実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第36回特別研究指定校(活動期間:平成22〜23年)

練馬区立中村西小学校の活動報告/平成23年度1月〜3月
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セールスポイント

  • 2年間のまとめ。そして、新年度の準備
    12月に研究発表会が終わり、2年間のまとめを行った。

実践経過

1月

★ 1月 各分科会のまとめ

各分科会で研究主題に対する成果と課題について3つの観点で話し合った。

○表現する楽しさを味わう子として現れた姿
・実物投影機を活用し、発表したり説明したりする姿が見られた。
・ペアや少人数による話し合いを意図的に組み入れたことで、
 言葉で伝えることがスムーズにできるようになってきた。

○分かる授業について(成果と課題)
・ICTの活用により、効率よく分かりやすい授業につながっている。
・ICTに頼りすぎないように教材研究や授業作りを行っていくように心掛ける。

○表現する授業について(成果と課題)
・自分の考えを伝えるために、どのようにしたらよいか工夫をする様子が
 見られるようになった。
・発問の吟味をしていきたい。

2月

★ 2年間の研究を振り返り、研究の成果を確認

校内研究として、自分たちの足跡を振り返り、次年度に向けた話し合いを行った。
分科会によるグループ討議→分科会を分解したグループ討議を行うことで、
内容を深めた。
一人一人が自分の考えを話すことができ、充実したグループ討議の場となった。

 
 
3月

★ 新年度に向けた提案・準備

2月に話し合ったことを踏まえて、来年度の計画について提案した。
来年度は、この2年間の研究をさらに広げる研究となる。
研究主題は「表現する楽しさを味わう子の育成」とする。
研究の内容は、「分かる授業のさらなる充実」「表現する授業の工夫」に加え、
「授業を支える学習規律の見直しをはかる」ことを取り入れることとした。

来年度末にむけ、学習規律を共通理解した中西スタンダード(仮名)と、
ICTの研究が終わっても活用できるICT基本操作についてまとめた
お役立ち資料(仮名)を作成する予定。

 

成果と課題

 
成果
☆  それぞれの分科会で話し合い、発達段階に応じた成果と課題を確認することができた。児童の具体的な姿と指導の工夫を照らし合わせることで、次年度につなげるICTの有効的な活用方法や指導の工夫、学習規律の充実などを話し合うことができた。
☆  分科会ごとの成果と課題を話し合ったあと、全体でさらに話し合いを重ねた。そうしたことで、校内で一致した見解で進んでいることを確認することができた。
研究主題に対する成果と課題を話し合った上で、校内研究の進め方等を振り返った。この2年間で、全員が複数回の研究授業を行った上に、授業以外にもICT活用を広げたり、自分たちの学級経営や学校としての在り方を考える機会をもてたり、有意義な校内研究を進めることができたことを実感した。

課題
★  この2年間で積み上げてきたことを、今後の学習活動の中でいかに継続させ、新任者にも含めて広げていくかが課題としてあがってきた。

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

全員ががんばった成果が厚みとなって表れた

全員が研究授業を3回以上。それらが結集した研究紀要は、
ずっしりと重い。

厚さ1.5cm

来年度に向け、研究の棚を整理


あふれそうになっていた棚が、すっきり。来年度に向けた準備完了。
 

教職員の和が生む中西言葉

「なかよし なかにし」
「中西愛」

職種を超えて、子供たちのよいところ、教職員のがんばりを見付けていた。お互いの姿から学びあえる教職員の集団になっていた。
妥協するのではなく、よりよいものを求めていける集団としての姿を維持していきたいものである。

 

区内学校対抗バスケットボール大会第3位

練馬区内において、勤務時間後教員による学校対抗のスポーツ大会が年に何回か行われる。今年度は、バスケットボールで区内第3位。男性ばかりの他校に対して、女性が常に2名出場している状態だったことを思えば、大健闘。


試合前には、ICT。ビデオを皆で視聴し作戦会議。
ここは、職員室。

応援団が熱かった!
 

教師道場中間報告授業(体育・3年生)

東京都の制度に2年間の教師道場という制度がある。
その1年目の報告授業が行われた。
「体つくり」の領域で、かなりの運動量の授業だった。
その中で、デジタルカメラを活用。
子供たちにとって、デジタルカメラや実物投影機は当たり前の道具になっている。
力強い相撲

体を使って表現しよう

口ができました。「早く撮って!」

 

区内研究員報告授業(算数・1年生)

区内の研究員の制度で勉強した報告の授業が行われた。

黒板を使って説明。

前のノートを使って振り返る。

 

研究を作ってきた、教職員の笑顔

一声かけると、すぐに動き出すメンバーです。
みんなの力を合わせ、研究が進んできました。


バスケット第3位を記念して作ったそろいのポロシャツ


仲間と共に、作り上げてきた研究でした。

 

2年間の実践を終えての感想

 

本校では、パナソニック教育財団の研究助成を校内のICT整備に充て、どの教室でも日常的にICTを活用した授業が行えるようになった。研究を始めるころは、「ICTって何?」「何をすればいいの?」と対処に困っていたが、実物投影機が全教室に常設されるとすぐに活用が広がり、研究の内容が深まっていった。
今では、ICTは授業にとどまらず、給食指導や生活指導、特別活動などでも大いに活用されている。

「まずICTありきではない。授業の基礎基本を大切にして、そこにICTを効果的に活用して分かる授業を積み重ね、表現する場を意図的に設定して、子供たちに力を付けていくことを目指そう。」その時々の私たちの段階に応じた、講師の堀田先生からのきめ細やかな指導があり、どの教員も、自分が高まって来た実感と同時に納得できる次の課題の指摘を受けて、次の授業改善への意欲を掻き立てられ、教員一人一人の研究への意欲が高まった。

研究の道筋に光を照らし続けてくださった玉川大学教職大学院教授 堀田龍也先生、研究の機会を与えてくださったパナソニック教育財団の皆様に、心より感謝し、お礼申し上げます。

 

次年度以降、今回の成果をどのように展開するのか

 ICT活用をかかげて3年目となる平成24年度は、2年間の成果の定着と発展を目指し、ICTが当たり前としたうえで、分かる授業と表現する授業の充実と学校全体として学習規律の見直しや授業力の向上を目指すこととする。
 学校生活の基盤となる学習規律や学習習慣の定着をすることで、授業への心構えを確実なものとし、その上で、学習内容の習得(分かる授業)を目指す。さらに、習得した内容を活用し、伝えたり話し合ったりする(表現する授業)学び合いを意図的に設定しいくで、学習内容を深めていくことをねらう。

 

解説と講評

コメント:玉川大学 教授 堀田龍也先生

本校は12月9日(金)に研究発表会を行ったが,その影響が諸方面に現れた。たとえば,練馬区内外の校長先生等が,本校の校長先生宛に,いい発表会だった,私たちも見習いたいというような声をお寄せいただいた。研究発表会を参観していた学校の先生方が,本校の先生や指導助言の講師に対し,自校でのパナソニック教育財団の研究助成に応募したいと伝えてきた。さらに,練馬区教育委員会の方々が多く参観されており,翌年度の区としてのICT活用研修についても,本校を会場とし,授業研究を行いたいという依頼がなされた。これらは,本校の現実的かつ日常的な研究活動が広く参観者の賛同を得る結果となったことを示している。

研究発表会が終わった後の3学期も,普段の教育活動の中でもICTは淡々と活用された。本校が掲げたテーマは,すっかり日常の姿となった。そんな中,特別研究指定校としての2年間の研究を終え,平成24年度から校内研究をどのようにするかという話し合いが持たれた。多くの先生方を交えて話し合いが行われ,最終的に学校長が判断したのは,特別研究指定校でなくなっても,ICT活用の実践的な研究を継続しようということだった。これまでよりも,教科の典型的な指導法を学び,そこにICT活用をしっかりと取り入れ,さらなる授業の充実を目指していくこと,このことを練馬区内を中心に周囲に広げていくことが確認された。

特別研究指定校としての責任を感じ,ミッションを遂行していく本校の今後に対して,大きなエールを送りたい。

 
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練馬区立中村西小学校