ2

奈良養護学校の中間報告会イメージ3

 

奈良養護学校の中間報告会イメージ4

発表会では、公開授業の代わりに、授業検討会用に撮影していたビデオを使い、授業者が授業の概要を説明し、研究協議、質疑を行いました。

授業は、中学部の生徒3名を対象にした、自立活動を指導するものです。単純な動きと展開を取り入れ、因果関係がそれぞれの発達レベルと実態に応じて理解できるように配慮しながら、授業を進めます。

この授業では、提示されたものに注目する力、操作をするときは手元を見て、触ることができる力、教材の変化を期待をもって見る力、教材に触りたいという気持ちを表現する力、自分の触りたい、行いたい教材を選ぶことができる力を育みます。

教材としては、パペットを導入で使いましたが、主には、授業者が自作したFlash教材を使いました。

奈良養護学校の中間報告会イメージ5

奈良養護学校の中間報告会イメージ6

ICT機器として用意したのは、タブレットPCと大型モニターです。当初は、手元のタブレットPCを操作用として、大型モニターをグループ学習用として想定されていたものの、実際の生徒は、大型モニターを見ながら、(手元を見ずに)タブレットを操作していました。
ビデオでは授業が淡々と進んでいるように見えましたが、友達の操作が思うように進んでいないと、普段と違う反応があり、生徒同士は意識し合っていることがよくわかるそうです。また、対象者は、音に敏感で声に反応し、驚いたり、特定の場面で顔を背けたりすることがあります。生徒が視覚的に注目しにくいときには、授業者は変化と同時に音声誘導も加えますが、音量や音質には配慮が必要とのことです。しかし、今回、音量を小さくする試みにより、敏感だった音に対し、期待をもって聞く姿勢があることを見つけたそうです。普段の様子と(ほんの小さな)違いを見つけ、その場で工夫しながら取り組まれていることがよくわかります。

 

研究推進に向けての校内体制

続いて、研究発表会を行い、各担当者から4つの研究活動に関する報告がありました。奈良養護学校の研究課題は、「個々の発達課題に対応する教材データベースの構築とネットワーク化」です。教材開発の他、教材データベースの充実に取り組まれています。特徴的なことは、デジタル教材開発のため、畿央大学との連携体制を築き、また他方で、卒業後の進路先や地域の施設との(リアルな)ネットワークづくりを進め、そして、これらをつなぐ1つの要として、教材共有ネットワークシステム(東大阪大学との共同研究)を開発されていることです。
担当者によると「教材は、すでに250個以上を開発したが、これまでは一方的に発信する一方通行であった。今回のシステムでは、利用者も発信・参加できる双方向型のネットワークを目指したい」そうです。

奈良養護学校の中間報告会イメージ8

奈良養護学校の中間報告会イメージ9

 

(左図)現在開発中のネットワークシステム、(右図)学校ホームページ上で公開している自作教材の検索ページ

また、デジタル教材を開発する上で注意されていることとして、「よくきかないと正解しないようにする」「間違えたときに×といった表示をしない」こと等を挙げ、デジタル教材の効用として、「基本操作を覚えると、内容を複雑にしていける。そのことが児童生徒の可能性を広げることにつながる」とのお話をいただきました。

大阪府奈良養護学校の研究授業イメージ5

大阪府奈良養護学校の研究授業イメージ6

 

*デジタル教材の効用:(左図から右図へ)基本操作に慣れていくと、教師が前にいなくてもできるようになる。

参加者からは、教材・教具の開発時のポイントや技術的な質問、グループ学習の様子、ネットワークシステムの運用、今後の方向性など、多数の質問がありました。

来年(2015年2月)には、200名規模の公開研究発表会を計画されています。その他、特別支援学級向けの研修会や学会発表なども検討されています。来年度も積極的に発信し、交流の機会を設けられていくようです。また、レポートします!

参考:中間報告書「個々の発達課題に対応する教材データベースの構築とネットワーク化~インクルーシブ教育システムと学校のセンター的機能を踏まえて~奈良県立奈良養護学校, 2014年2月

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2014年02月25日(火)UP (田上)

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