解説と講評 |
コメント:関西大学 教授 黒上晴夫 先生 |
毎月1回の授業研究会については順調に開催されている。可能なかぎり参加しているが,古典,スポーツ概論,日本史,数学,英語,化学などでまんべんなくICT活用に挑んでいる姿は,とても好感が持てる。また,参加する度に残してくるコメントを真摯に検討して,なんとか改善の方向性を探る姿勢も高く評価したい。このような授業研に参加していると,こちらサイドでも新しい視点やアイデアをもつことになるので大変ありがたい。 ICT活用の方法については,投影した映像に書き込みをする意味での,「デジタルとアナログの融合」について,知見が貯まってきている。このような工夫の適用場面を,他の領域や教科で見つけ,共有していくことが望まれる。 これまでに指摘した検討事項としては,次のことがある
2の思考場面については,この学校で進められているワークシートの使い方にもう一工夫必要である。つまり,投影する情報を書き込むだけの学習を超えて,授業全体を再構成しながらまとめることを求めるようなワークシートの在り方である。これによって,生徒が自発的に授業に参加し,自分の理解として学習内容をまとめることにつながるのではないかと思われる。その意味で,3で示した,ICT活用授業以外の授業場面とどのような連続性がもたれているのかが問われる。そこまで含めて,学習そのもののデザインをすることが必要となると思われる。 今後の課題としては,研究に熱心に関わる教員グループと,その他の教員との間の意思疎通を少し見える形にする方策を検討することである。授業研にかかる授業は一種のモデルであって,それだけで終わると研究の広がりはない。そこで示した授業を,他の教員も同じようにやってみて振り返るプロセスを具体的に設定することも考えたい。 【 乙訓高等学校の実践を自校に活かすために 】
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