#05
総括
情報交流会
講評・まとめ
吉崎静夫(パナソニック教育財団 評議員/日本女子大学 教授)
特別研究指定校の学校名をみると、日本全国各地域で、小・中・高・特別支援学校と多様な学校に指定ができていることがわかります。評議員として、これに対して深く感謝しています。そして、本日の発表も、この多様性の中から、たくさんの成果が生まれたと感じています。
一つは、ICTを活用した授業実践の進化です。非常に深まりがでてきました。例えば、個別学習、グループ学習、一斉学習のICTでのつながり、とりわけ協働学習でICTが効果的に使われているのがわかりました。
二つ目は、思考力・判断力・表現力といった21世紀に求められる新しい学力をICTでどのように育てるのかという点に正面から取り組んでいただいたということです。
さらに、三つ目は、ICTを活用することによって、子どもの特性に応じた指導の在り方を通常の授業や特別支援学校で追求していることがあげられます。
そして、経験のある教員の授業力が、ICTを使うことで一段と高まっていることがわかりました。また、若手教員の授業力不足をICTが補っていることもわかります。
日本の授業研究はレッスンスタディとして、世界に注目されています。日本の授業研究といわれるものが、いかに校内の先生方の力量を高め、授業改善に役立っているということを世界が認めているということです。本日、みなさんから実践研究を聞かせていただいたことで、さまざまな成果が生まれていて、ICTを活用した授業実践というものが、世界に誇れるモデルになりうるということを確認できました。
成果報告会の最後に、助成を受けた学校の先生方と専門委員の先生方がなごやかに意見交換を行う「情報交流会」が開かれました。この会の中では、先生方との交流だけでなく、助成校の先生同士の学校の垣根を越えた交流が行われている様子が見られました。さらに、成果報告会を参観していた第40回の特別研究指定校の先生方から、成果報告・中間報告の感想と、自校の実践研究についての決意を述べてもらいましたので一部ご紹介します。
2年後に成果を残こします
論理的思考力を育成することを目的にシンキングツールという道具を使った学習を推進しています。シンキングツールについては、すでに取り組まれている先輩校がありますので、いろいろと教えていただきながら、2年後に成果を残せるように頑張りたいと思っています。
明確なビジョンを持つことが大切
今日の発表を見せていただいて、どの学校も児童・生徒のことを考えながら、こんな風にしていきたいという明確なビジョンを持って取り組んでいることがわかり、勉強になりました。本校は、校長のリーダーシップが強いのですが、現場も負けないくらい頑張っていきたいと意気込んでいます。
「継続」という言葉が印象的
今日の報告を伺っていた中で、一番心に残っているのは、「継続」という言葉です。継続というものは、必然性がないとできません。本校の研究テーマは、情報モラルですが、今こそ取り組まなくてはならない課題ですので、他校へ成果を広げられるように取り組みたいと思います。
学校力の向上を目指します
本校はベテラン、若手、みんなが協力して、学校を作っていくために、OJTをテーマに研究をしています。1年後は、発表を聞く立場ではなく、逆の立場となるため、プレッシャーがありますが、学校力を上げていけるように一丸となっていきたいと、今日、改めて思いました。