本校の研究は,ICT活用による指導法の改善の研究に位置づく研究である。ICT活用に
よって改善される指導法として,以下の(1)から(4)を研究の射程としている。
- しっかりとした生活習慣の確立のための生活指導
- それを前提とした訓練・習熟による基礎的な学力の徹底
- これらの基礎的な学力の上に立つ教科書レベルの基礎・基本の学力の習得
- さらにその先にある活用型の学習活動および探究型の学力の育成
このうち,第1年次の2008年度は,特に(1)から(3)までを中心として研究範囲を定めていた。第2年次の2009年度は,(1)から(3)までの研究を定式化し,確実な形で広めることと,(4)について研究を着手することとなっている。
以上より,2年次の2009年度当初の本校の研究上の課題は以下の2点となった。
1点目は,上記(1)の組み立て直しである。本校では人事異動もあって6割もの学級担任が変更となった。そうなると担任教師と新しい学級の子どもたちによる学級の組み立て直しが不可欠となる。(1)は生活指導にも拡張されている指導であることから,4月当初はどうしても組み立て直しに時間がかかってしまう。さらに転入者への研修なども行われたため,研究体制が本格的になるまでにタイムラグが生じた。
2点目は,(4)への挑戦である。知識や技能を習得させる授業と,児童が習得した力を活用していく授業は,当然ながら授業設計が異なる。新しい研究内容に対し,そのモデルを求めるためには,しばらくの間,まずは実践を重ねていくしか方法はない。よって,活用型の学習指導における試行錯誤がこの時期の課題であった。
しかしながら,昨年度の蓄積によって,1学期中には1点目はほぼ解決した。2点目については,今後しばらくかかって研究が進められていくことになる。秋に予定されている公開研では,その途上の研究成果が報告されることを期待している。