実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24~25年)

高槻市立芝谷中学校の活動報告/平成23年度1月~3月
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ポイント

実践経過
実践経過

成果と課題
成果と課題

成果と課題
裏話

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セールスポイント

 
  1. 昨年度は3教科(数学・英語・社会)の公開研究授業であったが、 今年度は全教科全教員の公開研究授業へ
  2. 電子黒板機能付プロジェクターと書画カメラが夏休みの間に全ての教室に設置(常設)された。
  3. 授業の様子をiPadで撮影し、分科会でリアルタイムに見ながらワークショップ形式で協議をする。また、全体会の報告の際も、その場面を全体で共有しながら、研究協議会を進めていく方法を採った。

実践経過

 
4月

i-work 4月19日(金)

【テーマ】

  • i padで何ができるの?
  • 操作方法がわからないけどどうすればいいの?
  • 授業でどう使えばいいの?
5月 教科会議の充実。授業案の検討
6月

6月21日(金)第4回公開研究授業

 
社会: 実物投影機を使い、資料集を拡大表示しながら、関連する話題に触れ、生徒にわかりやすい授業を展開した。【Step1】
理科: 写真等を使い、実験の仕方や注意点をわかりやすく説明する。 また、班ごとに異なったテーマがあり、お互いに相談しながら課題解決に向かって取り組んでいた。【Step2】
体育: 5歩以上倒立歩行ができることを目指した学習内容。班ごとの台紙を用意し、授業でうまく倒立ができた生徒が自分の気づきを模造紙に書き込んだり、どの班が、どれくらい書きこんで、一目でわかるようにするなどのアナログ的な要素とipadを使い、必要に応じて教員の模範動画を視聴したり、生徒同士で練習シーンを撮影し、再生しながら改善点などを話し合うツールとしてのICT活用を報告した。【Step2】
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分科会

昨年度までは、1つの教科を全員が参観し、授業の様子について話し合うというスタイルを採ってきたが今年度より研究授業を3つの教科で実施し、授業後それぞれ3つの分科会に分かれて、授業に関して、i Padで撮影した写真を写しながら授業の振り返りを行った。

全体会

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6月i-work 6月13日(金)

学校にあるICTの使ってみよう
(1)

書画カメラ、デジタルカメラ、プロジェクター

7月 7月4日(木)校内研究授業 
 
数学: 3年「2次方程式」課題学習をする中で、できた生徒ができていない生徒に教える。また、little teacherとなって他の班のわからない生徒に教えに行くを通して、生徒同士がお互いの考えを伝え合い、それにより個人の考えを深め合うことを目標に授業が進められた。研究協議の中で、課題となったことは、授業者がその目的を明確にしないとグループ活動は単なるおしゃべりになってしまうことになる点である。【Step2】
 
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社会: 3年「私たちが生きる現在社会の特色」【Step2】 デジタルとアナログのよさを取り入れながら、グループ活動や班の発表を多く取り入れていました。
 

全体会

つながるための学習パターンを自由に付せんに書くワークショップを実施。 後日それらをカテゴリー分けして今後の授業設計に役立てることを目指した。

 
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  7月i-work 7月24日(木)

学校にあるICTの使ってみよう(2)

 
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小学校でタブレットPCを使った実践の紹介(日吉台小学校)

タブレットを利用した授業の例 
ラインズ(株)

書画カメラの応用的な使い方
(芝谷中学校)

 

全体会

つながるための学習パターンを自由に付せんに書くワークショップを実施。 後日それらをカテゴリー分けして今後の授業設計に役立てることを目指した。

 

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成果と課題

 

<成果>

(1)研究授業

昨年の反省を踏まえて、目標を明確にした上で授業設計をすることができた。
各先生が以下の目標のいずれかを明確にした上で授業設計をする。
【Step1】:教師がICTを使いわかりやすい授業設計をする。
【Step2】:ICTを使い生徒同士がつながる授業設計をする。

(2)i-work

芝谷校区3小学校(安岡寺小、日吉台小、北日吉台小)の教員もi-workの開催者側に入ってもらうことができた。7月には夏休みということもあり、3小学校の多くの先生方が参加され、ICTに関する関心・意欲が高いことが伺えた。

(3)教科会議

教科会議の中で授業指導案について検討する機会が多くなってきた。

<課題>

(1)「考える力」「学習意欲」を育成する教員の授業に関する現状と課題

教えて考えさせる授業がまだ定着できていない。

(2)検証 evidenceの必要性

授業実践の記録および生徒アンケートを実施する。
PDCAサイクルを通して授業の見直しを行う。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 

(1)昨年度から大きく変更した点

また、ICT活用について全員が一歩踏み出せていないことが課題としてあったが、今年度は全教職員が年1回以上実施するという広がりが見えた。現在、教科会議を中心に、指導案を作成中。内容としては、教師が以下の目標を持ち授業設計をする。
Step1: i-workをもとに教師がICTを使いわかりやすい授業設計をする。
Step2:ワークショップ型研修をもとに(ICTを使い)生徒同士がつながる授業設計をする。

(2)研究授業を7月i-workには、校区の小学校も含めて60人を超える参加者があり、教室には入りきれなかった。

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アドバイザーコメント

長崎大学 准教授 寺嶋浩介 先生

 

■みんなが一歩を踏み出し,教員どうしが「つながる」

2年目に入り、芝谷中学校の取り組みが加速している。まず、本年度は「全教科全教員」の授業公開を実施しようとしている。昨年度は、実施している教科以外は参加意識が低いのは否めなかった。本校の公開研究会が本年度は11月30日に実施される予定であるが、そこへ向けての準備を着々と進めておられる。特に中学校において、みんなが当事者意識を持つためには、あるいは、より成果が発信される基盤としては、何をおいても「全員が一歩」ということにこだわったほうがよいと考える。

 また、それだけではなく教員がつながる雰囲気が、授業公開以外においても現れてきた。6月に同校を訪問した際、3つの授業が公開されたが、他の教員は分担して授業観察や評価を行っていた。また,その折には参観している教師がiPadで写した写真が利用され、それに基づいて各授業グループで授業後の検討会をしたり、全体会では報告されていた。こうして授業が実施者ひとりのものではなく、みんなで共有されるようになってきた。

■市内の拠点校として、つながっていく

夏休みに入りようやく、全教室に電子黒板機能つきプロジェクタと書画カメラが増設されるようになった。本校の成果が整備に結びついた、というよりは時代の流れや学校長のリーダシップにより整備された感がある。しかし、これをもって本校は高槻市内のICT活用の拠点校としても責任をもつようになった。実際に市内の多くの学校からの参観依頼が来ているという。公開研究会においては、こうした学校から多くの先生方が参観され、学んだことを持ち帰ることが期待されている。その前提として、ICT活用そのものを学習する勉強会i-workも盛況になってきているという報告を受けている。地区内の小学校からの参加者が多いのが特徴で、将来的には小中連携などが視野に入ってきた。やはり教育におけるICT活用は、地域ぐるみの学校改革のひとつのキーワードとなりそうだ。

■今後の課題は

「みんなで二歩目」を踏み出すことが今後の課題である。具体的には、授業づくりの改善である。公開授業については、メールを通して指導案にコメントするようにしているが、一般的な小学校と比較するとまだかなりの伸びしろがあるというのが現状である。少なくとも、授業目標を明確にし、授業が終わったら生徒にどのような力がついているのかがきちんと説明できるようにしなければいけない。また、いわゆる生徒に主体を委ねる授業場面(例えばグループ学習で考えさせる場面など)を入れるようになってきているが、ただ形態だけを入れているだけのようにも見える。その作業を通してどのような学びを期待するのかを考慮することもまた、必要であろう。  
加えて、ようやく成果をエビデンスとしてどのように残すかが議論されるようになってきた。よい実践を行っても、それをうまく伝わるように表現しなければ、せっかくやってきた成果も半減する。そろそろ、「三歩目」として、ひとつの方向性を見出す時期に来ていると思う。

 

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