実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に関する助成制度)実践研究助成(初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度)

第39回特別研究指定校(活動期間:平成25~26年)

世羅町立世羅西中学校/平成26年度8~12月

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研究課題と成果目標
研究課題と成果目標

取組内容
取組内容

裏話
裏話

成果
成果

今後の課題
今後の課題

アドバイザーコメント
必見! アドバイザーコメント

 

研究課題と成果目標

 

[研究課題]

「ICTを活用した効果的な通常学級における特別支援教育の開発」
       ~優位感覚タイプの分析に基づいたICTの効果的な活用~

[成果目標]

通常の学級に在籍する支援が必要な生徒に対して,優位感覚タイプの分析に基づき,効果的にICT機器を活用することによって,学習効果が高まり,通常の学級における特別支援教育の充実を図ることができる。

本期間の取り組み内容/アドバイザーの助言と助言への対応

 
08月05日
第5回訪問指導
  • 前回の訪問指導からの改善点
    (チェックシート・インタビューのまとめ)
  • 公開研究会当日の流れの確認
  • 公開研究会までの取り組みの確認
  • 公開研究会での公開授業について
08月20日
校内研修
  • 訪問指導を受けての改善点の確認
  • 公開研究会までの取り組み確認

デジタルビデオカメラ(ぼうけんくん)説明会

  • パナソニックから,使いについて説明を受ける。
09月10日
デジタルビデオカメラ(ぼうけんくん)説明会
  • パナソニックから,デモ機を借り受け,使い方の説明を受ける。
10月09日
世羅西中学校 公開研究会
  • 研究報告(授業の見どころ説明を含む)

    研究の動機,方法,成果と課題など,2年間の研究について報告

  • 公開授業(国語(書写),保健体育,理科)

世良町立世羅西中学校活動報告イメージ1

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【視覚優位の生徒に対する支援】

噴水現象がなぜ起こるのか,実験動画を何度も繰り返し観察して考えることができる

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【視覚優位の生徒に対する支援】

自分の動きを客観的にとらえ,よりよい動きを身につけるヒントにする

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【聴覚優位の生徒に対する支援】

イヤホンから筆使いや書くポイントの解説音声を聞きながら,清書する

 
・分科会
  • 授業に関する質疑応答
  • 授業や研究内容に対する指導助言
  • ICT機器の操作の体験
・講演「学力向上のためのICTを活用した授業づくり」
  • 学力向上にむけたICT活用の実践例
  • 本研究の意義について
  1. 「ICTの3段階」を目指した研究であること
    ⇒どういう子どもにICTが効果的か
  2. 実践事例集(指導案)に工夫があること
    ⇒どの場面で,どのタイプの生徒の支援に有効かを明記
  3. 「優位感覚チェックシート」の開発
    ⇒教職員が何度も改良している,暫定的に開発
10月24日
全日本教育工学研究協議会 分科会発表(実践報告)
  • 「ICTを活用した効果的な通常学級における特別支援教育の開発」

[ICTを活用した授業の一例]

世良町立世羅西中学校活動報告イメージ7 世良町立世羅西中学校活動報告イメージ8
9/1 美術1年 
(十二色相環を理解する)
9/3 運動会練習 全学年 
(入退場,配置を全体で確認する)
世良町立世羅西中学校活動報告イメージ9 世良町立世羅西中学校活動報告イメージ10
9/24 数学1年
(等式の性質を天秤の関係からつかむ)
10/15 数学3年 
(グラフの変域を視覚的に把握する)
世良町立世羅西中学校活動報告イメージ11 世良町立世羅西中学校活動報告イメージ12
11/7 小中合同異年齢交流授業2年
  (英語で道案内の仕方を楽しく学ぶ)
11/10 数学2年
(グラフから問題を読み取りながら解く)
世良町立世羅西中学校活動報告イメージ13 世良町立世羅西中学校活動報告イメージ14
12/10 美術1年
(生徒の作品を拡大提示する)
12/12 国語1年
(竹取物語の絵本を拡大提示する)

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裏話(嬉しかったこと、苦心談、失敗談 など)

 
  • 公開研究会では,参加者の多くは町内の先生方であったが,中には交通の利便性がそれほどよくないにもかかわらず,県外・町外からも参加される方がおられた。公開研究会後,メールなどで,研究内容についての問い合わせもあるほど,熱心に本校の研究内容に興味をお持ちの方もいた。
  • 全日本教育工学研究協議会での分科会発表では,本校のこれまでの取り組みを発信することができた。発表会場には,座席が足りず,立ち見が出るほど盛況であった。

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成果

 
公開研究会や全日本教育工学研究協議会での分科会発表にむけて,本研究のこれまでの取り組みをまとめ,一定の形に整理することができた。公開研究会で,アドバイザーの吉崎先生が講評してくださったとおり,次の3点に集約することができる。
  1. 「ICTの3段階」を目指した研究である
    ⇒どういう子ども(どういう特性の子ども)に,ICTが効果的かを研究対象とした。
  2. 実践事例集(指導案)に工夫がある
    ⇒どの場面で,どの優位感覚タイプの生徒に有効かを明記した指導案である。
    29の実践事例が集まり,実践事例集としてまとめることができた。
  3. 「優位感覚チェックシート」の開発
    ⇒教職員が何度も改良しながら,暫定的に開発している。

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今後の課題

 
  • 一定の研究のまとめをすることができたが,今後は「支援の総括表をつくること」が課題である。個々の生徒に対しても,この場面では効果的であってもまた別の場面でどうであるかなど,支援の効果を十分検証し,整理していくことが必要である。

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アドバイザーコメント

日本女子大学 教授 吉崎 静夫 先生

 

1. 本期間(8~12月)の成果について

10月9日に「公開研究会」、10月24日に「全日本教育工学協議会全国大会」の分科会発表を行って、本校の先進的な研究成果を公開できたことは、高く評価できる。

本校の研究成果は、アドバイザーの吉崎が公開研究会の講演で話をした、次の3点に集約できる。それらは、(1)「ICTの3段階」を目指した研究であり、第3段階の「どういう子どもにICTが効果的か」まで研究が進展したこと、(2)実践事例集(指導案)に工夫があり、どの授業場面で,どのタイプの生徒の支援に有効かを明記したこと。(3)「優位感覚チェックシート」の作成において、教職員が何度も改良して、暫定的に開発が完了したこと、である。

「公開研究会」で行われた国語(書写)、理科、体育の授業において、それぞれの授業のねらいのもとでICTが有効に活用されていた。参観者にとっても大いに参考になった。

2.今後の課題について

さらに検証事例を積み重ねて、「生徒の特性に応じたICT活用のあり方」についての知見を深めることが大切である。そして、「特別支援を必要とする生徒の優位感覚に応じたICT活用の成果を集約する整理表」と「それぞれの生徒を支援する総括表」を考えてほしい。

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