実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24〜25年)

京都市立一橋小学校の活動報告/平成23年度1月〜3月
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ポイント

実践経過
実践経過

成果と課題
成果と課題

成果と課題
裏話

アドバイザーコメント
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コメント

 

セールスポイント

  • 教員が一丸となって日々の授業で情報活用の実践力を意識して育成した。
    情報活用の実践力を育成することができると考えられる学習活動を,日々の実践の中で意識し,それぞれの担任が静止画で撮影し,カードに記録をしていった。年間を通して,それぞれの学年で20事例ほどの実践事例を蓄積することができた。実践を見渡すと情報活用の実践力を軸に,どの学年も全ての教科にわたって横断的に情報活用の実践力を育成する学習活動が行われていた。

  • 情報活用の実践力の育成を意識することで言語活動の充実する授業(学習活動)が増えた。
    情報活用の実践力を育成する視点を教科学習の中で意識することで,授業の中で様々な言語活動を設定することにつながった。また,情報活用の実践力を育成する視点を指導していくことで,言語活動が充実する姿につながった。

  • 情報活用の実践力の学習支援カードの活用が充実した。
    教科学習の中や,家庭学習で情報活用の実践力の支援カードを活用することで,子どもたち自身がこれらの力を意識して学習を進めることにつながった。


  • 全校児童に自分たちの学習したことや経験した事を伝える「一橋タイム」で情報活用の実践力が高まったすばらしい伝える姿が見られた。
    5年生の「一橋タイム」では,研究発表会でどのような図書館にしていきたいかを議論した『図書館改造計画』について,全校児童に対してプレゼンを行った。5年生は図書館改造計画の企画をグループで改造計画をまとめあげ,全校児童に分かりやすく興味をもってもらえるような工夫をして伝えることができた。どのグループも受け手に自分たちの企画が上手く伝わるように,見てほしい部分が上手く強調されていて思わず呼んでみたくなるようなまとめ方や,声量や話し方を工夫して思わず見てしまうような話し方などして伝える姿が見られた。
    3年生の「一橋タイム」では,社会科で昔の道具について学習したことについて7つのグループに分かれて全校児童に報告した。どのグループも学習した事を模造紙や画用紙などにまとめてそれをさし示しながら伝えるといった伝える方法を基本にしながら,実物を見せたり,実物の使い方を実演しながら紹介したりして聞き手が思わず見たくなるように伝える姿が見られた。

  • 物語文を基に情報活用(1年生校内研究授業)
    1年生が物語文からキーワードを基に必要な情報を集め,自分が思ったことを豊かに伝える姿が見られました。一年間,情報活用の実践力を意識して指導を行うことで,子どもたちは聞き手を意識しながら最後までしっかり自分の考えを伝えようとする姿が見られました。

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実践経過

1月25日 一橋小学校研究発表会
パナソニック教育財団特別研究指定校中間発表会

→ 1年間の研究の成果を研究冊子にまとめる。
→ 情報活用の実践力の実践記録カードを各学年15事例まとめる。
→ 研究授業 育成学級「国語科」1年生「算数科」4年生「算数科」5年生「国語科」
   
2月20日 一年生校内研究授業 国語科「たぬきの糸車」
   
3月6日 1年間の反省
→ 今年度の研究のまとめと来年度に向けての話し合い。

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成果と課題

  • 教員が一丸となって日々の授業で情報活用の実践力を意識して育成した。

    成果:
    全ての教員で情報活用の実践力を意識して取り組めたことで,教員の情報教育に対する認識が深まった。また,日々の実践を蓄積することで,授業実践の交流や子どもの指導についての交流を行うことができた。情報活用の実践力の蓄積をまとめることでそれぞれの学年の取組内容がよくわかり,来年度へ引き継げるものができた。
    課題:
    教科学習の中で,情報活用の実践力を育成する視点の共通理解が図れてきたので,子どもが主体的に情報を活用するという面に目を向け交流や授業実践などに発展していく学習活動を行うことが課題である。

  • 情報活用の実践力の育成を意識することで言語活動の充実する授業(学習活動)が増えた。

    成果:
    情報活用の実践力を授業の中で育成する事を意識することで,様々な言語活動を積極的に授業に組み込んでいくことができた。また,情報活用の実践力を育成する事を意識して指導を行うことで言語活動の充実につながった。

    課題:
    言語活動の充実と情報活用の実践力を育成する視点との関係を明確にすることができれば,授業を考える上で情報活用の実践力を育成する活動を効果的に授業に盛り込むことができるのではないかと考えられる。
  • 全校児童に自分たちの学習したことや経験した事を伝える「一橋タイム」で情報活用の実践力が高まったすばらしい伝える姿が見られた。

    成果:
    日々の授業の中で情報活用の実践力を意識して育成することにより,子どもたちが主体的に受け手を意識して伝える姿が見られるようになってきた。

    課題:
    様々な情報手段を活用し効果的に伝える姿を求めていくことが課題である。
  • 物語文を基に情報活用(1年生校内研究授業)

    成果:
    日々の学習の中で情報活用の実践力を育成する視点を明確に,指導案にもその力を挙げ,指導を行うことができた。

    課題:
    子どもが主体的に情報を活用する視点を更に追究していく必要がある。
    事前に指導案検討はできたものの,検討から授業までの間に学年部や研究部と相談できるようにしていく。

  • 今年度の研究の成果を学年ごとにまとめ,研究の土台ができた。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 教職員が一丸となって研究発表会に取り組むことができた。

  • 子どもたちの情報活用の実践力が育成されている姿が様々な場面で見られるようになってきた。

  • 授業や家庭学習の中で子どもたちが情報活用の実践力を意識する姿が見られるようになってきた。

  • 情報教育を行うことの意味や効果,価値を共有することができた。

  • 研究発表会の前日に力を合わせて「情報活用の実践力の支援カード」を整理し,協力して掲示板に貼り付けた。大変時間がかかったが,それぞれがアイデアを出し合い,一つのものを作り上げる喜びを感じた。

  • 実践記録カードを蓄積する上で常に子どもの姿を写真に撮影する意識がもて,子どもをしっかりと見ることにつながった。

  • 教材を開発したときに子どもたちが喜んでくれた,それが他の教科に応用できた。

  • 他学級との子どもたちの交流が広がった。

  • 教職員で力を合わせて研究に取り組むことができた。

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1年間の実践を終えての感想

  • 情報活用の実践力を育成する視点を,全ての教科・領域の中で意識して授業を行うことができた。このことで,子どもたちの情報活用の実践力の高まりが見られた。しかし,情報活用の実践力という力を,教員が理解するのに少々時間がかかる,今年度の研究を柱に,新着教員が情報教育をいち早く理解し,実践に移せるようなものを作成していく必要がある。

  • 子どもたちに情報活用の実践力の支援カードを配付することで子どもたちが情報活用の実践力を意識しようとする姿がみられるようになってきている。しかし,どのような使い方をすることが効果的であるかということについては明確ではない,今後,更に情報活用の実践力の支援カードの活用方法について考えていく必要がある。

  • 子どもたちが主体的に情報を活用する学習活動について深めていく必要がある。
 

次年度への思い

  • 今年度の研究を土台に,子どもが主体的に情報を活用する学習活動を考え深めていく必要があると考える。今年度は研究の焦点を「伝える」場面に絞り,子どもたちが豊かに情報を伝える場面を追究してきたが,来年度も学習のプロセスで焦点り,子どもたちが主体的に情報を活用する活動を開発し横断的に展開していきたい。

  • 今年度の研究成果を土台に来年度研究を深め,それらを統合して,情報活用の実践力の小中一貫カリキュラムの作成に着手し,作り上げたい。作成した小中一貫カリキュラムは,来年度,統合し開校する新校の研究の一部として活用するとともに,広く発信していきたいと考える。
 

アドバイザーコメント

玉川大学 教授 堀田 龍也 先生

 本校に伺うたびに感心することは,小さな学校ながら,どの教員もたいへん熱
心に研究に取り組んでおり,学校が一丸となって進んでいる姿が見られることで
ある。率直にすばらしいと思う。

 そんな中,1月25日に,特別研究指定校としての中間発表会が行われた。
特別支援学級,1年,4年,5年の授業公開が行われた。夏以降,研究をできるだ
け焦点化するために,本講は国語と算数を中心教科に定めて取り組んできた。
この日は,両教科の中での情報活用能力の育成を期した授業を4つ公開した。

 この日の授業でも話題になったことだったが,対象教科を国語と算数に絞るこ
とによって,教科の授業としての典型的な授業展開と,情報活用能力の育成がど
のように関わるかという点が,研究を難しくしている部分があることが感じられた。
情報活用能力の育成のための授業では,児童が自ら必要と思う授業をさまざま
なリソースに当たって集め,それらを吟味して整理したり絞り込んだりして,
それを誰かに伝え,それらの過程を振り返る学習活動が必要となる。
教科の目標達成として最適化された授業展開から見れば,このような活動はや
や冗長に感じられることが多い。情報活用能力の育成が,社会科や総合的な
学習の時間で多く行われてきた所以でもある。

 本校は,2年目も国語と算数に絞って研究を進めていくことにした。これは大
きな挑戦である。研究成果に注目していきたい。

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