○タイピングスキルUP
4月、4年生以上の学級で端末の利用が始まった。端末活用の基本は、タイピング力をつけることである。キーボード入力のスキルの有無が、学習の質にも影響してしまう。「タイピングは運動能力」という信州大学佐藤先生の言葉を受け、一斉にタイピング練習に取り組むことにした。
子供たちが楽しく興味をもってタイピング練習ができるよう、鈴木教育ソフトの「キーボー島アドベンチャー」を利用した。ゲーム感覚で、入力が上達するごとに級が上がっていくので子供たちが意欲的に取り組むことができた。
次に、一日の出来事を振り返りながら、タイピングの力と書く力をつける練習も行った。5分間でどのくらいのタイピングができるか、毎日記録をつけて、自分の上達の様子を可視化した。毎日5分を続けることでタイピング力は下のグラフのように飛躍的に向上した。
○保護者への説明
端末を使うことが、単にワープロの練習をしたり表計算ソフトの使い方を覚えたりするのではないかといった既成概念でとらえている保護者もいる。GIGAスクール構想とは何か、これまでの授業とどう違うのか、端末を導入することでどんな利点があるのかなど、保護者会で説明を行った。
さらに、保護者の「情報モラル意識」を高めていくことが必要と考え、保護者会でも注意喚起を行うとともに、折に触れて、写真や動画の取り扱いについての注意喚起を行っていくことにした。
GIGAスクール構想についての情報提供については、全校の保護者への周知を図るために、学校独自の「Yokouchi GIGA News」を発行し、GIGAスクールの基本的な考え方や静岡市の取組、学校の取組をわかりやすく伝えるようにした。さらに、学校ホームページでも、端末を使った授業の様子を、「Yokouchi GIGA News Online」として情報提供している。授業にどのように使われているのか、端末を使うことにどのような効果や良さがあるのかを引き続き伝えていきたい。
○モバイルルーターについて
各家庭のWi-Fi環境の調査を行った。5年生も6年生もWi-Fi環境の無い家庭は4~5家庭程度だった。モバイルルーターは、NTTMEDIASの「DoRACOON」を利用する方向で検討している。試用したところ、問題なく接続することができた。スマートフォン程度の大きさで、携帯にも便利である。体育館にWi-Fi設備が無いので、このモバイルルーターを体育館で使用し接続すれば(10台程度の接続が可能)、体育の授業でも活用できるのではないかと考える。
○端末の持ち帰りについて
夏休み前に、5年生の1クラスで試験的に端末の持ち帰りを行った。持ち帰りを行う前に、持ち帰る目的、期間、持ち帰った際にどのようなことを子供たちが取り組んでいくのか等を記載した通知文を保護者に通知した。子供たちには、端末を使うときの注意事項や家庭での使用方法や使用時間など説明を行った。
端末持ち帰り後、子供たちと保護者に向けてアンケート(フォーム)を行った。持ち帰りに関する「課題」についての結果は以下の通りである。
結果から、子供たちよりも保護者の方が課題を感じていることがわかった。持ち帰り成功のためには、保護者の協力が欠かせない。保護者の理解と協力を得るためにも改善できる部分については早急に対応していくこととした。
これらの改善案をもとにして、夏休み明けから5・6年生の持ち帰りを始めようと考えている。
○不登校の児童とオンラインでつなぐ取組
担任とのやりとりが始まり、該当児童と担任とのコミュニケーションが定期的に取れるようになってきた。現在は1か月に3回程度Meetでの連絡を行いながら、学校の様子や家庭での様子について双方向でのやり取りを行っている。限定コメントを利用しながらの連絡も始めている。ただし、焦ると失敗するので、保護者の反応も見ながら、地道に進めていきたいと考えている。さらに、他の学級の登校できない児童とのやりとりも予定があり、今後どのように活用できるかを探っていきたい。