実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)
第35回特別研究指定校成果報告(シンポジウム)

岐阜県 岐阜市立本荘小学校  加藤峰子先生

テーマT「確かな学力の育成に向けたICTの活用」
「心機融合と学びの連続で、児童の確かな学力の育成」


ICT機器を活用した改革

ICT機器を活用した改革 本荘小学校は、助成を受けて1年目は
『学校が変われば、授業が変わる。授業が変われば、子どもが変わる』を合い言葉に、「学校の組織を企画部と運営部に分け」、「ICT機器の活用によりムリやムダをなくし」、「教科書を充分に活用する」改革を行ってきました。

さらに、2年目には、学習計画表と教科書を活用して、ICT機器と板書を融合させた授業を進めてきました。児童は学習計画表を使い、家庭でも自分の計画に沿った学習を行うことで、学びの連続性が実現できました。また、ICT機器と板書を組み合わせた授業は60%以上の児童が「わかりやすい」と答えています。

加藤先生は「子どもたちは教科書を連続した思考に使い、授業がわかると楽しくなり、もっと学びたいという意欲が持てるようになった」と話していました。

教科書の使い方が多様化


教科書の使い方が多様化宮崎大学の新地辰朗先生からは「『学びの地図』である学習計画表を活用して、子どもたちに主体的に学んで欲しいということですね。学習計画表は誰がどのような内容を書いて、どのように授業で使っていますか?」という質問があり、加藤先生からは「学習計画表の時間と内容は教師が記入しますが、家庭や学校で子どもたちが学んだ学習内容やわからないことを子ども自身が書きます。いわば、子どもたち自身が家庭と学校の両方で使う、指導計画表です」という回答がありました。

また、新地先生からは「本荘小の子どもたちが素晴らしいのは、これまで学んできた教科書を非常によく読み返していること。教科書という当たり前のものを活用して、学校と家庭の連続性、授業と授業の学びの連続性が実現できています」とのコメントがありました。

ファシリテーターの稲垣忠東北学院大学准教授からは、「普段の授業での教科書の使い方」についての質問があり、加藤先生は「学習計画表とICT機器を活用しながら、どの授業でも教科書は必ず使います。子どもたちも学習しているので、教科書で自己評価をして、もう理解できたと思えば、それぞれがやりたい学習プリントをやることもあります。教科書の使い方が多様化してきたと実感しています」という回答でした。

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