実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第40回特別研究指定校(活動期間:平成26~27年)

山形県米沢市立東部小学校 /平成26年度1-3月期

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研究課題と成果目標
研究課題と成果目標

取組内容
取組内容

裏話
裏話

成果
成果

今後の課題
今後の課題

1年間の取り組みの成果
◆1年間の取り組みの成果

1年間の実践を終えての自己評価・感想
◆1年間の自己評価・感想

アドバイザーコメント
必見! アドバイザーコメント

 

研究課題と成果目標

 

[研究課題]

若手教員とベテラン教員の協働による校内OJTモデルの開発

[成果目標]

A:「学習規律・学習指導の手引」の作成から

  • 学習指導の基礎基本を全教員確認する。
  • 教員の経験年数にかかわらない均質な学習が児童に提供できる。

B:ICT活用を含んだ「授業研究会」「ミニ授業研究会」

  • 「わかる授業」の日常的な実践が,児童の学力向上につながる。
  • 日々の教育活動の中での意図的,計画的,組織的かつ継続可能な研修体系を確立する。

C:「校内OJTモデル」の開発とリーフレット化

  • OJTの日常化が促進し,全ての教員にマネジメント力が育つ。
  • 開発した「学習規律・学習指導の手引」「若手塾」の内容から「校内OJTモデル」にまとめ,リーフレットとして市内小中学校に配布することで,啓蒙普及する。
  • 教務主任会,教頭会,校長会などの研修資料として活用する。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

 

[1月]

○冬休み校内研修会「フラッシュ型教材研修会」

講師:米沢市立第二中学校 金 隆子先生

○校内研修会「示範授業と授業づくり研修会」

講師:岩手県奥州市立常盤小学校 副校長 佐藤 正寿 先生
示範授業:6年社会科「2 わたしたちのくらしと日本国憲法」

東部小学校授業イメージ1

東部小学校授業イメージ2

○第4回校内授業研究会

  • ・公開授業(3~5時限)・・・ミニ授業研
  • ① 1年1組 国語科「たぬきの糸車」
  • ② 6年1組 音楽科「世界の音楽に親しもう」
  • ③ 5,6年たんぽぽ学級(知的学級) 算数科「重さ」
  • ④ 1年2組 算数科「大きなかず」
  • ⑤ 2年3組 国語科「見たこと,感じたこと」
  • ⑥ 4年1組 社会科「私たちの県~土地のようすと使い方」
  • ⑦ 1年つくし学級(病弱学級)
           国語科「おみせやさんごっこをしよう」算数科「大きなかず」
  • ⑧ 2年2組 算数科「1を分けて」
  • ⑨ 6年4組 算数科「いろいろな単位」
  • ⑩ 5年わかば学級(自閉症・情緒学級) 算数科「分数と整数のかけ算,わり算」

東部小学校授業イメージ1

東部小学校授業イメージ2

○事後研究会

堀田先生から、今年度の研究を振り返りながら、成果と課題についてご指導いただいた。

◇本校では日頃の授業をどうやってよくするかを研究しているので、公開する授業も、日頃の授業の延長でなくてはいけない。これが持続可能な研究となる。授業を作り込む必要はない。

◇学習規律に関しては、だいぶそろってきている。あとは、何も言わなくても子ども達ができるように。

○若手塾

  • ・テーマ討論⑩「わたしの学級経営自慢」

○校内地留学

若手の教員が、ベテラン教員1名を選び、その教員に1日張り付いてシャドーイングを行う研修が行われた。今回は、2名の若手教員が行った。

[2月]

○若手塾

  • ・研修評価①「若手塾を振り返って」
  • ・最終回特別講話「教員生活を振り返って」

今年度で定年退職される本校教員を講師に、これまでの教員生活から学んだことや、若手教員へのメッセージをお話いただいた。

○toubookの見直し、加除修正、第2版発行

○東部スタンダード集計

○研究のまとめ

 

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 

「グラウンドでスキー!?」

1月の授業研究会のこと、堀田先生が教室を回られているときに、ふと外を見ると、クロスカントリースキーの授業をしており、子ども達が颯爽と滑っている様子に驚かれました。我々にとっては当たり前の光景だったのですが・・・。これも東部スタンダード?

「実物投影機 買わなきゃ!」

人事異動で、残念ながら本校を去られる先生の一言。研究が1人1人に根付いているからこそ出る言葉ではないでしょうか。

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成果

 
  • 短い3学期ではあったが、外部講師をお招きしての研修会や授業研究会など、充実した研究を行うことができた。
  • 特に今回の授業研究会では、ベテラン教員を中心として公開授業が行われ、多くの学びがあった。
  • 校内地留学を実施し、研究授業では見ることのできない、ベテラン教員のちょっとした指導法を学ぶことができた。

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今後の課題

 
  • ICTを使って無駄のない指示を行うことで、授業の前半をもっとコンパクトにしていかなければならない。その分、後半(まとめや習熟)の時間をきちんと確保し、1時間できちんと力を付ける授業をしていく必要がある。

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1年間の取り組みの成果

 
  • 「東部スタンダード」を作成し、児童に指導すべき内容が明確になることで、全職員が共通理解のもとで児童の指導にあたることができた。
  • 学習活動に落ち着いて取り組む児童の雰囲気が、学校全体として見られるようになってきた。教師の指示が通り、授業がしやすくなったという教師の声も聞かれた。
  • はじめは難しいものだと考えていたICT活用だが、各教室に実物投影機を常設したことで、日々の指導になくてはならないものになった。ICTが授業の一部として馴染んできている。
  • ミニ授業研と研究授業を合わせて、40を越える公開授業を行うことで、多くの授業を見合うことができ、教員の授業技術を高めることができた。
  • 若手塾では、毎回さまざまなテーマで討論をしたり助言を受けたりと、若手教員にとってよき勉強の場となっている。ベテラン教員も自分のノウハウを再確認する機会となっている。
  • 普段の生活の中でも、教え合いや学び合いがしやすい雰囲気ができ、教師同士の同僚性の高まりが見られるようになった。

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1年間の実践を終えての自己評価・感想

 

1年間を通して、若手の教員の学ぶ意欲がすばらしく、どんどん力を付けていくのが目に見えて分かりました。ベテラン教員もうかうかしてられないという気持ちになってきています。

また、学習規律をそろえることで、子ども達の雰囲気が落ち着いてきたと感じています。それが学年や学級ごとに差があるのではなく、学校全体的に言えるというのが本校の研究の成果ではないかと思います。

11月20日(金)は、研究の成果発表会です。ぜひ多くの方にお越しいただき、本校の研究の様子をご覧いただきたいと思います。

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アドバイザーコメント

東北大学大学院 情報科学研究科 教授 堀田 龍也 先生

 
堀田先生イメージ

短い3学期は,積雪の多い米沢市では学校生活がたいへんな時期である。そんな中,同校の先生方は,とても熱心に研修を重ねていた。

外部講師として他校の現場教員を招聘し,模擬授業をしてもらったり,授業研究会を行ったりした。年間指導講師とは別の視点で,実践的なことを学んだことだろう。

年間を通じて行われている授業研究会では,若手優先で授業公開をしてきたこともあり,3学期はベテラン教員の公開授業が多い結果となった。ベテラン教員の小さな授業技術が,若手に伝わる良い機会となった。

OJTの一環として,校外に内地留学に行くのではなく,校内のどこかの教室に1日だけ内地留学するという「校内地留学」という研修方法を実施した。研究授業だけでは見ることのできない,ベテラン教員の指導ノウハウを学んでいた。

1年目の終盤となったこの時期は,「東部スタンダード」によって児童に指導すべき内容が明確になっており,全教職員が同じ指導を行うことができ,その結果,学習活動に落ち着いて取り組む雰囲気がどの教室でも見られ,学校としての安定感が感じられるようになった。全校での指導の場においても,指示が通りやすくしっとりとした集団になってきたように感じられる。

研究授業およびミニ授業研は40回以上行われた。教員同士が多くの授業を見合うことができたことが最大の成果である。その結果,ICT活用も無理と無駄のないものに洗練されてきており,特に実物投影機は毎時間の指導になくてはならないものとなった。

 

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