実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第37回特別研究指定校(活動期間:平成23〜24年)

京都府立乙訓高等学校の活動報告/平成24年度8月〜12月
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セールスポイント

(1)引き続き「拡げる」を合い言葉に、実践者を確実に増加させ、実践事例の積み上
   げを行う。
(2)11月に行う「研究発表週間」を成功させる。
(3)iPadを使用した実践事例に取り組む。
(4)毎月1回の公開授業に引き続き取組み、幅広い層からの参加者を得る。
(5)「研究発表週間」等を通じて小学校・中学校との連携を深める。

実践経過

9月13日(木) 黒上先生(本校アドバイザー・関西大学)を講師に、これまでの実践についての成果と課題について研修会を実施。
(参加者30名)
研究チーム打ち合わせ会開催
9月18日(火) ICT活用ニュースVol.7発行
9月25日(火) 公開授業 スポーツV iPadを使用した剣道の授業を公開。
(参加者24名)
9月27日(木) 公開授業 数学A・国語総合(小学校教員向け研修)
(参加者10名)
10月11日(木) 研究チーム打ち合わせ会開催
10月26日(金) 公開授業 生物・化学基礎(参加者8名)
11月7日(水) 研究チーム打ち合わせ会開催
11月12日(月)〜16日(金) 「研究発表週間」開催(外部よりのべ120名参加)
64のICT活用授業を公開
16日に堀田先生(本校アドバイザー・園田学園女子大学)による講演を実施。
11月16日(金) 長岡第二中学校で出前授業実施(政治経済のICT活用授業)
11月19日(月) ICT活用ニュースVol.8発行
11月28日(水) 「平成24年度文部科学省委託国内のICT教育活用好事例の収集・普及・促進に関する調査研究 研究発表会大阪」ポスターセッション発表
12月15日(土) 国立舞鶴工業高等専門学校と共催で小学生を対象にiPadを使用したプログラミング講習会を実施(小学生38名参加)
 

成果と課題

  1. 11月の「研究発表週間」に他府県も含め多くの参加者があり、成功裏に終えることができた。
  2. 「研究発表週間」では、初めて公開授業に取り組む教員が7名あり、実践者を拡げることができた。
  3. 「研究発表週間」に向け、ポスターや紹介動画を制作することによって、本校の実践についてのまとめを行うことができた。
  4. iPadを使用した実践に初めて取り組むことができ、新たな活用法を模索するきっかけを得ることができた。
  5. 「平成24年度文部科学省委託国内のICT教育活用好事例の収集・普及・促進に関する調査研究 研究発表会大阪」で、ポスターセッション発表を行い本校の実践を関係者に発信することができ、その後問い合わせ等をいただいた。
  6. 小中学校との連携に関して、小学校とは初めて研修会を持つことができたが、中学校とは単発の出前授業を行ったのみで依然課題となっている。
  7. 研究テーマの柱の一つである、「ICT活用と学力向上の相関」については、研究を深めることができていない。
 

裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  1. 11月12日(月)〜16日(金)の「研究発表週間」で、全時間公開授業を行うことができたこと。(64の授業を公開)
  2. 若手国語科教員2名が公開授業にチャレンジし、ICT活用の利点を学んでくれたこと。
  3. 「研究発表週間」やポスターセッション発表に向け、担当者が苦心の実践紹介動画を制作してくれたこと。
  4. 保健体育科で、iPadを使った実践に積極的に取り組んでくれたこと。
 

解説と講評

コメント:園田学園女子大学 教授 堀田博史 先生

乙訓高等学校では,11月12日(月)から16日(金)の1週間を「研究発表週間」と
して,64のICT活用した授業を外部公開しました。のべ120名の参加があり,若
手国語科教員2名を含む7名が新たに授業公開しました。この取り組みより,
ほとんどの教員が日常的にICT活用していることが安易に想像できます。長期
間にわたり教科に偏ることなく,多くの教員が授業公開することは,他の高等
学校ではほとんど例をみないでしょう。
1週間の「研究発表週間」を実施することで,学校や教員は参加者から多くの
意見を得ることができます。これらを3学期に繋げる振り返りも「研究発表週
間」のまとめとして,大切になります。

教員だけではなく生徒もICT活用する場面があります。
乙訓高等学校の生徒は,小学校や中学校との連携で出前授業を行っています。
教員が日常的にICT活用する授業実践の積み重ねが生徒にも伝わり,よいモデ
ルとなります。結果,生徒の情報スキルアップに繋がっています。

乙訓高等学校では,研究指定を受けはじめて2年半の積み重ねが,様々な取り
組みを展開することに役立っています。学内にとどまらず,学外への情報発信
(授業公開・冊子「ICT活用ニュース」の発行・研究会での発表)が,乙訓高
等学校のICT活用の振り返りを促し,さらなる授業工夫に繋がっているのです。

今後,継続してICT活用の工夫が行える体制が必要です。また,学校全体でICT
活用する高等学校の事例として,学力向上との関係を説明できると,さらに他
校から注目を寄せられることでしょう。

 
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