実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第38回特別研究指定校(活動期間:平成24〜25年)

高槻市立芝谷中学校の活動報告/平成23年度4月〜7月
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実践経過
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成果と課題
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研究推進委員会の立ち上げ

教科会議の充実(まずは数学から)

PDCAサイクルに沿ったワークショップ型研修実施を目指す

希望者対象のICT活用に関する「i-work」研修の実施

実践経過

4月

研究推進委員会の立ち上げ

第1回 研究推進委員会
2年間の研究指定の内容の確認

第2回 研究推進委員会 
関西大学黒上教授をお招きし支援のねらいについてのお話等。
公開授業を担当する学年・教員の検討


 
5月

第3回 研究 推進委員会
H24年度研究授業6回の確認
大学の具体的な支援について

教科会議の充実
英語・数学・社会の三教科の教科会議の中で単元指導案の検討を始める


6月

(1) 6月15日(金) 第1回i-workの開催
第1回テーマ「大きく写す」 ― 何のために写すのか? ―

  1. 例示、実演をする:教員の手元を映す。モデルやサンプルを映すため。
    実験や実技の際に利用することが多い。
  2. 共通認識を持たせる:教員が示しているものと同じものを見せるため。教科書を映す、プリントを映すことが多い。
  3. 焦点化、細部を見せる=生徒に着目させたい部分を大きく写すため。
    実物の細部を見せることが多い。理科で有効。
  4. 振り返らせる=黒板の板書、生徒のノートを映すため
    前時までに何をしたのかを確認するために利用する。

(2) 6月16日(土) Open School(土曜参観)
昨日実施した第1回i-work を受けてOpen SchoolでのICT活用

(3) 6月22日(金)
西宮市立北六甲台小学校研究発表会に校内から3名参加
教員が子どものつぶやきに注意深く耳を傾け授業を展開している点など得るべき内容が多かった。

(4) 6月27日(水)音楽校内研究授業の実施
全職員が1つの教科の授業を参観する
授業観察シートを参考にリアルタイムで良かった点、改善点を付箋で書き、研究協議は5〜6人を1つの班として、K-J法を使いカテゴリー分けをし、グループで音楽授業について話し合う。その後、全体で班ごとに発表する。


7月

 

(1) 数学公開研究授業の実施
<研究授業に向けて教科会議で取り組んだ内容>
2年数学 2章 連立方程式の活用
この単元で

  1. 生徒につけたい力
    基礎コース:基本的な文章題を解くことができる。
    標準・発展コース:問題作りを通して文章題を理解することができる。
  2. 授業で大切にすること
    基礎コース:生徒が理解しやすい工夫をする。
    標準・発展コース:生徒が自由な発想で問題作りができるよう支援する。
  3. 取り入れたい活動
    基礎コース:絵を文字に変え、立式させる。
    個人で考えたあとペアー活動を通して表現する力をつける
    標準・発展コース:グループで活動する。問題作りを協力して行う。
  4. 使用する教材
    基礎コース:PowerPointを使い「絵→文字→式」を視覚的にわかりやすくする
    標準・発展コース:A4サイズの用紙に問題を作成し、隣の班へ回す。回 ってきた問題用紙を解答した後、発表する際に書画カメラを用いる。

(2) 第2回i-workの開催
iPadの配布
目的:授業でiPadを活用する
内容:校内LANに関わるタブレット端末等校内使用規定
アプリのダウンロード
Wi-fiの接続方法
iPadの使い方

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成果と課題

<成果>

  1. ICT活用に関する関心が若手の教員を中心に広がる
  2. 今まで教科会議は事務連絡や進度、テストの打ち合わせが中心となっていたが、授業の中身について話合うきっかけができてきた。
  3. 希望者対象のICT研修では予想より多くの教員方が集まった。
  4. つの教科を全員で参観する研究授業を2回実施できた。

<課題>

  1. 教科、教員により温度差があり、全体にモチベーションを上げることが必要
  2. iPadの利用希望者が導入予定の15台を超え調整が必要
  3. ICTを使うことが優先され、基本となる授業設計がおろそかになる時もあった。
  4. 数学研究授業後の教員アンケート(課題を中心に掲載しました。)より
  • 授業に関して
    ICTをどこで使うと効果的なのか検討が必要。生徒が説明するときノートを読むのではなく説明できるようにする。
  • 講演会(パネルデスカッション)に関して
    テーマ性、進行のコンテ共に事前の準備、打合せにもう少し時間が必要ではないか。
  • 運営に関して
    全体で動けるような時系列で動きを示したものが必要
  • その他
    やはりチームでやりたいものです。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

  • 研究指定に対する教員の温度差がある。

  • 機材の設置、準備に時間がかかるため、利用したいが躊躇する教科がある。

  • i-work研修では関心のある教員が参加された。

  • 夏季校内研修会ではapple本部から山本さんを講師にお招きし、apple社の教育への取組や全国での実践事例の紹介、iPadハンズオン講座を開催する予定。現在他校からの参加希望者あり。

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アドバイザーコメント

長崎大学 准教授 寺嶋浩介 先生

■ 2つの取り組みを通しての学校研究の活性化

 中学校において授業実践やICT活用について学校ぐるみで取り組むのは,小学校と比較し,はるかに難しい。その大きな要因のひとつに教科担任制があるのは間違いない。同校では,この課題に対し,2つに取り組んでいる。
ひとつは「教科会議の充実」である。連絡調整で終わりがちな教科内教員の会議において,PDCAサイクルに基づいた授業研究を試みている。7月の授業研究会においては,教科会議の議論を通して作り上げられた数学の授業を2名の若手教員が公開した。今後,反省に基いて再設計された授業を別の教員がやってみるなどの工夫が求められよう。また,この取り組みを早いうちに他の教科集団にも拡大していく必要があろう。
もうひとつはi-workと名付けられたタブレット端末の利用に関する,希望者を対象とした研究会がある。ここでは,地元関西大学大学院総合情報学研究科の大学院生らが機器の利用や実践事例の紹介などのサポートを行っている。

両者の取り組みに共通するのは,ベテラン教員と若手教員のコミュニケーションをこれまでよりいっそう充実させることで,学校としての組織力を高めることにある。教科会議においては,ベテラン教員の暗黙知を協同的な授業設計や議論を通して若手教員に伝えていく。逆にi-workではICT活用に長けた若手教員の発想により,ベテラン教員が刺激され,授業のレパートリーが広がることが期待される。これらの取り組みは,同校の学校研究を支える基盤となろう。

■ ICTを活用した活用型授業

 同校の授業研究テーマは,ICT活用と活用型授業がキーワードとなっている。先に述べた授業公開ではこのテーマに基づいて,連立方程式に関する2つの習熟度別のクラスが公開された。それをもとに特徴をまとめると,

  1. 両者の授業ともICTを活用して情報を提示することで,授業の導入が素早かった。活用型授業とは直接関連せず,むしろ習得型授業での留意点であるが,まずこれができていなければ,活動や思考に充分な時間を割くことができないことを考えると,まず最低条件となろう。
  2. 活用型授業といえど,その授業の型は大きく二通りに分かれる。ひとつは習得した知識を実際に活用しながら定着させていく習得型の学習にかなり近いものと,習得した知識を応用的に深めていくようなものがあるだろう。先日は前者が基礎コース,後者が標準・応用コースで展開されていた。そこでは生徒の発表においてICTが活用され,彼らが説明や情報提示を工夫できるようになっていくこと,生徒どうしの学び合いの中で,今後タブレット端末を活用してくことなどが期待されるだろう。

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