実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第39回特別研究指定校(活動期間:平成25~26年)

世羅町立世羅西中学校/平成25年度8~12月

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実践経過
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成果と課題
成果と課題

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セールスポイント

 
  • ICT研修による教職員のICTスキルアップと授業での活用頻度の高まり
  • 本校のICTの取り組みの町内への還元
  • 本校独自の「優位感覚チェックシート」の作成

実践経過

 
8月21日 職員研修
  • 成果報告会でのまとめ
    (他校の成果報告から学ぶこと、
           指定校追跡調査から学ぶこと)
  • 優位感覚についての理論的根拠について
    (神経言語プログラミング【NLP】における優位感覚の概念)
9月27日 第1回 優位感覚チェックシートの実施
  • 生徒に過去の思い出を書かせ、その特徴から優位感覚を見取る
10月9日 研究授業(第2学年 数学「一次関数のグラフ」)
  • タブレットPC(グラフ作成ソフト「GRAPES」)でグラフをかく

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11月19日 せらにし教育研究会(せらにし小学校と合同開催)
  • 数学や道徳、自立活動などで、ICT機器を活用した授業展開

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11月22日 第2回 優位感覚チェックシートの実施
  • 生徒にアンケートに答えさせ、その傾向から優位感覚を見取る
11月30日 先進校視察(大阪府高槻市立芝谷中学校:第38回特別研究指定校)
  • すべての普通教室への電子黒板の整備
  • 生徒同士がつながる場面をつくることで,自ら考え表現する授業
12月3日 第2回訪問指導(ICTを活用した3つの授業提案)
  • ICT機器を効果的に活用していた
  • 「優位感覚」を考えるときに、情報収集の仕方を限定する
     視覚  …  図や写真から、情報を取り入れる
     聴覚  …  コトバ(音声)から、情報を取り入れる
     体感覚 … 操作や動作から、情報を取り入れる
  • チェックシートをもとに、抽出児(ターゲットパーソン)を決める
    ⇒その生徒がどのように変容するかを観察していく
  • 検証の視点について
    (1)行動観察 (2)インタビューや振り返り 
    (3)学力テスト など

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12月6日 世羅高校 校内研修会(研究主任が講師)
  • 本校でのICT活用の実践事例を紹介
    (準備片付けの実演、電子黒板とデジタル教科書、
    タブレットPC)

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成果と課題

 

<成果>

授業中にICTを活用して指導する能力

ICT機器を使って授業をどのくらいしているか

  1. これまでICT校内研修を12回実施し、教職員のICTスキルが向上してきている。それに伴って、ICT機器を使って授業する割合が1学期に比べ増えてきている。
  2. ICT研修を本校だけにとどまらず、町内の他校の教職員にも参加していただくなど、研修の場を提供している。また、町内の高等学校のICT研修会に、研修主任が講師として招かれ、本校の実践事例を紹介したり、機器の操作の仕方を研修したりするなど、本校の取り組みを町内へ還元している。
  3. 本校独自の「優位感覚チェックシート」を2種類作成し、実施し集計した。教師の見取りと一致する結果も出ており、今後の研究への方向が見えてきた。
  4. 本校の実践事例集の形式が決まり、様式にしたがって実践事例の蓄積が進んでいる。

<課題>

  1. 「優位感覚チェックシート」の分析をもとに、支援の在り方を研究し実践していく。
  2. その支援が、どれほど効果があったのか、どのように子どもが変容したのかを見取る検証の方法を考案していく。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 
  • 「優位感覚チェックシート」の質問項目を作成するにあたって、視覚優位・聴覚優位・体感覚優位の生徒だったらどんな認知傾向があるかを、授業場面や生活場面を想定しながら考案した。決して多くない質問項目だが、全校生徒のデータから特徴的な傾向を見出すことができ、今後、授業での具体的な支援に活用していけそうである。

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アドバイザーコメント

日本女子大学 教授 吉崎 静夫 先生

 

■本期間(8~12月)のセールスポイントについて

 本期間のセールスポイントに記載されている3点は、大いに評価できる。
まず、ICT研修によって教職員のICTスキルがアップしたことと、授業でのICT活用頻度が格段に高まったことがデータで確認できる。教頭と研修主任の働きが大きい。
次に、本校のICTの取り組みが、町内の小学校や高校でのICT活用によい影響をあたえていることは特筆される。このような普及効果は、当財団がめざしていることに合致する。
さらに、本校独自の「優位感覚チェックシート」を作成して、ターゲットパーソン(研究対象とする生徒)を特定する試みに取り掛かったことは評価できる。しかし、さらにチェックシートを改良することが求められる。

■今後の課題について

 12月の学校訪問の際に助言したように、
(1)「優位感覚チェックシート」のバージョンアップが必要である。その際、「優位感覚」を考える視点を「情報収集の特徴」に絞って、「生徒を対象とする質問紙調査」で得たデータにもとづいて作成する、(2)「優位感覚チェックシート」と「日常での教師による生徒観察」で得られたデータにもとづいて、ターゲットパーソン(研究対象とする生徒)を感覚特性ごとに数名選ぶ、(3)これらのターゲットパーソンの学習の様子が「授業でのICT活用」によって変容したこと(または変容しなかったこと)をデータで確認する。
その際、確認のための方法の一つとして、私たちが開発したビデオを活用した「再生刺激法」を参考にしてほしい。その方法については、検索エンジン(グーグルなど)で「吉崎静夫 再生刺激法」で調べることができる。

 

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