実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第41回特別研究指定校(活動期間:平成28~28年)

大阪市立堀江小学校 /平成28年度4-7月期

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研究課題と成果目標
研究課題と成果目標

取組内容
取組内容

裏話
裏話

成果
成果

今後の課題
今後の課題

公開研究会の計画
公開研究会の計画

アドバイザーコメント
必見! アドバイザーコメント

 

研究課題と成果目標

 

[研究課題]

ICTを活用した思考力・判断力・表現力を育む授業の創造
~黒板を子どもに渡そう~【総合的な学習の時間での協働学習を通して】

[成果目標]

  • 総合的な学習の時間における情報活用能力を育む授業モデルの構築
  • 児童主体の協働学習デザインの構築
  • 協働学習を成立させるための、効果的なICT活用授業モデルの創造
板橋区立中台中学校活動報告イメージ01 板橋区立中台中学校活動報告イメージ01

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

 

[本期間(4~7月)の取り組み内容]

1. 校内研修・研究発表・先行研究

  • 疋島和恵・川村幸久
    「ICT活用指導力向上のための取組」大阪市教育センターにて発表を行った。(平成28年5月12日)
  • NewEducationExpo2016(大阪会場、平成28年6月17-18日)に教員4名が参加し、先進的なICT活用を行っている大阪教育大学附属池田小学校算数科の授業実践、授業研究会に参加した。また、種々のセミナーに参加し、ICT活用に関する情報収集を行った。
  • 富﨑直志
    ICT活用研修授業として6年総合「熊本地震について考える」を実践。その後、兵庫教育大学大学院永田智子教授より「総合的な学習の時間における探究的な学習について」校内研修を実施。(平成28年5月17日)
  • ICT部会10回、ICT活用研修・実技研修を5回実施。ICT・研究通信を11号まで発行し、ICT活用スキルを高めた。
  • 大阪市教育センター坂口朋子指導教諭と連携して、情報モラル教育授業実践を3年生以上全クラスで実施。
  • 四つ葉会通信(若手授業力向上組織)第7号まで発行

2.研究授業(学習指導案・参観・討議会のあるもの)

  • 新任研究授業4回、2年目教員研究授業2回、四つ葉会(若手授業力向上組織)研究授業11回
  • 研究授業18回(各学年3回ずつ)…授業後に討議会実施

3.公開授業・討議会(平成28年7月2日土曜日)

大阪市をはじめ他府県からも含め、300名を超える教員・教育行政・教育関係者が、公開授業に参加

学年 教科 単元
1 算数 のこりはいくつ ちがいはいくつ
2 生活 どきどき わくわく まちたんけん
~ほりえのまちたんけんたい~
3 総合 見つけよう、ほりえの名人
4 総合 災害からくらしを守る
5 総合 人々の暮らしをよりよくしている
取り組みについて考えよう
~思いやりあふれる町づくりプロジェクト~
6 総合 堀江の良さを伝えよう
~校歌のメロディにのせて歌おう~

アドバイザーの助言と助言への対応

●評価の観点を教科から総合的な学習のものに変更する必要がある

⇒これまでの関心・意欲態度・思考判断から、問題発見力・情報収集・将来展望の力・参画の力に変更。

●単元の目標を明確にするために掲示を工夫する

⇒「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」という探求的な学習の過程で、児童の学習はより深いものになる。その際、本時・単元を通しての課題を明確にするために、常に児童も指導者も意識できるように学習の過程を掲示した。

大阪市立堀江小学校活動報告イメージ1

●情報活用能力、探究活動の質の向上。

問題解決の活動である「課題設定」「情報収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の各段階のサイクルを繰り返すことで、課題解決に向けて、意欲を継続させ、探究活動の質を高めることができる。

⇒課題設定の場面の工夫

「違和感が生じるように統計資料を提示」「驚きの事実を印象的に提示し、必要感を高める」「体験活動での感覚とずれや矛盾を強調する」など課題を設定する場面の工夫により、児童一人ひとりに問題意識を持たせることができた。

 

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 
  • 公開授業当日は、300名を超える参加があった。予想を超える参会者数だったので、資料の準備や会場設定に少し戸惑ったが、今まで以上の活気のある公開授業となった。討議会やアンケートでも参会者から広く意見をいただくことができた。
  • 総合的な学習の時間における探究的な学習、問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の授業デザインをいかに児童主体で行うことができているのかを考え、計画・実践していくことに苦労した。また、毎日の授業から、「児童主体の学習スタイルに変える」「ルーブリックを子どもに立てさせて目標を明確にする」等、従来の教師主導の一斉指導から、子ども達に任せていく実践の難しさを感じた。

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成果

 
  • 機器操作の研修やICT活用授業実践研修を通して、教職員のICTの指導技術や機器操作の習得と新たな教材開発、授業実践のデータを蓄積することができた。また、今年度着任した教員も積極的にICTを活用し、タブレットPCを中心に授業に活用できた。
  • ICTを活用した総合的な学習の時間での協働学習を進めてきたが、公開授業において実施した教員対象のアンケートにおいて、「思考を深めたり、広めたりすることに効果的か」という質問項目に対し、「とても思う」「少し思う」と回答したのが、91.2%という高い評価であった。
  • 公開授業では、参会者から「ICTや思考ツールを使い、友達と協働している姿を見ることができ、今後の授業の参考になった。フィールドワークも大切にしておられるからこそ、ICTもうまく生かすことができていると感じた。」「タブレットを効果的に活用することにより、児童の思考を深めて、目標にせまる授業であった。」「4年生でのエクセル活用、総合的な学習での協働学習、ルーブリック、黒板を子どもに渡そうなど、参考になることが多かったです。本校でも研究を進めていきたいと思います。」といった肯定的な意見をいただいた。
  • 先進的なICT活用の授業実践を行っている学校の取組から情報収集した。 ICT活用及び協働学習、ルーブリック、思考ツール等に関する先行研究を参考に、全教職員で本校の研究の方向性を共通理解できた。
  • 児童が自ら問題意識を持ち、タブレットを使ってフィールドワークに出かけ、調査活動を行った。また、集めた情報を、整理・分析しプレゼンにまとめた。更に全体交流を通じて考えを深めることにより、新たな問題意識を持つことができた。
  • 「児童が主体的に話し合い、聞き合い、説明し合いながら課題について考える場面」「付箋やカード、ホワイトボードや小黒板、黒板や模造紙に書きながら、情報について根拠を持って判断している場面」という児童のよりアクティブな状態をイメージした授業を教職員の共通理解のもと、全学年で組み立てることができた。

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今後の課題

 
  • 児童が活躍する探究的な授業デザインの構築
    黒板を子どもに渡すという児童主体のイメージを全教職員で共通理解する。総合的な学習の時間は勿論、教科での学習や特別活動の時間においても、児童主体の授業を計画・実践していく。
  • ルーブリックを児童に持たせる授業の展開
    総合的な学習の時間の中で、ルーブリックを児童が設定し、評価していくための方法についての検討。
  • ICTを効果的に活用した授業の探求
    ICTの特長(瞬時の可視化・瞬時の共有化・思考の繰り返し)を的確に捉え、総合的な学習の時間及び各教科等での協働学習において、効果的にICTを活用する授業を校内の研修部を中心に全教職員で探求し、授業を実践していく。堀江小『総合学習とICT活用、探求学習モデル図』を作成する。
  • 情報活用能力のさらなる育成
    児童の情報活用力をさらに高める取組を実施。各教科等を通じて、情報モラルを身に付け、コンピューターなどの情報手段を適切に活用できるようにする学習活動を設定する。
  • 研究成果の発信
    より積極的な研究成果の発信のために、学会発表等を見据えたデータの蓄積と分析。

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公開研究会の計画

 
  • 平成28年8月9-10日 … 大阪市ICT活用実技研修会(大阪市教育センターと共催)
  • 平成28年10月14-15日…全日本教育工学研究協議会全国大会佐賀大会研究発表(予定)
  • 平成28年11月19日 … 公開授業・学習参観(ICT・総合・防災・防犯・SPS等)
  • 11月公開授業に向けての学習指導案検討(全学年)
  • 2月公開授業に向けての学習指導案検討・研究授業の実施(全学年)
  • 平成29年2月上旬 … 平成28年度公開授業・研究発表(ICT・教科・総合)
  • 2月研究発表会に向けての学習指導案・研究のまとめ検討

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アドバイザーコメント

兵庫教育大学 大学院学校教育研究科  教授 永田 智子 先生

 
永田先生イメージ

特別研究指定校としての堀江小学校の取組みも1年を過ぎました. 7月の公開研究会では,これまでの実践をさらにパワーアップさせた授業が公開されました.また,たくさんの方からの意見をもらえるようにと,公開授業後の討議会は体育館でのポスター発表スタイルにするなど工夫が凝らされました.

何度も書いているような気がしますが,ICTを活用した思考力・判断力・表現力を育む授業づくり,という点について,堀江小学校は全国トップクラスです.いつも全学年授業公開をされるのですが,どの学年を見てもICTを活用した効果的な授業が行われており,どの学校・学年の先生でも参考にしてもらえるものとなっています.ぜひこれからの公開授業にも多くの先生方に参観にきていただきたいと思います.

さて,安定の堀江小学校ですが,そこで満足はしていません.ICTを活用した思考力・判断力・表現力を育む授業の創造-総合的な学習の時間での協働学習を通して-という研究課題は変わりませんが,2016年度になり,「黒板を子どもに渡そう」というキャッチコピーが加わりました.堀江小学校では,総合的な学習の時間をよりレベルの高いものにしようと挑戦し続けています.最終目標は,子どもたちが主体となり探究する授業モデルの構想です.チーム堀江のラストスパートを期待します.

 

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