実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

活動情報/第34回特別研究指定校活動情報/第34回特別研究指定校

上越市立城北小学校の活動報告/平成21年度4〜7月
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セールスポイント

視覚的カリキュラムの作成

各学年の視覚的カリキュラムの作成に着手。
まずは各教科ごとに年間の題材配列を入力。
そして、各学年の「道徳」「特活」「総合」の統合カリキュラムの流れを時系列で題材名を枠で囲む形で表示した。右表は1年生の視覚的カリキュラム。
統合カリキュラム「模擬店舗経営活動『チャレンジショップRikka』」のボタンを押して関連題材を赤枠で表示させたものの一部である。

(下の画像をクリックすると拡大表示されます。)
図
 

実践経過

道徳、特活、総合の統合カリキュラム・・・各学年ともメインとなる活動を実施中

  • 1年生統合カリキュラム「模擬店舗経営活動「チャレンジショップRikka」」
    道 徳:「愛校心」をテーマに授業を公開
    ねらい:自分の言動が相手や他者に及ぼす影響が分かる。
        自他の気持ちを大切にしながら人間関係を築こうとする。


  • 2年生 連続5日間の職場体験「上越ゆめチャレンジ」
    総合的な学習:「昨年の上越ゆめチャレンジに学ぶ会」の授業を公開
    ねらい:先輩の話や事業所の方のインタビューから昨年度の職場体験の様子を知る。
        自ら課題を設定し、明確な目的意識をもって活動に臨めるようにする。
    また、7月中旬の平日連続5日間、50の事業所に分かれて職場体験学習を実施。


  • 3年生 上級学校訪問体験活動「高等学校訪問」
    学 活:進路を考えよう「どっちの進路SHOW AorB?」の授業を公開
    ねらい:葛藤場面を設定し、相反する2つの意見についてディベート形式で討論する。
        自分の価値観や周りからの情報を頼りに自分の考えを深める。

地域交流活動カリキュラム

「花植え」「草取り」「お茶会の体験教室」「読み語りの会」等を実施。いずれも、地域コーディネーターを中心に学校担当と協力しながら活動を計画・周知・開催し、地域全体に広報活動を行った
 

成果と課題

道徳、特活、総合の統合カリキュラム(○成果 ●課題)

  1年生では、ロールプレイを通して、自分も相手も大切に考える表現のよさに気付き、場面に合ったセリフを考えることを通して、店舗経営でいろいろな人との出会いの場面に生かせる活動になった。
  2年生では、先輩の体験談や受入事業所のインタビューを聴く場を設けた。インタビューに出向いた生徒は、仲間と協力しながらビデオ撮影や編集作業を行った。他の生徒はテロップ等の効果も加わって分かりやすく話を受け止めることができ、職場体験に向けて意欲をもって自分の課題を設定することにつなげることができた。(右上写真)
  3年生では、ディベート形式で話し合う場面で、あらかじめ考えておいた主張をパワーポイントを利用してまとめ、発表に活用した。互いの主張が分かりやすく伝わることで議論が白熱し、生徒の考えが思った以上に深まった。(右下写真)
  キャリア教育の4つの能力領域がどの程度はぐくまれてきたか、実践の最終場面で評価する方法を今後検討する。

地域交流活動カリキュラムでは(○成果 ●課題)

  地域のボランティアによる様々な取組を企画・開催したが、昨年度の経験を踏まえて地域コーディネーターが中心となって活躍する機会が更に増えたことがよかった。
 
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 今回も、ICT機器を効果的に活用しようと工夫を凝らす姿が見られた。特に、生徒が中心となりビデオ撮影や編集、プレゼンテーションを作成する姿が多く見られた。教師がICT・メディア機器を使って授業を行うことにとどまらず、指導が大変でも生徒にどんどん機器を使用させることで、互いのコミュニケーション能力を活性化したり情報活用能力を高めたりでき、キャリア教育が一層推進できることが実感できた。
  • 地域コーディネーターが中心となって「浴衣の着付け教室」を企画したが、参加意欲のある生徒はみな部活動の大会等で忙しい時期と重なり、参加申込みがなく企画倒れとなった。「読み語りの会」は、毎週火曜日昼休みに図書室で定期的に行われるようになった。生徒や地域住民が20名以上も集まる日もあればほとんど集まらない日もあった。立ち上がりの時期はチャレンジと失敗の繰り返しである。
 

解説と講評

コメント:白鴎大学 教授 赤堀侃司先生

1. 統合カリキュラムを開発することは、文科省の研究開発学校と同程度の労力のかかる研究であり、その研究を、これまでの実績をふまえて実施してきたことは、高く評価できる。
2. その開発の手順をマニュアル化して、どの学校でも実施できるようにしていただきたい。
3. 地域・家庭との連携が、この研究には不可欠であるが、それは新学習指導要領においても、きわめて重要な課題となっており、地域の教育力を、学校が協同して掘り起こすようなイメージであり、その意味で、この研究が高い意義を持つ。
4. それがうまく実施できるためには、いろいろなノウハウがあると思うので、それを記録として残してほしい。
5. ロールプレイや職場体験の事前指導などの授業参観をしたので、よく理解できるが、その効果は高いと思われる。アンケート調査などの分析をして、効果の検証をしてほしい。
6. ICTの活用においては、課題を与えることで、ICTの操作スキルが自動的に習得されることを実証した意義は大きい。具体的な方法を、生徒にインタビューするなどの方法で、記録してほしい。
7. 教師も生徒も時間と労力をかけて実施しているが、忙しすぎるという印象をもった。適切なバランスで実施してほしい。
 
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