解説と講評 |
||||||||||||||||||||||||
コメント:和歌山大学 准教授 豊田充崇 先生 |
||||||||||||||||||||||||
11月某日、ほぼ「抜き打ち状態」で、授業中の全教室を参観させて頂きました。そこで見えてきたバリエーション豊かなICT活用の場面をいくつかまとめてみたいと思います。 北六甲台小学校:
上記は、わずか1時限分を巡回した結果をまとめたものであり、同時並行におこなわれています。とにかく、全教室でICT活用が実施されており、基本的な操作とその効果的な活用場面については既に全教員に浸透しているといえるでしょう。 印象的なのは、児童らのICT機器そのものに関する「物珍しさ」については完全に通り過ぎており、むしろ、そこに映し出される教材の内容に目が行っていたことです。 初期のころは、アニメーション効果など、内容ではなく機能に注目が集まっていましたが、今では黒板と同様に、あるべくしてあるものだという感覚を持っていたように思います。 OHCやデジタル教科書の活用はもとより、その場でのネット検索結果を表示したり、児童の発表手段としても利用するなど、各種の有効活用場面が見て取れました。 こういったことが短期間に実現可能になった要因はいくつか挙げられますが、以下のような点は見逃せません。
また、当然ながら、先生方の意識の高さ(少しでも児童のためになるなら労苦は厭わない)をはじめ、コアになる情報担当者の働きや校長のリーダーシップなど人的要因も整っていると考えられます。 それにしても、注目されるのはその改革のスピード感です。よく企業コンサルタント雑誌の見出しなどには「改革にはスピードが必要」などと書かれていることがありますが、教育現場にはそのような理論は通用しないと思っていました。 しかし、北六甲台小学校のICT活用は、まさに「急速なスピードで進展した」といえるでしょう。 さて、現在の状況を大雑把にまとめると、以下のようなことが起こっているといえます。
今後は、一通りやってきた中で、「授業改善」そして「学力向上」の目的をじっくりと見据えた取り組みとしての評価が問われていくことになるでしょう。これからの取り組みにも期待がかかります。 |
||||||||||||||||||||||||