実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24~25年)

京都市立一橋小学校の活動報告/平成23年度1月~3月
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実践経過
実践経過

成果と課題
成果と課題

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裏話

2年間の実践を終えた感想
2年間の実践を終えた感想

次年度の展望・目標
次年度の展望・目標

アドバイザーコメント
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京都市立一橋小学校活動報告イメージ1

  1. 研究発表会で提案した小中一貫カリキュラムを基に,新しい学習支援カード(3年生試行版)を作成した。
    新学習支援カード(3年生試行版)では,従来の「ICT活用」「集める」「まとめる」「伝える」の領域を「集める」「まとめる」「伝える」の3領域に改訂した。またそれぞれの領域を3つにわけ,問題解決的な学習の流れの中で,効果的に活用することができるように改訂を行った。
  2. 新学習支援カードを授業で活用し,その効果の検討を図った。
    新学習支援カードは,問題解決的な学習の流れでまとめられているため,授業の中で効果的に活用することができた。本カードを活用することにより,授業の導入時に情報活用の実践力の目標(学び方のめあて)を明確にもつことができるとともに,学習のまとめの際に,情報活用の実践力についての振り返りを行うことができるようになった。
  3. 新学習支援カードを自主学習で活用し,その効果の検討を図った。  
    従来の学習支援カードと同じように,自主学習を行う際に新学習支援カードを参照するように指導し,どのような情報活用の実践力を意識して,学習を行ったかを明確にするよう指導した。新学習支援カードを活用するようになり,領域が細かく分かれており,学習のプロセスが明確になったことから,従来以上に,様々な項目を参照し,学習に取り組もうとする姿が見られるようになった。また,チェック欄を改訂し,領域の全ての項目を5回ずつ経験すると「たっせい」という部分を色で塗れるという形式にしたことで,様々な項目に挑戦しようとする意欲が向上した。

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実践経過

 
・1月 新学習支援カード(3年試行版)の作成。
・1~3月 新学習支援カードを活用し,活用方法の検討を図った。
・3月 研究のまとめを行い,成果と課題を交流した。
 

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成果と課題

 

京都市立一橋小学校イメージ3

  • 新学習支援カードは,領域を細かく分けたことから,授業で活用しやすくなった。学習の導入時に教科のめあてを確認することが多いが,その際に,新学習支援カードを参照して情報活用の実践力(学び方)のめあてを確認する時間を設けた。そのような時間を設けることで,教科の目標と情報活用の実践力の目標を設定して学習に取り組むことができるようになった。

    京都市立一橋小学校イメージ4

    京都市立一橋小学校イメージ4

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    情報活用の実践力の目標は,教科の目標によって,子どもに設定させたり,教師から教科の学びを充実させることにつながる目標を提示したりして設定することにした。
    そのことで授業での教科の目標と情報活用の実践力の目標の関係を子どもたち自身が考え,教科の目標を基に,情報活用の実践力の目標を立てようとする姿が見られるようになってきた。また,学習のはじめに情報活用の実践力についての目標を確認することから,まとめの際に,情報活用の実践力についての振り返りを行うことが可能になった。このことで,自らの情報活用の実践力が高まったかということについてメタ認知を図ることができると考える。
  • 新学習支援カードを使って情報活用の実践力の目標を明確にすることで,子どもたちが,一時間や単元の学習の流れを意識することができるようになった。このことは,情報活用の実践力の目標を設定する際に,情報を集めることを中心に学習を行う授業で,情報を伝えることについての目標を設定すると,その目標を達成することができにくくなるためである。つまり,情報活用の実践力の目標を設定することにより,本時や単元がどのような学習活動で展開されるかという,学習の見通しを今まで以上に意識することにつながった。

◆今後,新学習支援カードの活用方法等をさらに明確にし,発信していくことが課題である。また,本支援カードの形式を基に,小学校1年生から中学校3年生までの学習支援カードを作成するとともに,学習支援カードに記述されていることが達成された情報の集め方,まとめ方,伝え方を具体的に示した,「情報ハンドブック」の作成に着手していきたいと考えている。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 
  • 情報活用の実践力を,授業等で子どもたちが自然と意識して学習を進める姿が見られるようになってきたこと。
  • 研究発表会の成果物を基に,さらに研究が進み,授業で情報活用の実践力を育成する仕組み(学習支援カードの活用法等)が明確になってきたこと。
  • 情報教育の研究が,教科の学力向上に少しずつつながってきたということが,実感できる結果が出たこと。
  • 本校の研究の成果を参考にしたいと,学校訪問に来ていただいたり,研修会での講師を依頼されたり,新聞や機関紙等に取り上げていただいたりしたこと。
  • 来年度以降も引き続き,新校や教育委員会の研究会等で本校の研究を取り入れ,授業等で生かしていただけるようになったこと。

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2年間の実践を終えての感想

 
  • 情報活用の実践力の小中一貫カリキュラムを作成することができたが,それを活用しての実践を行う期間が短かったため,カリキュラムの活用方法などの検討が課題として残った。
  • 情報活用の実践力の学習支援カード活用した実践を行い,学習支援カード活用することでの効果や活用方法が明確になった。新しい小中一貫カリキュラムを開発したことから,新しいカリキュラムに基づいた学習支援カードをすべての学年で作成することが可能となったことから,3年生以外の学年で新しい学習支援カードを作成していきたい。
  • 情報活用の実践力を育成するための具体的な学習活動や指導支援例については,1年次の情報活用実践力カードの蓄積と,2年次の研究の記録によって明確にすることができたが,それらをデータベース化するところまでは至らずその点は今後の課題としていきたい。

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次年度への思い

 
  • 新しい小中一貫カリキュラムを基に,新しい学習支援カードを作成するとともに,学習支援カードの項目がさらに具体的に分かるように,子どもの授業での姿や,ノートなどを提示した「情報ハンドブック」を作成し提案していく。
  • 情報ハンドブックは,小学校1年生から中学校3年生まで作成したいと考えている。まずは,小学校のハンドブック作成に重点を置いて京都市での普及を図り,行く行くは出版することをも視野に入れての作成及び広報活動を行っていきたい。
  • 作成した情報ハンドブックは京都市教育メディア研究会情報教育グループ研究で約10校,11学級で活用するとともに,京都市総合教育センターのホームページと総合教育センター内カリキュラム開発支援センターに配架される予定である。
  • 今回の研究成果を,来年度行われるJAET京都大会で発信し,真価を問いたい。

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アドバイザーコメント

玉川大学 教授 堀田 龍也 先生

 

本校は12月4日(水)に公開研究発表会を行ったが,その後も研究を進めてきた。公開研究発表会で提案した小中一貫カリキュラムを基に,本校の特徴的な取組である「学習支援カード」の改訂に取りかかり,よりきめ細やかに学習を支援できる3年生対象の試作版が完成し試行に入っている。今後,3年生以外の学年でも学習支援カードの修正が行われている予定である。

また,開発された小中一貫カリキュラムの活用のために「情報ハンドブック」を作成する予定となっており,今後,京都市総合教育センターや京都市教育メディア研究会と連携して研究が継続され,普及啓発に取り組む見通しである。

研究発表会が終わった後の3学期,本校は144年の長い歴史の幕を下ろすこととなった。統廃合によって新しい学校が誕生し,小中一貫カリキュラムの活用が進められていくことになる。特別研究指定校であった「京都市立一橋小学校」は存在しなくなるが,ここでの実践や成果は,脈々と受け継がれていくこととなった。このような体制を準備された本校の藤田校長はじめ関係者の皆様のご努力に,大きなエールを送りたい。

 

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