解説と講評 |
コメント:玉川大学 教授 堀田龍也先生 |
特別研究指定校2年目の幕開けの時期を迎えた。学校長はじめ数名の教員の入れ替えがあり,4月は本校の1年目の研究の成果を端的に示すことと,2年目に取り組むべきことの焦点化に時間が割かれた。 本校の研究テーマは,児童の表現力の育成に重点がある。だからこそ,児童が表現したくなるような学習経験を重視し,そのためにしっかりとわかりやすい授業を提供したい。ICT活用でわかりやすい授業をという理由がここにある。これを1本目の柱と整理した。 その上で,2本目の柱として,児童が表現する際に必要となるスキルの習得や,表現する学習の場の設定を取り上げた。2本目の柱は,本校の本来の研究の中核であり,1本目の柱はそれを実現するための土台となる。また,1本目の柱がどちらかといえば教員によるICT活用を中心に語ってきたのに対し,2本目の柱は児童によるICTの活用となることから,普通教室に整備したICT環境の設置形態,発表時の児童の動線などにも着目されるようになった。 児童が表現する学習活動は,それ自体を行うことは容易である一方,しっかりとした表現ができる児童にするために必要な学習指導は多岐にわたる。話し方だけでなく,話形の指導,聞く側の指導,伝える側の工夫,伝わったかの評価,さらには話す活動だけでなく書く活動の連携,話す・書くなどのアウトプット活動と聞く・読むなどのインプットの活動との順序性,これらの学習活動の系列の中で児童がしっかり考えるようにする学習展開など,検討しなければならない課題は山積している。 5月以降,いくつかの研究授業を精力的に実施し,2本の研究の柱をしっかりと研修を重ねているところである。 |