実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第36回特別研究指定校(活動期間:平成22〜23年)

練馬区立中村西小学校の活動報告/平成23年度8月〜12月
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セールスポイント

  1. 研究発表会開催に向け、見通しをもち活動を行う。
    指導案検討、研究発表会に向けた様々な準備を通し、自分たちが歩んできた研究の道のりを確認し、当日にどうつなげていくかを考えた。

  2. 研究授業を通して、実践を深める。
    9月21日、28日、10月12日の校内研究会で研究授業を行った。

  3. 授業以外でのICT活用の広がりを確認
    授業の中でICTをどう活用するかを研究してきたが、様々な指導にICTを活用することができることに気付き、情報交換をすることで活用実践を共有していった。

  4. 研究発表会を開催
    12月9日(金)に研究発表会を開催した。当日は、全国各地から300名を超える方々にご参会いただいた。

  5. 校内研究のあり方を再認識
    研究推進委員を中心に各分科会や準備班で活動を重ねていく中で、自分たちの実践についての振り返り、よさを共有し、広めていくことにつながった。「子供たちのために…」を共通の柱として学校全体で取り組むことの大切さを再認識した。

実践経過

8月

★パナソニック教育財団 成果報告会に参加
1年次の研究の歩みについて報告した。報告会に向けた準備には、多くの先生方のお手伝いがあった。


★研究発表会に向け、授業内容の検討
各分科会で研究発表会に向け、指導案検討を重ねる。
内容が、各教科領域さまざまであるが、授業を支える授業規律の共通理解を含め、自分たちの授業の見直しを図ることにつながった。
8月の終わりには、指導案をもとに堀田先生からご指導をいただいた。研究発表会までに、どんな心づもりをしていくか、普段の授業の積み重ねの大切さを改めて考えることとなった。

9月

★9月7日校内研究会
研究主題達成に向けて、今までの実践を振り返り、今後どのような手立てをとっていったらよいか、共通理解をした。
分科会で討議をした後、グループを変え、それぞれの分科会の様子について意見交換を行い、話し合いを深めた。


★9月21日(水)校内研究会(練馬区教育委員会指導課訪問)

<研究授業>
3・4時間目は、全教員が授業を行い、校内研究会全体会で指導主事よりご指導をいただいた。
 
この日は、台風が接近したため、急遽研究授業を4時間目に行った。研究協議会の場で、模擬授業を行い、協議した。
 
<指導講評>
ICTのよさを生かす方法を考えながら、日常的に板書を考えたり、教材を考えたりしている様子が伝わる。説明にはICTを使い、大事なことは板書でしっかりと押さえていた。

 
★9月28日(水)校内研究会
講師 玉川大学教職大学院 教授 堀田龍也先生

<研究授業>

5年 伊藤治郎:学級活動「ハンデをもった人の思いを考えよう」
情報の共有 身の回りの工夫に目を向ける。

5年 渡部美桃:理科「台風と天気の変化」
説明の補助 雲画像と天気図の読み取り方を確認する。

6年 西尾靖子 大島伸之:家庭「ごはんとみそしるをつくろう」
情報の共有 ワークシートを映しながら、自分の工夫を発表する。

3年 榧木理恵:図工「発見!新び生物!」
説明の補助 吹き流しのやり方を実演する。

1年 吉川陽子:国語「くじらぐも」
情報の共有 教科書の挿絵を映し、場面の確認をする。
思考の視覚化 ワークシートを映しながら、自分の考えを発表する。

4年 磯部理恵:社会「わたしたちのくらしと水」
興味関心の喚起 川をそうじしている写真を映し、学習問題を提示する。
情報の共有 資料から気付いたことを発表する。

3年 村井泰子 鈴木真:保健「毎日の生活と健康」
情報の共有 教科書の資料を映し、気付いたことを発表する。

3年 赤津弓恵:国語「わたしたちの学校行事」
情報の共有 発表メモを映し、どんな工夫がされているかを考える。
説明の補助 2人組の練習の仕方を確認するために、モデルとなる児童の様子を実物投影機で映す。

<講師講評>
例示により、やり方を示すことでどの子にも分かりやすくなる。
スモールステップで進めていくことで、確実にできるようにしていく。
授業の基本として、発問は5Wで聞く。1Hの聞き方はよくない。
教師が突っ込むことで、授業を深める。
板書計画をしっかりと立てるようにする。
 
10月

★10月12日(水)校内研究会
講師 玉川大学教職大学院 教授 堀田龍也先生

<研究授業>

目の教室 遠藤文子:自立活動「補助用具の活用」
繰り返し習得 拡大読書器を使い、針に糸を通す方法を学ぶ。

目の教室 西尾靖子:自立活動「フォト新聞を作ろう」
繰り返し習得 キーボードアドベンチャーを用いて、ローマ字入力の方法を獲得する。

4年 花井めぐみ:道徳「生命尊重」
情報の共有 ワークシートを映し、気付いたことを確認する。

3年 坂藤正代:音楽「森のイメージから音楽をつくろう」
情報の共有 デジタルカメラの動画で撮影した前時の演奏を聴き、工夫するところを考える。

2年 本橋教子 仁多史子 関口浩孝:算数「形をしらべよう」
説明の補助 紙を折って、切る作業の手順を説明する。
情報の共有 前時の学習の調べ方を発表する。

<講師講評>
2人組の話し合いが、いろいろなクラスで行われていた。もっと取り入れるとよい。15秒程度の短い時間でしばしば話し合いを設けるようにする。話せないのは考えていないからという意識をもたせるとよい。習得と活用の割り切りをして授業を進める。何から何まで考えさせるのではなく、教科書をもっと活かす。低学年では、自由に発表させるのではなく、誘導することで、子供たちに力を付けていく。ICTを使って例示した時に指示する言葉が必要である。また、一つ一つ確認をする。すべての児童がきちんと活動できるようにする。
 
11月

★授業以外のICT活用の広がりを確認

1年生でも漢字だらけのお手紙を
訂正できます。
学芸会の台本の組み方も間違いなく。
保健委員集会では、手の洗い方を実演。 給食の配膳も映せば一目瞭然。
 

★11月30日(水)校内研究会
講師 玉川大学教職大学院 教授 堀田龍也先生

研究発表前のご指導をいただいた。

 
12月

★12月9日(金)研究発表会開催

お出迎えは2年生の作品で 授業開始前に合唱団が歌声を披露

低学年分科会

中学年分科会

高学年分科会

専科分科会
  

ICT体験コーナー
実物投影機   電子黒板
  

研究全体会

講演 玉川大学教職大学院 教授 堀田龍也先生
「子供を活かす授業づくりとICT活用」
 

成果と課題

 
成果
☆  自分たちの授業力向上のために環境整備や授業規律をより一層意識し、充実させることができた。
☆  研究発表会に向けて、授業内容を学年や分科会で確認し合えたことにより、授業をより良いものにしていくことができた。また、互いの実践について知り、普段の授業の中で生かすことができた。
研究発表会を開催し、練馬区内の先生方をはじめ、全国から300名を超える教育関係者の方にご参会いただくことができた。
研究発表会を開催し、自分たちの実践や研究の経過を振り返ることで、実践についての成果を確認することができた。
練馬区教育委員会のご協力により、各教室にコンピュータを配置し、活用が始まっている。
☆  校内研究のあり方を再認識した。

課題
★  実物投影機の活用をはじめ、ICTの活用を工夫している。研究が進むにつれ、ICTの活用はもちろんのこと、授業の流れや発問の確認、板書計画やノート指導の大切さがより分かってきた。
★  教員一人一人が学習規律の大切さを実感しているので、ICTを活用しながら、学校全体で規律について確認し、確実なものにしていきたい。
★  ICTの活用が授業以外にも広がってきている。実践を増やし、互いに共有することで指導に生かせるようにしていきたい。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

台風のため研究授業が急遽変更に

9月21日の5時間目に予定されていた3年生の研究授業は、台風の影響により、急遽4時間目に行われた。
4時間目という都合上、先生方が参観できなかったため、協議会は模擬授業から始まった。

実習生もICTを活用

教育実習生も実物投影機を活用し、授業を行った。

 

学芸会でもICTを活用

学芸会というと背景をどうするか迷うところである。
今年度は2年生・5年生が背景にICTを活用した。
 

手作りの研究発表会

研究発表会用に資料を500部用意した。
研究パンフレットは、印刷業者に依頼したが、当日の指導案集と資料「お役立ち集」は、校内印刷、校内製本を行った。
 

研究発表会当日に雪が…

12月上旬だというのに朝から寒い日となった。気が付けば外は雪。 
昨年度に行った中間報告会も前日は雪だった。
 

研究発表会では、本校にかかわる人たちがまさに一丸となって…

先生方はもちろんのこと、事務室・主事室・給食室、そしてPTAや地域の方々のご協力により研究発表会を行うことができた。それぞれのメンバーが自分で考え、行動し、よりよくしていこうとする「中西愛」に感謝!
 

研究発表会当日は、まさに裏話が山となって…

 

解説と講評

コメント:玉川大学 教授 堀田龍也先生

特別研究指定校2年目ということで,夏にはパナソニック教育財団成果報告会に参加し,これまでの研究成果についてアピールした。このための準備を通して,校内の多くの教員により研究のあしあとが確かめられた。また,アピールポイントを明確にすることを通して,自校の研究の特長について研究推進メンバーが強く意識することとなった。当日は多くの方々に話を聞いてもらい,ディスカッションすることにより,他校の研究とのいい意味での違いを感じることとなった。

その後は,12月の研究発表会の開催に向けて,かなり明確な見通しを持って研究が推進された。1回1回の授業研究においても,指導案検討から研究成果の蓄積,それを研究発表会にいかにつなげるかについて,ていねいに検討を進めてきた。

12月9日(金)の研究発表会には,練馬区内外から300名以上の参加者があった。本校の研究テーマの1つめである「ICT活用でわかりやすい授業の実現」と,2つめである「児童による表現活動の充実」の双方の授業が全学級によって公開された。すべての教員が真剣に研究に参画した。特に地元である練馬区教育委員会の方々が,多く参会されただけでなく,本校の研究内容,研究成果等を,区の教育の情報化の推進に活用するということを話されていたことが印象的であった。

本校の研究の成果は,このように全教員がICT活用を自分事として取り上げて研究に取り組んだことと,時折行われた練馬区内の教員を対象としたICT活用に関する研修会の主体となることによる普及・啓発の意識の向上,さらには先に示した教育委員会の方々の発言にもあるような区レベルへの望ましい影響など,特別研究指定校としての役割を十分に果たすものであった。

 
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練馬区立中村西小学校