解説と講評 |
コメント:玉川大学 教授 堀田龍也先生 |
本校の研究は,4月当初,電子黒板の操作に振り回されていたことから,まずは各教室ですべての教員が実物投影機とプロジェクタの組み合わせからICT活用を始め,教員も児童生徒も授業でICTが活用されること自体に慣れることが必要であることを指摘した。これに対応し,本校では管理職中心にICT環境の整備に腐心し,1学期中に環境が整い,すべての教員がICT活用を始めた。 2学期は,とにかく多くの授業実践が行われた。それぞれの授業では,あくまで教科 等の目標の達成が第一義であり,そのための理解促進の道具としてICTがあることが繰り返し確認された。各教科等の実践研究を進めている第一人者を講師に迎え,その教科等での授業づくりの基本を確認しながら,ICT活用が望ましく機能する場面を探っていった。2学期の後半からは,2月に行われる中間報告会に向け,学習指導案の精査に入ったが,この作業が普段の授業の中でのそれまでの数々のICT活用経験が活かされることにつながり,学習指導案の議論はたいへん充実したものとなった。このプロセスで整理された,授業過程とICT活用の対応関係を示した図は,本校の教員の間でよく参照される共通基盤となった。 本校では,各教科におけるICT活用の経験値を高める段階を過ぎ,経験をもとに整理する段階にある。2月の中間発表会でも,この整理の結果をもとに授業公開がされる見込みである。3学期に向けての本校の研究の次なる課題は,ICT活用を豊富に経験した自分たちの到達したICT活用のポイントを,特別研究指定校としていかに周囲の学校等に広げていくかということにある。中間発表会の総括をする際に,次なる課題に向けて舵を切ってもらいたいと願うところである。 |