研究テーマは、「診断・補充教材による完全習得と発表・討議で高める数学的な思考力」である。テーマの通り、学校の研究としても、習得型学習と活用型学習を単元構成や年間の指導計画の中でうまく関連させて進めていると思われる。特筆すべきは、教員集団が、ICT活用に果敢に挑戦しつつも、いつも目線は、教師の指導力や子どものみとりにあることだ。
教室や学校に新しいテクノロジーがやってきて、学習環境に変化があっても、教師はねがいをもち、子どもたちの実態を把握し、目標が何であるかを確認し、しっかりと教材研究することの重要性はいつの時代になっても変わらないのである。筆者は、教師が授業力の向上を目指す授業研究の1つの視点として、電子黒板やデジタルテレビなどの活用をぜひ検討していってほしいと願っている。そうすることで、ICT機器の活用は何かの教科に特化したものではないので、全教科的に、どこでどのような意図やタイミングでICT機器を使うことがどのような効果を生むのかを視点にして授業方法の再検討ができると考える。