実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)
基調講演

「21世紀型学力につなげる実践研究」
(赤堀侃司白鴎大学教授・パナソニック教育財団常務理事)

メディアの変遷をたどる

基調講演今日はここで、学校教育におけるメディアの変遷を簡単にたどってみたいと思います。まず、1950年代に学校で教育映画が上映されるようになり、1960年代には、OHPが誕生しました。そのころから、教師が自分で工夫して教材を作るという土壌が生まれたのです。

1980年代に、学校にコンピューター室が設置されるようになり、「個別学習」という考え方が取り入れられました。教室で皆一斉に同じことをするのではなく、個々に考え、自分のペースで学習するということが可能になったのです。そして1990年に、インターネットが利用できるようになりました。複数の国で同時に月の観測を行ったり、小学生が外国人とメールで意見を交わすといったことが、現実に行われるようになりました。これは、「協働」の時代の始まりだと言えます。

2000年に入り、さまざまなメディアを利用したデジタルコンテンツの活用が盛んになりました。書き込みのできる電子黒板など、一方的に見せるだけではない、「対話できるメディア」が生まれたのです。そして、2010年以降、タブレットPCを用いたデジタル教科書が導入されつつあります。今後は、クラウド技術、モバイル機器などが取り入れられることが予想されます。

学力測定のキー・コンテンピシー


OECD(経済協力開発機構)は、世界的なレベルで学力を定義・測定するために、キー・コンテンピシー(主要能力)を次のように特定しています。

1. 道具を用いる力(言葉、情報、技術)
2. 自律的に活動する力(計画、実行、評価)
3. 異質な集団で交流する力(協力、ソーシャル、異文化理解)

メディアの発達は、子どもたちが自ら考え、表現し、自己評価することができる環境を可能にします。その実現に向けて、ぜひ皆さんの力を生かしてください。

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基調講演(前編)



基調講演(後編)

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