実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第36回特別研究指定校(活動期間:平成22〜23年)

練馬区立中村西小学校の活動報告/平成22年度1月〜3月
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セールスポイント

今年度のまとめを行う

 各分科会で今年度を振り返り、成果と課題をまとめた。
 それを受けて、全体の成果と課題についてまとめた。
 ICTが導入されたことと、講師の先生方のご指導とにより、教師一人一人の研究意欲が高まったことで、授業改善につながり、大きな成果が得られたことを実感した。

中間報告会の実施

平成23年2月15日(火)
◆授業提案 ◆ICT体験コーナーの設置 ◆報告会 ◆講演
講演:玉川大学教職大学院教授 堀田龍也先生
演題「一人の100歩より 100人の一歩」

来年度の向けての話し合いを行った

 今年度の研究をふまえ、来年度の研究をどうしていくか話し合った。
 研究主題について、一人一人がどうとらえてきたか、どう焦点化していったらよいか分科会を超えて話し合いを行った。

実践経過

1月  中間報告会に向けて!
  各分科会指導案の検討
中間報告会の提案授業は、今年度のまとめの授業となる。
どの分科会も今までの研究の成果を表すべく、念入りに指導案検討を行った。
  各準備班着々と準備
中間報告会に開催に向けて、教員を4つの班に分け、準備を進めてきた。
・授業班 指導案について検討
・冊子班 研究冊子の作成
・発表班 研究発表準備
・情報技術部 お役立ち資料の作成 お役立ちコーナーの準備
  今年度を振り返って 成果と課題をまとめる
  今年度の成果と課題についてまとめた。
2月  中間報告会実施
授業提案
1年 国語 「動物の赤ちゃん」
(実物投影機の日常的な活用例・実物投影機、プロジェクター、マグネットスクリーン)
 


  残しておきたい必要なことは、板書する。
 
 
  情報の共有
教科書に線を引き、発表した内容が分かるようにする。
  2年 国語 「何に見えるかな」
(電子黒板の活用例・コンピューター、実物投影機、電子黒板)
 
  説明の補助
クリアシートの使い方を説明する。
 
  思考の視覚化
自分の考えを絵に書き込んで発表する。
 
  3年 理科 「じしゃくのふしぎを調べよう」
(実物投影機の日常的な活用例・実物投影機、プロジェクター、マグネットスクリーン)
 
  体験は欠かせない。
   
 
  説明の補助
ワークシートを示しながら、結果について発表をした。
  5年 体育 「跳び箱運動」
(電子黒板の活用例・デジタルカメラ、ハイスピードカメラの活用例・
コンピューター、DVD、電子黒板、デジタルカメラ、ハイスピードカメラ)
 
  説明の補助
DVDを使って台上前転のポイントを確認
 
  わかったポイントを掲示物でさらに確認
 
  情報の共有
デジタルカメラの動画機能を使って、自分の跳んでいる様子をチェック
  1年・6年 図工「似顔絵展覧会〜対話型鑑賞会〜」
(電子黒板の活用例・コンピューター、電子黒板)
 
  6年生は、自分がかいた自分自身の似顔絵について1年生に伝わるように話す。
   
 
  1年生は、6年生の似顔絵に込めた思いを話す。
 
  思考の視覚化
自画像のポイントを伝えるために、必要に応じて拡大機能を使う。
 
  思考の視覚化
1年生も似顔絵について、工夫したところが分かるように話す。
ICT体験コーナーの設置
ハイスピードカメラ
 
  参観者にハイスピードカメラの操作をしてもらいながら説明をした。
モデルも参観者 スーツで跳び箱
実物投影機
 

  今までの本校の研究を踏まえ、いろいろな活用例を紹介。
 
  さっそく購入したいと希望の声が上がっていた。
報告会
  今年度の取り組みについてと、当日の授業について報告した。
講演:玉川大学教職大学院教授 堀田龍也先生
演題「一人の100歩より 100人の一歩」
 
3月  今年度のまとめと来年度に向けた話し合い
  来年度の研究テーマについて話し合った。
 
 

成果と課題

 
成果
  • ICTを授業で活用することで
    ① より分かりやすい授業設計
    ② 発表への意欲の高まり
    ③ 学習内容の理解と習熟
  • ICTの効果的な活用を意識した授業
  • 発表内容や方法の工夫
  • 学習の振り返り
課題
  • ICTの効果的な扱い方の追究
  • 教材の活用を工夫
  • 学び合いの場を充実する指導の工夫
  • 授業力の向上
  • ICT環境の充実
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

集会でも活用

 6年生を送る会の中に、全校で楽しむゲームがある。
 今年度のゲームは「ビフォーアフタークイズ」
 6年生に小さな頃の写真を持ってきてもらい、「これはだれでしょう?」と下級生に考えてもらうクイズ。
 ここで使われたのが、実物投影機。
実物投影機でステージ上の大きなスクリーンに次々と映し出される写真を見て、歓声あり、笑いあり。おおいに盛り上がった。

校長先生の授業

6年生の3月 卒業にむけて行事が続く
その一つ校長先生の授業
6年生に向けた校長先生の授業でも実物投影機が活用された。

ゆるキャラ中西よい子

 情報技術部が作った「お役立ち資料」の中に、『中西よい子』が登場する。
中西よい子は45周年のときにできた本校のキャラクター。
ここにきて、大活躍をしている。
いろいろなバージョンが登場している。さらにバージョンが増える予定。
(キャラクターを作った保護者には、使う許可をいただいた。)

話し合いが楽しいと感じる集団へ 教師も児童も…

 研究主題について話し合った。
 研究主題についての話し合いは、実は本年度3回目になる。
 年度当初の話し合いは、低・中・高・専科の分科会ごとで行った。今回は、あえて分科会をバラバラにしてグループ作りをした。
 話し合いは、どのグループも大変盛り上がった。
 話し合うことの大切さ、必要性を感じ、話し合うことで考えがより高まることの面白さに気付いている教師集団だからかもしれない。
 何より先生方の
「子供たちのために・・・」
「子供たちを育てたい・・・」
 という願いがよく伝わってくることにひそかに感動した。
 このなんでも言い合える雰囲気を大切にし、話し合いをしながら研究を進めていけば、きっと来年度も研究が進み、子供たちに成長に大きな力となれることにちがいないと確信している。
 この雰囲気を、この願いを子供たちに伝えながら、研究を進めていきたい。

解説と講評

コメント:玉川大学 教授 堀田龍也先生

 本校の3学期は,緊張感のあるスタートとなった。2月15日(火)中間報告会に向け て,各教室でのICT活用が展開されたが,全教室に簡便なICTを導入したこともあり, どの教員も使いこなしていた。その結果,すべての教員が,ICT活用に関する本校の 研究を自分のこととして捉えており,校内研究に主体的に関わっている姿に変容して いった。すべての教員が参画できる研究の進め方にすることの大切さを再確認すると 同時に,校長・副校長,教務主任や研究主任,そして研究推進委員会のメンバーによ る,明るく楽しい全員参加の校内研究を創る努力に感心した。 平成23年2月15日(火)の中間報告会には,練馬区内外からたくさんの教員が参加し た。どの学級も,実物投影機の活用を中心とした現実的なICT活用による授業を公開 した。一部,電子黒板の活用(国語)や,デジタルカメラの活用(体育)も公開され た。ICT活用による授業は,当地ではまだ十分に浸透していないこともあって,参観 した先生方もずいぶん刺激を受けていた様子だった。特に,公開授業の後に開催され た「ICT体験コーナー」では,本校の授業実践から導かれたいろいろなICT活用の例を 教員自身が紹介しており,ミニワークショップのようで,たいへんな盛り上がりだった。
 6年生を送る会など,普段の教育活動の中でもICTが活用されるようになるなど,本校 でのICT活用はすっかり定着した。2年目に向けて,次はどのような方向に舵を切る か,管理職や研究の中核の先生方と何度か話し合った。その結果,1年目に力を入れ てきた日常的なICT活用はそのまま継続し,これを授業の充実につなげることが確認 された。その上で,2年目は児童に伝える力をしっかりと育成すること,児童の発表 活動などにICTを積極的に用いることなどが提案された。
 積み重ねを感じる研究になるよう,ぜひがんばって欲しいと願っている。

 
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練馬区立中村西小学校