■ 福岡県立戸畑高等学校の先進性
1 ICT活用力は学力である
この2年間の展開を参観させていただいた。派手ではないが、時間の経過の中で確実にICTが授業の中に浸透していった。
問題把握・・数学や英語など、何がその授業で問われているのか明確に把握できる。
問題解決・・焦点化された情報=提示画面によって集中して取り組むことができる
転移・・・・これまでの関連事項が即座に取り出せる
2年間のどの教室でも展開された、先生の発問、プロジェクタ、コンピュータが見事に授業の質を高めていた。
2 聞くから 考える そして発話へ
先生が生徒の顔を見ながら授業を進める。その中で生徒とのインタラクションの高まりがあり、ICT教材の提示を通して、より深く考えさせることができていた。授業への集中度の高まりである。今後の方向として、「英語プレゼンテーション」などが掲げられていた。
聞くだけから、考え、発信する。言葉を変えるなら情報の受信、理解、関連付け、コミュニケーションのデザイン、発話へとICTの特性を生かし、授業そのものが大きく変わりつつある。
3 学校の体制
ICT教材の整備は、先生の取り組みの成果である。目に見える「授業改善」であり、願いの実現である。400にもなる教材はネットワ―クで共有され教室でその「知見」は活用される。このような体制はまさに「学校力」である。世界の学校を見てきたが東洋的な良さ、創意工夫が見事に花開いたように思われる。
4 今後に向けて
教育機関として小中高大と4つのステージがある。高校の時代ICTに触れる機会を得ることによって、自宅でもネットワークを介して復習予習も進むことと思う。何よりも学習時間が拡大する。その中で「変わる」ことのできる自分との出会いがあるであろう。
一人1台のPCで学ぶ機会が家庭、学校でもたらされる日もやってくる。
どのようにICTと付き合えば主体的な学びが起こり、生涯に渡るICT活用力=学力を身に着けていけるのか、その大きな方向性をこの戸畑高校で生徒たちは身に着けたのだと思う。