「素晴らしいはじめの第一歩」
本校は、「昨年末の学校評価において、ICT機器の活用能力に落ちこみがみられた」ということを研究助成申請のきっかけとして挙げられている。一般的には、本財団の申請にはICTの先進的活用方法の提案が多いのであるが、実はこれが全国の多くの学校の実態かもしれないと私は考えた。
そういう意味では、
- 今までは、使用の度ごとにセットする必要があったが、プロジェクタと実物投影機をセットにしてワゴンに載せ必要時に即使えるようにした。さらに、使用マニュアルを情報主任が作成しその機器に備え付けておくようにした。
- 県教育センターから講師を招いて授業におけるICTの活用について研修を行ったり、これまでの活用実践について一人ひとり研修報告や情報交換を行ったりした。
という実践は有効であったと思われる。特に後者の「これまでの活用実践について一人ひとり研修報告や情報交換を行う」というのは、言うのはたやすいが実行は難しいことである。なぜなら、これまであまりICT機器を活用してこなかった教職員が学校には少なからずいるからである。そういう意味では、本校の一人ひとりの研修報告や情報交換を行うという実践は、貴重なはじめの一歩となっていると思う。本校ではICT活用名人を作るのではなく、子どもたちの学習環境整備のために全教職員がICT機器を活用できるようにする取り組みが始まっている。派手さはないかもしれないが、このような実践を積み上げていくことはとても大事なことであると思われる。
また、「今は、教師が授業で何かを提示するためICT機器を活用するのがほとんどである。もっと子どもたちが自分の考えを発表するために使えるようにももっていきたい。」と課題も明確であり、今後の実践研究によって、本校のICT機器活用の取り組みが進んでいくことが予想される。
6月20日に第1回の学校訪問を行い、授業研究会とともに「教育メディアの意義」についてお話をさせていただいた。私たちがなぜ教育にメディアを持ち込み、子どもたちにどのような力をつけたいかについて有意義な議論が行えた。