■ 授業見学、検討会に参加して
これまで二回福岡県立戸畑高校の授業見学をさせてもらった。きれいな廊下、掲示物、学校のもつ雰囲気そのものが質の高い教育を体現しているように感じた。また「応援団」の演武の見事さなど「伝統」やこの学校の文化を感じることができた。
共通のコンテンツ活用
どのクラスいっても同じ教科で同じデジタルコンテンツが使われていた。これまでこのような「共有」は海外で見ることができたが、「人のものをあまり使わない」日本の学校文化ではあまり見られなかった事例である。教材を共有できるのがデジタルコンテンツのよさであり、ネットワーク、USBを介して利用していた。
コンテンツデザインが共通であることから、指導内容が、教員経験によって大きく変わることなく、「単元の目標」など必要最小限の事柄は達成できていた。
若手の教員にとっては「デジタルコンテンツ」の活用を通して、「先輩の指導」に学ぶことができ、学校全体で取り組む良さがここにあるように思えた。
顔の向き、思考ノイズ
投影された「グラフや概念図」、生徒にとっては集中して課題にとり組む時の「よりどころ」となる。これまでの「線を引いたり、図を探したり、目線を教科書に目を移す」などの思考を止める「ノイズ」が軽減される特徴が感じられた。
学習者の思考の流れ、授業での獲得目標を意識した授業となっていた。
デジタルコンテンツがリズムよく授業展開を行ためのポイントとして使われていた。
作業ノートとの連携
数学など、理解し、考えを定着する作業のため「ワークシート」が準備されていた。デジタルコンテンツの活用に連動したワークシートデザイン、授業時間配分、授業デザインなどこの学校から多くのモデルが出されると思われた。
振り返り
デジタルコンテンツの活用により、ある程度まとまった期間の復習が効果的に達成できている。デジタルコンテンツはまさに基本情報であり、限られた時間の復習には「同じデザイン」での提示が復習には効果的である。
授業検討会
7月の訪問時には、授業後の検討会に参加させてもらった。授業者が、お互い授業にコメントを加え、生徒の目線からコメントされていた。一人の実践が、デジタルコンテンツのヒントして共有されていた。コラボレーションが新しい指導方法を生んでおり、またその検証がさらに質的な高まりを生んでいる。Plan Do See Check and Tryがコンテンツ活用という具体的な対象の中で実践され、改善されている。全校で取り組む良さがここにある。