1年目のまとめとして,中間報告会とそれまでの研究活動を「振り返り」,その成果を「みとる」,そして,課題を抽出し次年度の計画を「構想する」ことが行われました。
まず,「めざす子ども像」「平小のスキル」「重点単元配列表」によって,研究全体の枠組みを共通理解することができました。7回の授業研究会を通して,学年が協力して事前検討,試行を重ね,そのプロセスで得た知見を全体会で共有するという流れもできました。
中間報告会の「ポスターセッション→公開授業→基調提案→指導講評→講演」という構成は,参加者に研究内容を理解してもらうことに成功したといえるでしょう。平小学校の先生方の「情報活用の実践力」が発揮されたのです。
子どもたちの活動の様子から,身についた「情報活用の実践力」を「みとる」ことは重要な活動です。子どもたち一人ひとりの実践力の状況を把握した上で,具体的な学習活動を組み入れた授業をデザインしなければならないからです。6年生の授業では,「「平小のスキル」を使って,子どもたちに学習活動の見通しをもたせる」ことが試みられました。子どもたち自身が自らの情報活用を自己評価することにつながるでしょう。
「児童の情報活用能力チェックリスト」の活用も含め,自己評価,相互評価なども取り入れ,多面的に評価しながら指導に活かしていくことを通して,カリキュラムの改善を図ることが求められます。
次年度の計画で,特に留意すべきことは以下の3つだと考えています。
- 授業研究のプロセスで得た「実践知」をカリキュラムに埋め込んでいくこと
- 重点単元等で吟味した「情報活用の実践力」の育成に寄与する学習活動のエッセンスを日常の授業に取り入れること
- これらを実現するための授業研究(会)の在り方をさらに工夫すること
成果報告会では,「情報活用の実践力」を身につけた子どもたちが,その力を充分発揮して学ぶ姿を見せていただきたいと思っています。