実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第39回特別研究指定校(活動期間:平成25~26年)

世羅町立世羅西中学校/平成25年度1~3月

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実践経過
実践経過

成果と課題
成果と課題

成果と課題
裏話

2年間の実践を終えた感想
1年間の実践を終えた感想

次年度の展望・目標
次年度の展望・目標

アドバイザーコメント
必見! アドバイザーコメント

 

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世羅西中学校
  • ICT活用にむけた相談体制により,教職員のICTスキルアップと授業での活用頻度の高まり
  • 本校独自の「学習スタイルチェックシート」による優位感覚分析の進展
  • 検証授業の実施により,来年度への研究の方向性が明確になったこと

実践経過

 
1月6日
職員研修
  • 第2回訪問指導でのアドバイスの確認
  • 優位感覚タイプに応じた支援の在り方の検討
  • 優位感覚チェックシートの項目の作成
1月31日
先進校視察(広島市立藤の木小学校:フューチャースクール推進事業指定校)
  • 学習者用デジタル教科書を活用した授業
2月13日
第3回訪問指導(ICTを活用した3つの授業提案)
  • ICT活用の3段階について
     第1段階 … とにかく使っていく段階
     第2段階 … どういうときに,どんなふうに使うかを考える段階
     第3段階 … どういう子どもに使うかを考える段階
    ⇒世羅西中のテーマは,第3段階を目指しているところに意義がある
  • 指導案の工夫について(明記することでの価値)
       「優位感覚タイプに基づいたICTの効果的な活用」
         ⇒手立ての整理集ができる。他校でも活用できる。
       「特に支援をしようとする生徒」
         ⇒子どもの特性に応じた支援をし,それを検証できる。
  • 再生刺激法について
     本研究の意図することを検証する方法としてふさわしい。

世羅西中学校の活動報告イメージ1

世羅西中学校の活動報告イメージ2

世羅西中学校の活動報告イメージ3

世羅西中学校の活動報告イメージ4

 

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成果と課題

 

<成果>

授業中にICTを活用して指導する能力

ICT機器を使って授業をどのくらいしているか

ICT機器を使って授業をどのくらいしているか

  1. 本期間に定期的なICT校内研修を実施していないが,ICT活用にむけて気軽に相談できる体制が整っているので,教職員のICTスキルが格段に向上してきている。その結果,ICT機器を活用した授業の割合も増えてきている。
  2. 実践事例集の形式も改善し,その様式にしたがって実践事例集の蓄積が進んできた。
  3. 2学期に実施した「学習スタイルチェックシート」によって,ターゲットパーソンを設定し,検証授業(数学科第1学年 作図)を試みた。検証の結果,視覚優位の生徒はICT機器を使って視覚情報を効果的に与えられることで,作図の理解が進むということが分かった。また,このことによって,ICT活用の有効性だけでなく,「学習スタイルチェックシート」の妥当性も保証される結果となった。

<課題>

  1. 検証授業の検証方法を再検討する必要がある。「正答率」「成果物」「ふりかえりの記述」「アンケートによる理解度」などから検証を試みたが,今後は吉崎先生にアドバイスしていただいた「再生刺激法」も活用しながら,子どもの特性に応じたICT活用について検証していきたい。
  2. 「学習スタイルチェックシート」の項目の改善を教職員全員で行った。改良版ができたので,新年度実施し,2年目の研究にいかしていきたい。

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 
  • 1回の事前訪問,3回の訪問指導を通して,全教職員がICT機器を使って授業を提案することができた。中には,授業提案することをきっかけにICT活用能力が飛躍的に向上した教員もいる。今では,日常的に授業の中でICT機器が活用されている。
  • 2学期に実施した「学習スタイルチェックシート」による優位感覚タイプの分析は,生徒の実態と驚くほど一致する結果となった。検証授業においても,「視覚優位者には視覚情報が効果的である」「聴覚優位者には視覚情報も有効だが,聴覚情報で十分である」といったことが分かった。さらに,改良版ができたので,2年目の研究に期待ができる。

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1年間の実践を終えての感想

 

本研究のテーマは,効果的なICT活用を目指すだけでなく,子どもの特性(優位感覚)に応じたICT活用を目指したものであり,先行研究がほとんどない状況での1年目のスタートであった。ICT環境も,ほぼ前年度の一般助成によるものしかない状態であり,環境整備も進めながらの1年間であった。自主参加のICT校内研修を10数回実施したり,相談体制を整えたりといった取り組みにより,教職員のICTスキルは1年前より格段に向上し,授業における活用も増えた。

また,「学習スタイルチェックシート」を教職員全員で作成し,それをもとにターゲットパーソンを設定し,検証授業を実施することができた。今後は,改良版をもとにさらに精度を上げること,検証を進めていく。

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次年度への思い

 

1年目のICT環境整備,ノウハウの蓄積をもとに,来年度教職員が多少変わったとしても研究を積み重ねていきたい。また,本校が独自に作成した「学習スタイルチェックシート」も改良を重ね,それをもとに子どもの特性(優位感覚)に応じた効果的なICT活用を開発していく。そして,それらを実践事例集としてまとめ,本研究の成果を広く発信していきたい。

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アドバイザーコメント

日本女子大学 教授 吉崎 静夫 先生

 

■評価できる点

  1. 2月の訪問指導の際に私が指摘した「ICT活用の3段階」の意味を十分に理解して実践研究している姿がみられた。ちなみに、3段階とは「とにかくICTを使っていく段階(第1段階)」「どういう授業場面で、どのようにICTを効果的に使うかを考える段階(第2段階)」「どういう子どもにどのようにICTを使うかを考える段階(第3段階)」のようなICT活用を意味する。本校の研究は、第3段階までを実践研究の視野に入れていることに大きな意義がある。
  2. 指導案に工夫がみられる。つまり、どのような授業場面で、どの生徒(優位感覚タイプにもとづいたターゲット生徒)を意識して、どのようにICTを活用するのかが明瞭に示された指導案となっている。この指導案は、他校の先生方にとっても大いに参考になる。
  3. 本校が独自に作成した「優位感覚タイプを同定するための学習スタイルチェックシート」の項目を教職員全員で何度も検討しながら、改良している。固定したものと考えずに、改良を続けることが大切である。

■今後の課題

  1. できるだけ早く、再生刺激法を適用して、ICTを活用した授業場面での生徒(特に、ターゲット生徒)の内面過程(認知・ 情意過程)を把握する必要がある。
  2. 「生徒の特性に応じたICT活用」の実践事例を積み重ねて、他校の先生方にその成果を発信するとともに、評価を受ける必要がある。

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