実践研究助成（初等中等教育現場の実践的な研究に対する助成制度）

[研究課題]

タブレットPCの日常化が拓く新たな教育Styleの創造
－学びの環境（授業、教師、地域）のRe-designを通して

[成果目標]

• タブレットPCの日常化を促すルーティンの確立
• 活用できるアプリケーション一覧の作成
• 代表的アプリケーションを活用した協働学習、表現活動の授業展開のモデル化
• タブレットPCの日常化がもたらす（教員、子供の）変化の把握
• タブレットPCの積極的活用による基礎基本の定着とキーコンピテンシーの育成

【校内研究全体会2回＋授業研究1回＋研修会における授業公開1回】

• 1月8日（木）　研究全体会
  今年度の研究のまとめ
  分科会ごとの成果と課題の整理
  次年度に向けてー疑問、課題、取り組んでみたいこと等の整理
• 2月9日（月）　授業研究
  5年生「もののとけ方」
  学習支援アプリを活用した協働学習の試み
• 2月25日（水） 研究全体会
  今年度の活動の振り返り（研究主任より）
  分科会からの発表
  アドバイザーより指導・助言
  
• 3月 3日（火）　多摩市ICT教育推進研修会における授業公開

【アドバイザーの助言と助言への対応】

◯アドバイザーからの助言

1. 協働学習の共通理解 　
   思考力：考えているだけでは外に見えない。それを表現することが大切。
   思いをもち、中学年以降は思いを整理・関連付け、その中から自分で選択して発信する。
   表現力：思いを共有すること。
   自分の考えを付け足して説明する。寄せ集めたことを一つにまとめて発信する。
2. アドバイザーが見た成果
   
   • タブレットPCを授業場面で柔軟に使いこなしている。
     指導者がこの1年間の実践を通して学んだことや「私のおすすめの取組み」を紙以外で、できれば連載形式で発信してほしい。
3. アドバイザーが考える課題
   
   • 成果を目に見える形で発信してほしい。成果として現れた「前向き」をデータで示すことが大事。
     研究テーマである「新たな教育スタイル」が決まっていない。管理職同士の考えはほぼ同じだが、他の教員とは乖離がある。このズレがあると次年度の課題解決に向かっていけない。テーマにせまるための「教育方法、カリキュラム」を低中高のそれぞれの分科会でどこまで目指すのかを考える。
     以上をもとに「愛和型の授業」について提案できるとよい。

◯助言への対応

1. 今年度実施した標準学力調査の定量的なデータをもとに成果を図る。
2. データによる成果＆課題を踏まえ、改めて授業改善から新しい教育スタイル、特に授業実践スタイルについて共通理解、共通実践していく。
3. 次年度の研究のスタートに向け、研究推進部が研究テーマ、構想図、分科会、研究計画のたたき台を作成する。

手探りであったタブレットPCの学習支援アプリケーションを活用した「協働学習モデル」の構築に向かって、数回の授業研究と協議会を踏まえてその方向性が見えてきたこと。
各分科会が成果と課題の話し合いにおいて、多くの教員が前向きな姿勢を示してきたこと。
3月のICT研修会で多摩市の多くの教員に本校の授業実践を示せたこと。
冬休みには4年生以上、春休みに全学年児童のタブレットPCの持ち帰りが実施できたこと。

これらの事実が、一歩一歩ずつ本校が目指す「新たな教育スタイル」の創造につながっていくのだという手応えを感じられたことが一番の喜びである。

タブレットPCが授業のみならず教育活動全体において、当たり前のツールとして活用されるようになった。

個別の教科の、そして限られた範囲であるが、定量的なデータをもとにタブレット活用の成果が確実に現れてきた。

子どもたちの表現力が育ってきたように感じる。タブレットPCと大型モニター、通信インフラ（Wi-Fi）が日常的にプレゼンできる環境を整えていることの絶大な効果である。

タブレットPC活用の可能性を実践できたこと。Skypeを使った英語活動の実践は、子どもたちに異文化の人とのコミュニケーションの楽しさを実感させた。

最後の校内研究会でのアドバイザーからの指摘通り、本校が目指す「新しい教育スタイル」、特に愛和型の授業スタイルを全教員で改めて確認する必要がある。

そこを踏まえ共通実践して、成果につなげることが次年度のねらいであると考える。そのためにも多くの授業研究を通して授業改善を図り、定量的なデータによるエビデンスを示していきたい。

タブレットPCを活用し、全学年において基礎基本の確認を繰り返したことで児童の基礎学力の向上が見られた。

協働学習をテーマに授業研究を行ったことで、教師と児童、児童同士が双方向に交流をもつ授業スタイルの土台を作ることができた。

1年間を通じてタブレットPCの活用の日常化が図られ、様々な場面での有効活用が図られるとともに家庭学習での取組みにも活用できる方向性が見えてきた。

研究テーマである「タブレットPCの日常化が拓く、新たな教育スタイルの創造〜学びの環境（授業、教師、地域）のRe-Designの試みを通して」にかかわり、授業及び教師については、タブレットPCを活用することで従来の考え方にとらわれない新しい発想での授業実践が行われるようになってきた。次年度は家庭学習へもタブレットPCを活用して地域のRe-Designを図っていきたい。また今年度の実践から学力向上の兆しがみえてきたが、次年度は定量的に学力向上の成果をエビデンスとして示していきたい。