実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

活動情報/第35回特別研究指定校活動情報/第35回特別研究指定校

岐阜市立本荘小学校の活動報告/平成21年度4〜7月
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セールスポイント

校内での研究推進の共通理解

年度当初の研究会に宮崎大学教授の新地辰朗氏、元岐阜市立長良東小学校校長の岩崎潔氏も参加いただき、心機融合や学びの連続の実践方法について共通理解を図った。

学習活動の校内研究会

 多くの教科で学習活動を公開した。従来のように特別な準備を重ねた研究授業ではなく、毎日の普通の学習活動を公開したため、参観した教師も良い点を自分の学習活動にすぐに取り入れることができた。
 学習活動公開前後に教科研究会を開き、教科書を中心とした学習活動、「学び合いの学習」と「個の学習」の進め方、家庭での自主学習をもとにした学校での学習の展開、教師の支援のあり方などを明らかにしてきた。

ICT機器等の整備

 プロジェクター、無線LAN、デジタルカメラ、児童用パソコンの整備を進めた。
 

実践経過

4月
  • 校内研究会
    研究推進についての共通理解


  • 研究推進委員会
    教科部会ごとに本年度研究計画の立案
5月
  • 校内研究会
    岩崎潔氏による6年算数「分数でわる計算」の模擬授業


  • 学習活動の校内研究会
    6年理科「ものの燃え方と空気」
6月
  • 企画部会
    宮崎大学新地教授が来校し、企画部会の教員と研究の方向について懇談


  • 学習活動の校内研究会
    5年英語「What's this? の問いに It's 〜. と答える」
    4年国語「新聞記者になろう」
    6年算数「分数のたし算とひき算」
    2年国語「ともこさんはどこかな」
    3年国語「道案内をしよう」
    5年算数「いろいろな四角形」


  • アンケート調査
    家庭での自主学習と学校での学習活動について(1回目)


7月
  • 学習活動の校内研究会
    2年英語「すきなたべものなあに」
    6年国語「森へ」
    6年理科「植物のからだのはたらき」
    1年算数「のこりはいくつ ちがいはいくつ」
    特別支援学級国語「丸、点、かぎ」「漢字の広場」


  • アンケート調査
    家庭での自主学習と学校での学習活動について(2回目)


  • 研究推進委員会
    1単位時間の学習活動計画の作成について教科部会ごとに具体的な学習活動計画を作成
 

成果と課題

●心機融合 「教師が授業をする」から「児童が学習をする」へと、意識の転換が進んだ。
児童も教師もプロジェクター等を当たり前に利用して、学習活動を進めるようになった。
●学びの連続 家庭での自主学習を進めようとする児童が増えている。
児童の自主学習をもとにした、学校での学習活動を展開についてさらに研究を進めていきたい。
●教科書活用 教科書の記述をもとに学習活動を展開できるようになってきた。
児童が作成する学習計画表を活用した、学習活動の展開についてさらに研究を進めていきたい。
●ICT活用 校内のICT環境の整備が進み、積極的に活用されるようになった。
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

●全職員による意欲的な研究推進
 本校の学習活動の在り方は、「手の込んだ豪華な料理ではなく、普段の食事」と形容している。1時間の授業のために長い時間をかけて学習展開を考え、様々な教材を準備したこれまでの研究授業ではなく、教科書にそった展開とプロジェクターを常用した学習活動は、どの教師も毎日毎時間取り組んでいる。校内研究会ではその中の1時間を公開するため、授業者も公開しやすく、参観者も良さを取り入れやすい。結果として意欲的な学習活動公開と研究会が数多く開かれることになった。7月に研究推進委員会を開くと、委員でない職員も自主的に参加してきて、最後は全校研究会のようになった。このような職員の研究への意欲の高さを、ぜひ、すばらしい成果に結びつけたいと考えている。

●校務の情報化によるゆとりから
 本校は、文部科学省の「先進的教育情報化推進プログラム」の調査研究校として、校務の情報化により教師にゆとりを生み出すことにも取り組んでいる。いつもならば通知表作成に忙しい7月に、今年は5人もの教師が校内研究会で学習活動を公開し、毎日のように事前研や研究会を開くことができた。これも校務の情報化から生まれた"ゆとり"のおかげと考えている。
 

解説と講評

コメント:宮崎大学 教授 新地辰朗先生

岐阜市立本荘小学校の研究について

 本荘小学校校長室での風景。児童が,ふらーっと入ってきて,自分のこと,友達のこと,クラスのこと,担任の先生のことを語る。しばらくして,井上志朗校長先生の一言にうなずき,再び,教室へ戻っていく。児童一人ひとりの心に「応えよう,つながろう」とする先生方の姿勢を感じさせる場面だ。
 このような雰囲気の下,「心機融合と学びの連続で、児童の確かな学力の育成」を研究課題とする教育実践が展開されている。"自分で判断・計画させる学び"に"道具としての機械(ICT)"を組み合わせながら,確かな学力向上を目指している。人とテクノロジーの関係,そして学校・教師・家庭・保護者・地域との関係を,捉えなおしながら,教育の質を高めようとする点が,本荘小学校の特色である(図1)。教室での教師それぞれの工夫だけでなく,学校全体に及ぶダイナミックな試みが魅力である。
 今後,
    1. 「心機融合」と「学びの連続」を実現するための体制や仕組
    2. 活動内容と子どもたちの変容との関係
が示されると,より他校の参考になると思われる。これまでに,先生方にインタビューしたところ,以下の構図が手掛かりのように感じている。

 11月28日(土)に開催される研究公開では,授業公開に加えて,企画部の先生方から上記1.2.についてもご発表いただける予定。
 
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