実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

岐阜県立郡上特別支援学校 研究課題「21世紀型学習スキルの育成と実践 ~社会が求めるICTスキル獲得を目指して~」リンク

岐阜県立郡上特別支援学校の研究課題に関する内容

都道府県 学校

岐阜県 岐阜県立郡上特別支援学校

アドバイザー

金子健 明治学院大学名誉教授

研究テーマ

卒業後の自立まで見据えたキャリア発達を促すICTツール
~作業学習におけるタブレットPCを用いた支援アプリの開発と授業実践による効用の検証~

目的

  • ICTツールにより作業学習を支援することで、生徒が自分の役割に自信を持ち、主体性の連鎖を育むように導く。
  • ICT利活用の有用性を地域に啓発し、卒業後の生徒が自立して生活していける環境の普及を目指す。

現状と課題

  • 本年度、高等部全生徒が喫茶サービスを学習するにあたり、生徒個々の実態に合わせた支援が必要であるが、現状ではその支援内容について、ICTを利用するかどうかを含め、明確にしていない。
  • ICTを活用することによって、具体的にキャリア発達の視点からどのような効果が得られたのか十分に評価できていない。
  • 現状の接客支援アプリは、オーダーを取った後の業務手順について、補えていない。
  • 生徒の卒業後の実態に合わせた指定障害福祉サービス事業所で支援アプリ(接客支援アプリ、レジアプリ)が利用できるような環境ができていない。
  • 本取組で利用中のシステムの一部であるレジアプリは、他の作業班での作業販売でも活用できそうではあるが、現状は、喫茶以外での利用を想定していない。

学校情報化の現状

校務文書に関する業務、教職員間の情報共有、服務管理上の事務、施設管理等を補っている校務支援システムとしてdesknet‘s NEOを活用している。

取り組み内容

  • 調理班、縫製班、木工班では、どんなことができて、喫茶サービスで活躍するにはどのような役割で、どのような支援が有効かを明確にする。
  • ICTを活用した喫茶サービスで学習した卒業生をインタビューし、その経験がどのように卒業後の生活と職場で結びついているのか調査する。
  • すべての生徒に対応するため、記憶・知的認知処理の障がいに対する支援を目的に、オーダーを取った後の業務手順を、同じ接客支援アプリ内で一貫した表示内容にしたり操作性の改良を行う。
  • 指定障害福祉サービス事業所が支援アプリ・システムを導入できるような環境をつくる。また、他校でも応用できるよう本校の実践を紹介していく。
  • レジアプリの機能のみ作業販売でも利用できるように、操作方法の改良や構成情報機器(ノートパソコン、無線ルーター、レシートプリンタ、タブレットPC等)の簡素化など、システムの改善行う。

成果目標

  • ICTの利活用を前提に、すべての生徒が喫茶サービスで活躍できるようにする支援方法を取りまとめ、次年度にも利用できるようにする。
  • ICTを活用した喫茶サービスで学習した生徒や関係者に対し、本取組が生徒一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要となる能力や態度を育てているのかを検証する。
  • 本校喫茶サービスの接客業務が接客支援アプリ、レジアプリを使用することで、すべて補うことができ、コミュニケーションスキルの育成に寄与することが期待される。
  • 地域の指定障害福祉サービス事業所や他校に向けた成果情報の発信を行い、ICT導入の活動が広がることを目指す。
  • すべての作業班でレジアプリを活用する環境を整える。特に、現状android版のレジアプリをiPadでも動作可能にする。

助成金の使途

パソコン、タブレット、プロジェクター、レシートプリンタ

研究代表者

伊藤 史

研究期間

平成28年度~29年度

学校ホームページ

http://school.gifu-net.ed.jp/gujyou-sns/

公開研究会の予定

12月のATACカンファレンスでのポスター発表。