・大阪府立東百舌鳥高等学校 /平成27年度4-7月期 |
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研究課題と成果目標 |
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[研究課題] ICTを活用したアクティブラーニングの実践と評価 [成果目標]
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本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応 |
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[取り組み内容] ①ICTを活用した、生徒の主体的な学習意欲に応じて授業を展開できる教室、 4月にALRを完成させることができました。今後すこしずつ実践を通して教室の仕様は改善していく予定です。中規模の教室をベースとして、生徒が活動しやすいように絨毯仕様にしています。稼働式の机と椅子を22セット導入して、授業の展開に応じて教室環境を変化させることできるように工夫しました。選択授業など、中規模の人数で行う授業を対象としています。 (写真1〜2枚目参照)②「マルチメディア」、「政治経済」、「日本史演習」の授業において、アクティブラーニングの実践を行う 4月に完成したALRにて「マルチメディア」の授業を1学期間(計20回)行いました。生徒が主体となり行う「オリジナルショートムービーの作成」では、各チームがテーマに沿ったコンセプト、伝えたいメッセージを考え、効果的に伝えるための方法を考えながらiPadでの撮影・編集に挑みました。(写真3枚目参照) ③e-Portfolioに生徒の学習履歴を蓄積していくことで、アクティブラーニングの評価に活用する 現在e-Portfolio導入のためのサーバを設定している最中です。そのため、まずはアナログデータで生徒の学習記録を蓄積していく「学びのポートフォリオ」を作成し、毎授業、授業の最後に「今日の授業で自分が何を学んだか」の記述をさせています。 ④アクティブラーニングを推進する組織「Total Plan委員会(TP)」を組織する 様々な教科の教員が集まり、20名程度の組織を作りました。4月から会議はすでに14回行い、アクティブラーニングを促進していくための方向性となる、「生徒に身につけさせたい力」と「アクティブラーニングの定義」について話し合いをしました。「生徒に身につけさせたい力」としては、「自他敬愛・自他幸福のこころで主体的に学ぶ力をもった生徒を育成する」という目的を、「アクティブラーニングの定義」については、「教員が目標を明確にした上でその達成のために、生徒が主体となり考える練習をする時間をつくること」と定義をしました。2学期からは、まずTPのメンバーがアクティブラーニングの実践を行い、他の教員に示すモデルケースとして実践を蓄積していきます。 ⑤ICTを活用したアクティブラーニングの実践方法・評価方法についての研修を行う 5月から各月に一度、研修を行い、ICT活用やアクティブラーニングについての理解を深めるための研修を行いました。参加者は合計で60名にのぼりました。 アドバイザーの助言と助言への対応 ①東百舌鳥高校の「アクティブラーニング」の定義と「生徒に身につけさせたい力」の定義と全教員での共有 ⇒TP委員会で作ったたたき台をもとに、職員会議にて教職員全員でブレインストーミングをしました。その結果「自他敬愛・自他幸福のこころで主体的に学ぶ力をもった生徒を育成する」という目的をたてました。また、アクティブラーニングについては「教員が目標を明確にした上でその達成のために、生徒が主体となり考える練習をする時間をつくること」として定義しました。今後職員会議にて共有し、全教員で理解を深めていきます。 ②e-Portfolioとして利用するLMS、MoodleとMaharaの稼働と生徒だけでなく教員間での利用を促進する ⇒現在Moodleサーバを学校に設置し、Moodle上に先生たちのアクティブラーニングポータルサイトを設置する予定です。アクティブラーニングのモデルケースとなる授業とその資料などをアップし、だれでもいつでもどこでもアクティブラーニングのヒントを得ることができるようにしていく予定です。 |
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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など) |
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参加者25名越え! 5月に「ICTを活用したアクティブラーニング」をテーマとした研修を学外にも公開して開催したところ、25名の学校長や教諭の方が参加してくれました。このことからも、「ICTを活用したアクティブラーニング」というテーマへの関心が非常に高いことが伺え、より一層研究に力を入れていこうと思った瞬間でした。 |
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成果 |
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今後の課題 |
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夏休み中にMoodleサーバをたてる予定なので、その中に先生たちが利用できるアクティブラーニングの実践を蓄積していけるプラットフォームを用意する予定です。 このプラットフォームを用いて先生方で授業に関する知見を共有し、全教員がアクティブラーニングを行えるようにサポートしていくことが今後の目標です。 |
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公開研究会の計画 |
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10月中旬に公開研究授業(ALRでのアクティブラーニング実践)、外部向け公開研修会(ICTを用いたアクティブラーニングについて)を予定。 | |
アドバイザーコメント |
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日本福祉大学 国際福祉開発学部 教授 影戸 誠 先生 |
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4月から5月にかけて2回訪問させていただいた。その中で強く感じたことは「学校教育力」である。情報関連のプロジェクト推進において最も大切なのは「校長先生、担当教諭のマネジメント力」「教員の連携力」=学校教育力であると考える。魅力ある「校長ブログ」がすべてを物語る。校長先生自らがデジタルカメラを持ち、ブログを更新している。ICTが人と人とを繋ぎ、より豊かなひと時をもたらすことを実践していらっしゃる。校長先生との会話も楽しみである。また担当の勝田先生も教員のみなさんと同じ方向を向いて、アクティブラーニングを推進する組織「Total Plan委員会(TP)」を開催している。連携ある高校、顔の向きがしっかりした学校、それを強く感じた。 アクティブラーニングを活性化させるためには「場」が必要と思う。座ったとき顔がどちらを向くのか、黒板なのか、友達の顔なのか、「対面」する対象でモチベーションはかなり変わってくる。この4月に10教室、本学で作ったが、その効果はてきめんである。たしかに「環境」は意識を規定する。「絨毯」「自由に組み合わされる机」など教室も見せてもらったが準備は整いつつある。 5月の段階では、特徴ある情報教育の展開を見せてもらうにとどまったが、9月以降、洗練された机の配置、授業展開が期待できる。 一人1台の端末が①どのように学習をサポートして、②どんな学習OUTCOME(自ら確認できる学習成果)をもたらすのか楽しみである。 タブレットPCそしてそれを支えるLMS(MOODLE)と(Mahara)を使う予定である。夏休み中に準備を済ませ9月から活用の予定である。Moodleは大学ではよく使われる。私も3つの授業で使っているが、モデルとなる作品の配布、授業成果の保存など効果的である。またmaharaは記録の貯蔵書である。班やクラスで情報の共有ができる。作ったプレゼンテーションの共有が指定したグループ内で可能となる。アクティブラーニング中で、話し合いを促進させる。他者と、そして自らとの対話を深めていくことだろう。 そのような活用モデルがやがて出されるだろう。 |
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