実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第39回特別研究指定校(活動期間:平成25~26年)

福岡教育大学附属久留米小学校/平成26年度4~7月

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研究課題と成果目標
研究課題と成果目標

取組内容
取組内容

裏話
裏話

成果
成果

今後の課題
今後の課題

公開研究会の計画
公開研究会の計画

アドバイザーコメント
必見! アドバイザーコメント

 

研究課題と成果目標

 

[研究課題]

  1. 情報編集力を働かせて各教科等の内容をしっかりと捉えることができるようにするために,各教科等の特質に応じた学習過程を明らかにする。
  2. 各教科等において豊かな学びを創造することができるようにするために,協働的に学び合う活動や言語活動の在り方を明らかにする。
  3. 各教科等の特質に応じたICT機器の活用の在り方を明らかにする。→教師や子どもがICT機器を活用することができるように,機器の充実(種類や台数)や技能の向上を図る。【情報科B領域】
  4. 情報モラルに関する指導を効果的に行う必要がある。【情報科C領域】

[成果目標]

◆(1)(2)に関して,学習過程や活動の在り方を各教科等ごとに,パターン化する。
◆(3)に関して,ICT機器を用いる頻度や質を高める。
◆(4)に関しては,情報モラルのカリキュラムを作成するとともに,実践する。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

 
4月

(1)(2)《授業づくり公開授業研究会に向けた準備》

  • 研究会における公開授業の授業づくりを通して,各教科等の本質的な学びや学び方を明らかにした。
  • ※【内容分析→教材化→単元(題材)構成→学習指導過程→具体的な活動→教師の支援】
    ※各教科等の本質的な学びを明確にすることが,「情報編集力をどのように働かせたらいいのか」といった各教科等と情報編集力との関連を明らかにしていく上で有効であると考えた。

  • 本校の研究の積み重ねから,「協働的に学び合う活動」や「言語活動」を各教科等の特質に応じた位置付け方を確認することができた。

(3)《ICT機器の授業での活用の推進》

  • 4月に本校に赴任してきた先生方に情報教育部がICT機器の使い方の研修を行い,少しでも日常的な授業の中で使用することができるような状況を作った。
    【実物投影機や電子黒板を使った提示方法,タブレットPCを用いた学び合い学習】

(4)情報モラルでの指導内容や指導方法に関する昨年度までの取り組みについての共通理解を図るために,学年間で日常的な授業実践の進め方を確認するようにした。また,情報科に関する研修や情報教育全般に関する研修を組織的に進めることができるようにするために,役割を明確にして推進役の教師を中心に研修が進められる組織を編成した。

◆アドバイザー(宮崎大学 新地辰朗先生)の助言

(1)情報編集力の概念規定【必要な情報を選択する力】と【情報を組み合わせる力】と活動構成の要素となる活動【つくる,えらぶ,みなおす活動】との整合性や関連を明確にすること。

→→

情報編集力には『必要な情報であるかどうか判断して,選び出す力。』と『組み合わせ方を考えることができる力』が必要である。情報編集力の概念規定を再考したり,授業実践から構想を見直したりすること。

(2)【つくる,えらぶ,みなおす活動】を組み合わせた活動構成は,単元の中に何度も繰り返して位置付けたり,一単位時間においても位置付けたりすることも可能になってくるので,各教科等で活動構成の位置付け方について共通理解が図れるように構想を整理する必要がある。

→→

基本的に単元(題材)学習を行う場合には,一単位時間ではなく単元の中にいくつかの学習のまとまり(ねらいが同質になるまとまり)の中に一サイクルの活動構成を位置付けることができる。一方で,一単位時間が基本的な学習過程になる領域に関しては,一単位時間の中でいくつかのサイクルを位置付けることができると考える。つまり,各教科等の学習の特質に応じた活動構成をすることとする。
5月

福岡教育大学附属久留米小学校活動報告イメージ1

(1)(2)《授業づくり公開研究会・新任研修会》

  • 4月と同じように各教科等の本質的な学びを中心に研修を行った。特に,一単位時間における基本的な学習の仕組み方についての研修を深めた。その中で,認識教科,表現教科,体験的な教科,領域など,教育課程における全体像が少し明らかになってきた。

(3)《教師が提示するためのICT機器の活用》

  • 教師が事象を提示する際,拡大したり焦点化したりすることができるように実物投影機やタブレット(映像機能)を活用して,日常的に授業の中に取り入れることができるようにしていった。
  • 単に教科書や資料などを提示するだけでなく,考えを表した子どものノートを提示したり,子どもが表現している過程を提示しながら説明させたりする上で有効であった。一単位時間ずっと活用するわけではなく,活用させることができる活動や場面があることが分かってきた。

福岡教育大学附属久留米小学校活動報告イメージ2

6月・7月

(3)《子どもにICTを活用させる場面》

  • 『子ども同士が説明し合うためのICTの活用』『子どもが情報収集するためのICTの活用』『子どもが吟味するための活用』といった大きく分けて三つの活用の仕方が有効であることがわかってきた。これまでにも活用してきた方法かもしれないが,活動の目的に応じて適切に活用することができる場面であることがわかった。

(4)《情報科に関する研修》

  • 重点的に研修として実施した。
  • 高学年のA領域(CC-2)に関する指導の在り方を明確にすることができていない。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 
  • 新年度が始まり,10名の先生方が新しく本校に来られた。これまでにICTを用いた授業したことのある経験には差があった。
  • 4月は,(正直にいうと)昨年度情報教育をはじめた頃にもどったように感じた。しかし,新しく赴任された先生も一生懸命これまでの研究を理解し,ICTの効果を授業に生かすように取り組んで頂いた。その姿がとてもうれしかった。
  • ネットワークを活用した学び合い活動をタブレットを用いて実施していった。6月・7月には1回は普段の授業で活用するように呼びかけた。
  • 組織的に活用を推進していくことができたことが一番うれしかったことである。組織的であり,継続的な取り組みに今後もなるように心掛けていきたい。

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成果

 

○ICTの活用が広がったり深まったりしてきた。

  • 教師の活用から子どもの活用へ,そして提示するだけの活用から,説明し合ったり,調べたり吟味したりするための活用へ広がりや深まりが見られるようになってきた。
  • タブレットPC(ネットワーク)を用いた学び合い活動を取り入れた授業の頻度が少しずつあがってきた。

○情報科に関する今後の方向性(成果と課題)が明らかになり,課題を克服するための方策も見えてきた。

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今後の課題

 

●教科の特質にあったICTの活用の仕方を明らかにする。

  • 段階ごとに,使用する機器や使用する目的や方法を明らかにしていく。
  • 学び合い活動におけるICT機器の活用を更に広げていく。

●日常的な子どものICT活用を図れるように,使用する場所や時間など工夫する。

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公開研究会の計画

 

○公開研究会の研修

平成26年6月5日(木),7日(金)授業づくり公開研究会

●今後の計画

平成27年2月9日(月),10日(火)本校研究発表会

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アドバイザーコメント

宮崎大学大学院 教育学研究科 教授 新地 辰朗 先生

 

本年度は,前年度の活動で捉えた効果的ICT活用の"手がかり"をヒントに,特別研究指定校としての研究課題と関連付けながら,本校のICT活用全体を,整理・説明することが期待されます。あわせて,新設教科「情報科」との相乗による効果の有無も興味深いポイントとなります。

4月の授業参観では,それぞれのICT活用において,教師の意図や工夫を説明いただきました。また,今回の活動報告でも,教師による提示,子どもによる情報収集・説明・吟味等に,ICT活用を分類されています。

今後,本校でのICT活用と,研究課題のキーワードである「情報編集力」や"情報編集力を構成する力"等との関連について,全職員で協議・共有しながら,魅力ある教育実践を展開されることを願います。

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