1年間(21年度)の実践を終えての感想 |
平成19年度、文部科学省から3年間の「先導的教育情報化推進プログラム」研究の指定を受けました。この校務の情報化の取り組みで、校内にICT環境等が整備され、教職員にもそれらを活用する技能が高まり、ゆとりが生まれてきました。これを児童の学力の育成にどう生かすのか。言い換えれば、学習の情報化をどのように進めるかは、本荘小学校の大きな課題でした。 そのため、平成20年度からプロジェクターを利用して教科書の画像を映し出す、学習計画表を作成する、45分の学習時間を学び合いの時間と個の学習の時間とに分ける、などの試行に取り組み始めました。けれども、当時の本荘小学校にはプロジェクターはわずかに3台あったのみなど、学習の情報化に取り組む環境はまだまだ整っていませんでした。 そこに、パナソニック教育財団から実践研究助成をいただいたことで、プロジェクターや児童の学習用パソコン、校内LANなどを整備する事ができました。これらを活用することで、教師も児童も教科書を活用した学習活動、自主学習をもとにした家庭と学校との学びの連続に、力を入れて取り組む事ができるようになりました。また、宮崎大学大学院教授の新地辰朗氏に研究の方向付けを、元岐阜聖徳学園大学教授の岩ア潔氏に学習活動の進め方をご指導いただいた事で、着実に研究の歩みを進める事ができました。 そして11月28日(土)、これまでの取り組みを発表する学習活動公開を行う事ができました。当日は全国から多くの方々にご参加いただき、貴重なご意見をいただく事ができました。この日に見ていただいた様子は、この日限りの特別な授業ではなく、この1年間の毎日と同じ日常的な学習活動であり、その様子を見ていただいたことが、自分たちの研究に対する自信につながっています。 本荘小学校は、2年間のこの研究を自分たちなりの自信をもって折り返す事ができます。これまでご支援をいただいたパナソニック教育財団はじめ多くの方々に改めて感謝申し上げます。 |
次年度(22年度)への思い(課題、目標など) |
本荘小学校の大黒柱である井上志朗校長。この研究をはじめ、あらゆる面で私たち本荘小学校の職員を導いていただきました。また、この2年間取り組んでいる学習の情報化、そして3年間取り組んできた校務の情報化でも、本荘小学校のみならず、他の多くの学校に21世紀の教育として先進的な取り組みを広めていただきました。また、困難な事があるといつも、「有り難いこと」が自分を成長させてくれるのだから「ありがとう」と言うのだ、と話していただきました。その井上校長が今年度でご退職されます。 4月からは、新しい体制でのスタートとなります。大黒柱が交替することになりますが、これに私たちは「ありがとう」と言いたいと思います。井上校長のいない本荘小学校で、この研究を進められれば、自分たちのやっている事がどの学校でも可能である、という事を示す事になります。 次年度は、研究の対象を全ての教科に広めます。「偉大なるワンパターン」である学習活動とICT活用を、どの教科でも日常的に行えるように取り組んでいきます。 「手の込んだ豪華な料理ではなく、普段の食事」は、教科の特色によって、どのような味付けが必要なのかを研究していきたいと考えています。 |
解説と講評 |
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コメント:宮崎大学 教授 新地辰朗 先生 |
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本荘小学校の1月〜3月の活動について
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