#01
挨拶
主催者挨拶:
赤堀侃司(パナソニック教育財団常務理事)
来賓ご挨拶:
豊嶋基暢氏
(文部科学省生涯学習政策局情報教育課長)
実践研究助成は、子どもたちの確かな学力や豊かな人間性を育むことを目的に、 初等・中等教育の現場の先生方を対象に、ICT・メディアを活用した新しい教育方法や教材開発・活用方法の実践研究を支援する助成制度であり、財団設立以来、 継続的に実施しており、今年で第40回目となりました。
今回の成果報告会では、助成期間が2年間となる「特別別研究指定校」のみなさんにお集りいただいたわけですが、この特別研究指定校という制度の一番の大きな特徴は、実践家である現場の先生方と研究者であるアドバイザーの先生方が共に取り組むということだと捉えています。
もともと教育学の研究というのは、良い授業や授業改善をするためには、どうすれば良いかという研究です。しかし、実践は生きた現場の子どもたちを対象としているため、さまざまな要因がありすぎて、理論だけではうまく機能しないということがわかってきています。
一方、特別研究指定校というのは、まさに実践のフィールドで、そこに知見が蓄えられています。しかし、そこにあるキラリと光る知見を取り出すのは、なかなか並大抵のことではありません。そのため、正しい方法、こうやったら上手くいくとアドバイスをする研究者の存在が必要であり、そういう点で、特別研究指定の意味は、きわめて深いものだと感じています。
特別研究指定を受け、実践研究に取り組まれているみなさんには、その実践研究の定着・普及を今後も途切れることなく、継続的に行い、それによりたくさんの子どもたちの学びに本助成制度が資することを祈念しています。
本事業を通じまして、いわゆる視聴覚メディア、情報通信メディアを効果的に活用する中で子どもたちがわかりやすい授業を体感する、あるいは子どもたちの主体的な学びを推進するということを可能にして、子どもたちの興味・関心を高めながら、なおかつ一人ひとりの個性・能力高めていく、21世紀にふさわしい学びというものを作りだす、創造するということを強く期待しています。
文部科学省でも取り組みを進めていますので、紹介をさせていただきます。
学びのイノベーション事業は昨年度最終年度を迎えました。
3か年の実証研究ということで一区切りを迎えています。
区切りを迎えたということは、普及をするスタートの年でもあるということです。
今年度は、教科別の指導モデルや研修モデルを作る取り組みや、学校現場でお使いいただけるようなネット依存などの情報化の進展に伴う課題に対応した指導用ビデオ等の開発をいたしました。
さらに、昨今、教育の中で、プログラミング教育という言葉がでてきています。今年度、プログラミング教育の国内外の実態調査をすると同時に、ICTを活用したあるいはICTの教育そのものの充実・普及を計るような事業を引き続き展開していこうと考えています。
昨年度も、2年間にわたるアドバイザーの先生方の指導のもとで、学びをつくりあげていく特別研究指定校の成果発表を聞かせていただきました。 今回の成果発表会では、改めて、ICTメディアを効果的に活用しながら教育の課題解決に取り組む実践的な事例を伺えると楽しみにしています。 また、本日ご報告いただいた成果をそれぞれの学校におきましても共有していただいて、多くの方が参加しながら、教育課題の改善に広く取り組んでいただけるということに期待をしています。