成果報告会
パナソニック教育財団
平成28年度
成果報告会
子どもが学びの主体となるICT活用の工夫を13団体が発表
当日の様子を、映像と共にお伝えします。
ご挨拶
子どもたちの人生を充実させる、ICTの重大な役割
小野 元之 パナソニック教育財団理事長
来賓ご挨拶
各所で進む、教育の情報化推進に向けた取り組み
磯 寿生氏 文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課長
表彰式
第41回 実践研究助成
一般助成 研究成果報告書 優秀団体表彰式
表彰後、専門委員のメンバーである木原俊行 氏(大阪教育大学 教授)は全体講評として、「研究内容・活動の創意工夫、研究データの説得性、研究内容の適用可能性、実践の批判的検討、表現の工夫」という5つの観点から評価したことを明らかにしました。
支援アプリの開発で、コミュニケーション力を育む
最優秀校 岐阜県立郡上特別支援学校
平成27年度 共同研究 成果報告
埼玉県立総合教育センター 墨田区教育委員会
「反転学習モデル」による学びの効果を検証
埼玉県立総合教育センター 大沼潤一 氏
3者協定を結び、ICTの日常的な活用を推進
墨田区教育委員会 渡部昭 氏
第41回 特別研究指定校 中間報告
札幌市立厚別東小学校 / 板橋区立中台中学校
文京区立第六中学校 / 大阪市立堀江小学校
大阪府立東百舌高等学校 / 芦屋市立精道小学校
ICTを活用した協働学習で主体性・プレゼン力が向上
札幌市立厚別東小学校
- 中川一史 放送大学 教授
21世紀型スキル、協働学習、学習科学のエキスを共有化
本校は21世紀型スキル、協働学習、学習科学を視野に入れて、それを支えるツールとしてICTを授業にからめる取り組みを行ってきています。もちろん、3つのキーワードはそれぞれがとても大きなものであるため、すべてを授業で具現化できるわけではありませんが、その共通するエキスを日常の授業で意識化し、校内の職員が一丸となって共有化を図ってきました。これらの考え方をつなぐ一助として、ICTがうまく位置づいています。
時間軸、学習形態ごとにICT活用法を整理
板橋区立中台中学校
- 吉崎静夫 日本女子大学 教授
「教科センター方式」を活かした授業づくりが課題
ICT活用には「とにかくICTを授業に使う」「どういう場面で効果的に使うか」「どういう子どもに、どう使うか」という3段階があります。本校は昨年8月から第2段階に入り、「導入、展開、まとめ」「教師がICTを活用する一斉学習、生徒がICTを活用する一斉学習、生徒がICTを活用するグループ学習・個別学習」という枠組みに、ICT活用法を整理しました。今後は「教科センター方式」の中で、教科別と教科横断型それぞれのICT活用法を考えていくことが求められます。
言語活動に注目した研究を外部にも発信
文京区立第六中学校
- 村松浩幸 信州大学 教授
ワークシートとの連動で教科の本質に迫る
本校は言語活動にICTを組み合わせ、汎用的なスキル、教科等の本質、教科等の固有の知識や個別スキルに関わる資質・能力の向上を目標としています。ワークシートとICT機器を連動して活用しているのが特徴で、CMづくりの授業では既存のCMの設計法をワークシートで分析するなど、各教科の本質に関わるような思考法を研究しています。こうしたワークシートの作成自体が、先生自身にとっても言語活動になっていくのではないでしょうか。
児童主体の協働学習による能力・意識の変化に注目
大阪市立堀江小学校
- 永田智子 兵庫教育大学 教授
次期学習指導要領にも通じるICT活用モデル
本校は平成25、6年度に大阪市のモデル校となり、ICT活用モデルをつくり上げました。全教員で取り組む土台があったからこそ、実践研究でも成果をあげることができたのです。学習指導要領改訂の議論が進む中で、問題解決型学習やアクティブラーニングが注目されていますが、これらは本校の取り組みとも共通する点があります。また、新任の先生も早々に公開授業ができるくらい校内研修が充実している点も、他校は学んでほしいと思います。
e-Portfolioの活用で学習成果を可視化
大阪府立東百舌高等学校
- 影戸誠 日本福祉大学 教授
アクティブラーニングにより“縦の線”を意識
本校はICT、アクティブラーニング、e-Portfolioという3つのキーワードで実践を展開しました。1人で試行錯誤し、仲間と考え、グループで検証し、自分で定着するという縦の線を意識できるのがアクティブラーニングの特徴です。今後は主体的な学びができるように、イエスかノー、あるいは答えを選択できる問いかけをして最後に意見を述べる展開にすることで、どの生徒も協働学習に加われるような工夫をしていってほしいと思います。
主体性高め、思考深めるアクティブラーニングを開発
芦屋市立精道小学校
- 堀田博史 園田学園女子大学 教授
積み重ねた実践のモデル化が進行中
本校は言語活動の充実を目指した研究をしていたため、児童は学び合いや協働学習に慣れていて、ICT環境の整備も進んでいたため、研究に取り組みやすい環境がありました。1年目は深い学び、対話的な学び、主体的な学びをできるような実践を重ね、モデルを探す状態が続きました。2年目の今は校内研究を市内の学校に公開し、さまざまな意見を得ています。これをモデル化する作業が、授業研究発表会のある12月下旬までには完成する予定です。
第40回 特別研究指定校 成果報告
米沢市立東部小学校 / つくば市立春日学園義務教育学校 (旧 春日学園つくば市立春日小学校・春日中学校)
多摩市立愛和小学校 / 揖斐川町立揖斐小学校
校内OJTモデルの確立で学校全体の教師力が向上
米沢市立東部小学校
- 堀田龍也 東北大学 教授
教員の急速な若返りの時代に必要なモデル
本校の研究の特徴は2つ。1つは、多層的な教育研修により全教員が同じ指導をできるようになったことで、学習活動に落ち着いて取り組む雰囲気ができ、学校としての安定感が生まれた点。2つめは、これらの取り組みが教員にどんな影響を与えたか内部評価を行い、若手とベテランに分けて分析した点です。成果は分厚い研究概要にまとめられています。教員の急速な若返りの時代を迎えた今こそ、多くの学校の参考にしていただきたいと思います。
協働学習により、発表が苦手な子の意見も抽出
つくば市立春日学園義務教育学校 (旧 春日学園つくば市立春日小学校・春日中学校)
- 木原俊行 大阪教育大学 教授
アイデアやエネルギー取り込み、新しい学校像を体現
本校の実践には、従来の授業が効率的・効果的に営まれている側面と、イノベーティブな側面の両方がありました。先ほども出ました3年生の社会科では、学びのパートナーが空間をも超えてしまっています。外のアイデアやエネルギーを学内に持ち込むことでイノベーションを活性化し、開かれた新しい学校像をマネジメントづくりでも体現しています。その根本に、授業づくりに対する先生の変わらない熱意がある点にも注目したいところです。
タブレットの日常化で新しい教育スタイルを追究
多摩市立愛和小学校
- 寺嶋浩介 大阪教育大学 准教授
学び続けようとする若い先生たちの姿が印象的
この取り組みは若い先生が1人1台という環境の中で、いかに学校を変えることができるかというチャレンジでもあり、先生方は授業研究会を頻繁に行うなど、数をこなすことでタブレットを日常化しました。プログラミングや音楽の作曲などの新しい学習場面のほうが児童が生き生きとしていて、1人1台に合うこともわかってきました。ほかの地域の先生に研修を行うことで教員自身が学び続け、授業に還元していこうとする姿も印象的でした。
情報モラル教育と道徳の関連づけにICTを活用
揖斐川町立揖斐小学校
- 野中陽一 横浜国立大学 教授
情報モラル教育のカリキュラムマネジメントに功績
本校の最大の成果は、情報モラル教育をうまくカリキュラムマネジメントした点にあります。タブレットを持ち帰る家庭学習や児童会の取り組みも、上手にカリキュラムに溶け込ませました。ただ普通の学校では、ベースとなる情報モラル教育のカリキュラムを確立していない可能性が高いので、他校が取り組む際はどこに位置づけるか工夫する必要があります。今後は情報モラルだけでなく、情報活用力の育成にも取り組んでいただきたいと思います。
テーマ:「ICTを活用したアクティブラーニング」
[コーディネーター]
- 新地辰朗 宮崎大学 教授
[パネリスト]
- 影戸誠 日本福祉大学 教授
- 木原俊行 大阪教育大学 教授
- 寺嶋浩介 大阪教育大学 准教授
- 野中陽一 横浜国立大学 教授
蓄積を活かし、学校文化を拓く実践に成果を実感
新地辰朗 宮崎大学 教授
生徒をよく見て、生徒が発話する場面を増やす
影戸誠 日本福祉大学 教授
アクティブラーニングを能動的にする3つの要素
木原俊行 大阪教育大学 教授
実践の「共通化」を経て「個性化」を図る
寺嶋浩介 大阪教育大学 准教授
プアなICT環境でも情報活用能力を育む工夫を
野中陽一 横浜国立大学 教授
総評
ICTを見事に調理した実践成果は財団の財産
赤堀 侃司 パナソニック教育財団 常務理事/東京工業大学 名誉教授
グループディスカッション・交流会
各所で進む、教育の情報化推進に向けた取り組み
会場では、この日の学びをもとにした活発な議論や情報交換が行われました。
参加者の声
- 内容が豊富であっという間に時間が経っていました。アドバイザー先生方のコメントが特に良かったです。自校の研究で不足している点にも気づくことができました。
- 学校の研究活動の様子を聞くだけではわからない意味づけがアドバイザーの先生方の手によって行われて、更に各実践の価値や手法などを咀嚼できたように感じました。
- 成果報告会での熱意あふれる発表はとても印象に残りました。また、情報交流会でのざっくばらんな意見の交流で、迷いながら取り組んでいる我々にエールを送っていただきありがたかったです。
- 大変、充実した研修となりました。表彰式だけではなくこうした研修を通して、井の中の蛙にならないよう今後も精進していこうという気構えを持たせていただけました。
- これからの実践に大いに役立てていきたいと思うヒントとなる発表をたくさん聞かせていただきました。
成果報告会 開催レポート
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1.挨拶
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主催者挨拶小野 元之
パナソニック教育財団
理事長来賓ご挨拶磯 寿生氏
文部科学省 生涯学習政策局
情報教育課長
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2.第41回一般助成研究成果報告書 優秀校表彰式
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第41回実践研究助成
一般助成 研究成果報告書
優秀団体 表彰
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3.平成27年度 共同研究成果報告
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埼玉県立総合教育センター
墨田区教育委員会
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4.第41回 特別研究指定校 中間報告
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札幌市立厚別東小学校
板橋区立中台中学校
文京区立第六中学校
大阪市立堀江小学校
大阪府立東百舌高等学校
芦屋市立精道小学校
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5.第40回 特別研究指定校 成果報告
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米沢市立東部小学校
つくば市立春日学園義務教育学校
(旧 春日学園つくば市立春日小学校・春日中学校)
多摩市立愛和小学校
揖斐川町立揖斐小学校
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6.パネルディスカッション
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テーマ「ICTを活用したアクティブラーニング」コーディネーター新地辰朗 宮崎大学 教授パネリスト影戸誠 日本福祉大学 教授
木原俊行 大阪教育大学 教授
寺嶋浩介 大阪教育大学 准教授
野中陽一 横浜国立大学 教授
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7.総評
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赤堀侃司
パナソニック教育財団 常務理事/
東京工業大学 名誉教授グループディスカッション・交流会
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