■公開研究会の開催―成果は?
11月30日に公開研究会が開催された。午前中は,全員による授業の公開。午後からはこれまでの取り組みをふりかえるシンポジウムが開催された。研究主任の声だけではなく,ICTを活用している先生方の生の声を聞いていただこうと,ベテラン,若手の先生からについても日常の取り組みについて報告をしていただいた。取り組み自体に今後の将来を見通すような斬新な取り組みはなかったと思う。しかし,大規模の中学校かつ若手教員がかなり多い都市部の中学校が,みんなで一歩踏み出して,教師間が連携するような形が見えてくるようになった。当日は都合により公開されなかったが,授業に対する生徒からの評価も向上していることがデータとして出てきているとのことであった。
シンポジウムにおいては,数年前の本校の様子をご存知の黒上晴夫・関西大学教授から,短時間でICT活用が定着しているということをいくつもの取り組みから評価していただいた(一方で,「少々使い過ぎかもしれない」というお話もあったが,これを考えるのは今後の課題となろう)。
■今後の課題は
特別研究指定校による2年間の取り組みは,まだ終わっていない。これで終わりとせずに,是非3年目以降につなげてほしい。そのためのポイントを以下にあげたい。
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・授業設計そのものを今後の課題として深める必要がある。これが第1課題になる。ICT活用については,ある程度の定着してきているので,付随的なものとなるだろう。
- ・もう一度「教科指導」を見つめなおす必要がある。そのためには,教科内の議論も深めてほしい。ただ,その活動はそれにかかわらない先生方にも見えるような仕組みを作ってほしい。
- ・研修スタイルがある程度深まってきたので,それをパッケージ化し,他の学校に提供してほしい。
- ・他の中学校(あるいは小学校)と協働的な研究会の開催をしてほしい。
- ・研究の進め方としてもっと若手が中心になって,ベテランは黒子になってほしい。
- ・研究主任や校長がどのように取り組めばうまく進むのか,リーダーシップの「見える化」を行ってほしい。
- ・今後,多くの先生方が芝谷中から他の学校に異動される。この先生方には,各校でリーダー的な立場として貢献してほしい。もちろん,それが実現するような環境整備が市内で広がってほしい。