実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24~25年)

高槻市立芝谷中学校の活動報告/平成23年度1月~3月
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実践経過
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成果と課題
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2年間の成果を発表。そして、3年目につなげる計画検討へ

(1)11月30日に実施した公開授業・研究発表会では保護者・地域参加者以外に市内外から200名を超える多くの参観者があった。

(2)全教員が年間1回以上は研究授業を目標に、全学年全クラス授業公開ができ、日頃の研究の成果が発表できた。

(3)ワークショップを取り入れた分科会と、分科会の報告を取り入れた全体会が定着し、分科会や全体会の報告もiPadで撮影した写真などを映し授業の様子が視覚的にわかりやすくするというスタイルが定着してきた。

(4) 公開授業・研究発表会では校区の3つの小学校の先生方にご協力頂けた。提案授業の分科会に小学校の先生方に参加して頂いたりして校区あげての研究会が開催できた。

(5)PDCAサイクルのCとAを考える機会ができたこと。

 

実践経過

 
8月

i-work

  1. 日時:2013年8月28日 PM3:30~5:00
  2. 場所:高槻市立芝谷中学校 3-2普通教室
  3. 内容:電子黒板機能付プロジェクターの使用説明と基本的操作
9月

第5回パナソニック公開研究授業

  1. 9月4日 国語・社会・音楽研究授業の内容

    3年社会 単元名「私たちが生きる現代社会の特色」【Step2】

    高度経済成長のきっかけと終焉を知り、この成長がもたらした光の部分(良い面)についてKeynoteで作成したスライドショー(画像)で理解を深めた。その後ミニ黒板を使いながら生徒どうしが現代社会の課題について考え、発表することで、自己表現力の育成を目指した。

3年音楽 単元名「旋律をギターで演奏しよう」【Step1】

教師がギター演奏に関するよい例と悪い例のお手本を書画カメラで提示しながら、授業を進めていった。大きく写しだされた映像に生徒たちは見入っていた。お互いの演奏を見合いながらアドバイスをするペアー活動で技能の向上を図った。

1年国語 単元名「CM(コマーシャル)プレゼンテーション」

自分たちで考えたCMづくりを通して作文の構成(起承転結)を学び、班で協力しながら工夫して構成を表現することを目的に授業をした。【Step2】

10月

i-work

  1. 日時:2013年10月29日(火) PM6:00~7:00
  2. 場所:高槻市立芝谷中学校 北館1F 多目的室
  3. 内容:ICTの基本的操作
  4. 書画カメラ、デジタルカメラ、などをプロジェクターに繋いでみよう
11月

i-work(1)

  1. 日時:2013年11月13日(水)PM6:00~7:00
  2. 場所:高槻市立芝谷中学校 北館1F 多目的室
  3. 内容:芝谷中学校におけるICT活用授業の紹介
    (今年度使い始めた先生方を中心に)

i-work(2)

  1. 日時:2013年11月27日(水)PM4:00~5:00
  2. 場所:高槻市立芝谷中学校 北館1F 多目的室
  3. 内容:①デジタルカメラの使い方 (研究会当日の撮影について)
  4.    ②書画カメラを利用した撮影画像の再生方法

公開授業・研究発表会

保護者参観と公開研究会を兼ねて開催しました。学外からも200名を超える参加者がありました。研究会の内容は以下のとおりです。

  1. (1)1限参観授業 全学年全クラス(19クラス)+支援学級で実施。
    参観も兼ねる。
  2. (2)2限提案授業 国語・数学・家庭科で実施

    国語 1年4組

    高槻市立芝谷中学校 活動報告イメージ1

    「流氷とわたしたちの暮らし」を通して文章の内容を理解する力・理解した内容を伝える力をつけることを目指す。コンピューターソフトを使いプレゼンテーションのグループ作成の協同作業をする内容であった。生徒の感想より「パソコンの使用は紙と鉛筆でできないことができて楽しい」

     

    数学 3年7組

    「円」の単元で円周角に関する定理を使った図形の性質の証明を,説明することができる力をつけることを目指す。ペア-で証明内容の交流をした後、代表が前の電子黒板で発表する。

    家庭 3年3組

    高槻市立芝谷中学校 活動報告イメージ2

    「保育」の単元で幼児とよりよくふれあう方法を考える力をつけることを目指す。授業後に実施する保育実習を考えて、自分たちで作った幼児が遊ぶおもちゃを使いロールプレイをする。いろいろなトラブルを想定し、幼児役と先生役をiPadで撮影し、振り返る授業。黒板には、班でまとめた振り返りのまとめを画用紙にかいて掲示するなど、デジタルとアナログの良いところを工夫して授業で使用していた。

     

    なお、国語と数学に関しては、予想どおり多くの参観者があり、iPad AppleTVを使い隣の部屋に中継地をつくり、そこでも参観できるようにした。

  3. (3)分科会

    国語

    授業者を中心に分科会が始められた。

    数学

    司会者から協議の進め方を説明して、グループ毎に進められた。

    高槻市立芝谷中学校 活動報告イメージ3

    家庭

    最初は参加者全員で交流をした。後半はグループ毎に進めていき、それぞれ聞きたいことを中心に話しが盛り上がった。

     
  4. (4)全体会 パネルデスカッション

    パネラー 関西大学 黒上 晴夫氏 高槻市教育センター 中西 浩二氏

    芝谷中学校 吉田 光宏

    コーディネーター 長崎大学 寺島 浩介氏

    前半:芝谷中のこれまでを振り返り,他校へ還元する。

    「ICTが入ってきて,私はどう工夫し授業をしたか。」の報告者3名

    国語科女性の若い先生

    「最初はICT機器を利用することに抵抗があったようですが、授業の中で自然に使用できています。むしろ使いこなしています。」

    高槻市立芝谷中学校 活動報告イメージ4

    社会女性の若い先生

    「地理の授業で写真をダウンロードし、それを見せるという単純な使い方です。素人ですが、写真を拡大することで生徒の視線を集中できるところに魅力を感じています。」

     

    社会男性のベテラン先生

    「6/21第4回パナソニック研究授業以降目覚めたように授業でICTを導入されています。例えば、歴史の家系図を使っての説明など、今までは模造紙に書き込むため1回限りの利用で終わっていたのが、ICT機器の利用により、紙と時間の節約ができて、生徒への説明でも教科書と同じものを拡大して見られるので、説明がしやすいと感じています。」

    後半:芝谷中の取り組みを評価し,今後どのように発展させるかを考える。

高槻市立芝谷中学校 活動報告イメージ5

高槻市立芝谷中学校 活動報告イメージ5

 
12月

i-work

  1. 2013年12月25日 PM3:30~5:00
  2. 場所:高槻市立芝谷中学校 3-2普通教室
  3. 内容:①電子黒板機能付プロジェクターの使用方法(応用編)

    講師:EPSON販売(株) 東嶋 和仁

    ②不具合のあるプロジェクター等の修理・その他

 

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成果と課題

 
  1. (1) 研究授業

    ・生徒同士が自分の考えを表現できるような授業設計案をする先生が少しずつ増えてきた。

    課題:来年度も今年度と同じモチベーションを持ち研究授業ができるよう、年間計画をしっかり立てる必要がある。

  2. (2) 教科会議

    会議の中で授業設計に関する話題が増えた教科があり、以下の成果があった。

    • ・生徒の考えを引出す授業が増加してきた。
    • ・多くの教員がICTを活用する意味を知り、効果的に利用できるようになってきた。
    • ・消えるデジタル、残るアナログの融合性を考えるなど授業設計のさらなる発展がみられた教科がある

    課題:生徒の意見および授業記録をもとに授業を振り返り、次の実践に活かすことがまだ弱い。

  3. (3)i-work

    月1回のペースで順調に実施でき、地域の芝谷校区の小学校の先生方との連携も図れた。

    課題:時間設定が勤務時間外なので教師の負担がないよう勤務時間内の設定を考える。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 
  1. (1)全体会の報告でもあったように今年度から使い始めた先生方でICTの有効性や生徒の反応がよくなったと実感できる先生方が増え出した。
  2. (2)会場の準備には、教科単位で仕事の割り振りをし、それぞれの担当で、よく動けていた。チームでやっているという実感が得られた。
  3. (3)冊子が本当にできるのか心配であったが、完成できてよかった。 当日の写真を掲載するため、授業設計書の写真は後日となる。
  4. (4) 公開授業・研究発表会では多くの参観者が来校されると予想し、iPad AppleTVを使い隣の部屋に中継地をつくり、そこでも参観できるようにした。

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アドバイザーコメント

長崎大学 准教授 寺嶋浩介 先生

 

■公開研究会の開催―成果は?

11月30日に公開研究会が開催された。午前中は,全員による授業の公開。午後からはこれまでの取り組みをふりかえるシンポジウムが開催された。研究主任の声だけではなく,ICTを活用している先生方の生の声を聞いていただこうと,ベテラン,若手の先生からについても日常の取り組みについて報告をしていただいた。取り組み自体に今後の将来を見通すような斬新な取り組みはなかったと思う。しかし,大規模の中学校かつ若手教員がかなり多い都市部の中学校が,みんなで一歩踏み出して,教師間が連携するような形が見えてくるようになった。当日は都合により公開されなかったが,授業に対する生徒からの評価も向上していることがデータとして出てきているとのことであった。

シンポジウムにおいては,数年前の本校の様子をご存知の黒上晴夫・関西大学教授から,短時間でICT活用が定着しているということをいくつもの取り組みから評価していただいた(一方で,「少々使い過ぎかもしれない」というお話もあったが,これを考えるのは今後の課題となろう)。

■今後の課題は

 特別研究指定校による2年間の取り組みは,まだ終わっていない。これで終わりとせずに,是非3年目以降につなげてほしい。そのためのポイントを以下にあげたい。

  1. ・授業設計そのものを今後の課題として深める必要がある。これが第1課題になる。ICT活用については,ある程度の定着してきているので,付随的なものとなるだろう。
  2. ・もう一度「教科指導」を見つめなおす必要がある。そのためには,教科内の議論も深めてほしい。ただ,その活動はそれにかかわらない先生方にも見えるような仕組みを作ってほしい。
  3. ・研修スタイルがある程度深まってきたので,それをパッケージ化し,他の学校に提供してほしい。
  4. ・他の中学校(あるいは小学校)と協働的な研究会の開催をしてほしい。
  5. ・研究の進め方としてもっと若手が中心になって,ベテランは黒子になってほしい。
  6. ・研究主任や校長がどのように取り組めばうまく進むのか,リーダーシップの「見える化」を行ってほしい。
  7. ・今後,多くの先生方が芝谷中から他の学校に異動される。この先生方には,各校でリーダー的な立場として貢献してほしい。もちろん,それが実現するような環境整備が市内で広がってほしい。
 

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